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セシャトのWeb小説文庫2018  作者: セシャト
第十章 『探偵と助手の日常』著・ 藤島紫
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現代作品には現実を、異世界作品には非現実を! 

( *´艸`)ふふふのふ^^ 最近色々な業務が立て込んでおり、倒れそうです^^

でも、それがまた楽しいですねぇ! 世の中は人手が足りないと言われていますが、古書店『ふしぎのくに』もまた例に漏れず人手不足ですよぅ! このままいくとブラックになってしまうんじゃないでしょうか^^

(これはどう反応すればいいでしょうか?)


 かなめはセシャトの理解を越える事を何度となく言ってくる。箱を開けてくれ! から、次はこの箱は玉手箱なのだと。



「それ開けたら私は御婆さんになってしまうんですか?」



 セシャトのその返し、同性の女性が聞けば、何言ってんだこの怪人アザートスは! と思われる事だろう。そんなセシャトをかなめは優しい目で見つめる。



「浦島太郎は玉手箱を開けるべきだったのか、それとも開けない方が良かったのか? それって難しくないかしら? 例えば、この清明さん。少しナイーブな面があるわね。本当の探偵さんはドライで淡々としているものだけれど」



 本作の主人公探偵の清明は、体格も良く格闘経験者でイケメン。無敵のように思えるが、人間らしく非常に優しい。そしてそれはまた事件に関わる事で深く傷つくという事でもある。



「そうですね。私は、こういうところが好きですよぅ! どうしても物語という物は非現実的側面があります。それは商業で売られている推理小説もです。ですが、何処か現実を感じさせてくれる物というのは得てして努力、そして作品への愛を感じますね! ただこれがファンタジー物だと絶対見せちゃダメな側面なんですけどねぇ!」

「ふふふ! 私は警察が一番リアルだと思うわ。彼らは人を疑うのが仕事だから、それを知り合いであれしっかりとこなしている。この作者さん、しっかりしてるわね。周囲のアイテムで作品の質を上げているじゃない」



 セシャトは頭から湯気が出そうだった。これは珈琲でも飲みながらセシャトが語るようなシーンである。当然、競い合っているわけではないのだが、はじめての経験にセシャトは困り始めた。


(ひぇー! 神様帰ってきてくれないですかねー)


「あら、久太郎狐のお話が書いてあるわね。この作者さんは川越の方なのかしら?」

「どうでしょう? 異様にお詳しいのでそうではないでしょうか? あと久太郎狐ってお菓子じゃなかったんだなってこのお話で知りましたよぅ!」



 ご当地昔ばなしまではさすがのセシャトも知らないが、こう言ったWeb小説で古今東西の知識を得れる事がまた楽しみでもある。



「セシャトちゃんは人の気持ちになって考えるかしら? 接客をしているセシャトちゃんにこれを聞くのは失礼かもしれないけれどね」



 セシャトはもうこのかなめは可愛い人なのだと思う事にした。そして、彼女は話術も知識もあらゆる面において自分より上手にいる。

 それであれば自分がすべきことは彼女から学ぶという事だと割り切った。



「むむっ! そうですねぇ! 出来る限り相手の気持ちになるようにしておりますよぅ! でも清明さんが考えるように人の気持ちを完全に理解する事はできませんから、不快にさせれば全面的に謝罪するようにはしていますね!」



 うんうんと頷くかなめ。



「セシャトちゃんは最近では珍しいいい子ね! えらいわ」

「えへへ、そうですかぁ! なんだか照れますねぇ」



 セシャトは実のところ、褒められなれしていない。たまに神様に褒められると舞い上がるくらい嬉しいものだった。



「かなめさん、私の凄い好きな言葉があるんです! 狐は偽りを魅せるようだが、探偵が見せるものは真実だ! ってところです! ここ背中がぞわっとなりませんか?」



 Web小説はオリジナル作品として様々なキャラクターが様々な名言を残す。そんな中でも清明というキャラクターの魅力を存分に引き出す台詞が度々出てくる。



「セシャトちゃんは、良い眼を持ってるわね! 私とは違う物を見ている感じ、なんだか私までここに三枝君や木崎刑事がいるように思えるわ!」



 セシャトの瞳は文章を映像で見る事が出来る。そしてそれをお客さんにも体験してもらうには金色の鍵をしてはじめて行える御業であるが、かなめは何となくセシャトの感覚を感じ取っていた。



「むむむむっ! 宇宙飛行士さんは第六感的な物を感じ取れるのでしょうか?」



 これにもやはりかなめは上品に大笑い。今までに感じた事のないくらい子供扱いを受けるセシャトだったが、なんだか意外に悪くない。



「セシャトちゃん、傘って実は凄い凶器になるのを知っているかしら?」

「傘がですか?」



 俊夫が暴走して傘をふりまわしたシーンについてとセシャトは理解。傘を振り回すような振りをしてかなめは語った。



「子供が傘で同級生の目を失明させるなんて、よく起きる事件なのよ! 最近は子供だけじゃなくて大人でも訴訟問題になったらしいわね。先が金属の物なんて。喉を突けば死んでしまうかもしれない。実に危ないわね。セシャトちゃんも夜中に痴漢に遭いそうになったら傘使うのよ!」



 さらっと凄い事を言うかなめ、俊夫のシーンでは清明がスタイリッシュに回避する。セシャト達が作品と同化をした際に再現不可能な事が、こういった運動能力に物言わせる動き。



「セシャトちゃん! やってみましょうか! セシャトちゃんは私に襲い掛かってきて!」

「えっ! 何をです?」



 かなめは中腰になると利き腕を前に差し出して、掌を天井に向けるとその状態で手招きする。それはカンフー映画の主人公のようにセシャトを挑発する動きだった。



「それは、何をされているのでしょうか?」

「かかってらっしゃい。セシャトちゃんの大好きな『探偵と助手の日常 著・藤島紫』の世界を体験させてあげるわ」



 セシャトは腕力が強いわけでもないし、何か格闘センスがあるわけでもない。だが、セシャトの中の同化心……いわゆる子供のごっこ遊びをしたいという童心には逆らえなかった。新聞紙を丸めてセシャトは「やー!」とかなめに襲い掛かった。

 セシャトの振りかぶる新聞紙をよけるとセシャトの鼻をデコピン。そして腕をつかむと両手で捻る。合気の基本初動にして最も実用的な小手返し。

 セシャトはペタンと地面にうなだれる。



「酷いですよぅ……」

「あら、ごめんなさい。でも分かったかしら? 古武術の達人なら一般人相手だと子供と大人。これが空手や柔道等じゃこうはいかないのよ」



 空手や柔道と古武術の違い。セシャトには分からないが、いくつかのweb小説知識にて知った事はある。



「空手や柔道は古武術の良いところばかりを集めた格闘技じゃないんですか?」

「そうねぇ、半分正解! 古武術の安全なところを集めたのが空手や柔道かしら?」



 これらに関しては賛否両論あるが、現在の柔道ですら元々は柔術という今でいう古武術の師範代が嘉納治五郎に集められてできた物である。

 よりスポーツ性を高め、殺人性を極限まで無くしていった結果、今の柔道として世界中で愛好されている。



「セシャトちゃんも護身術くらい覚えた方がいいわよ! こんなに可愛いんだもの、自分の身は自分で守らないと」



 このかなめの趣味趣向がだんだんセシャトには見えて来た。かなめは少年だ。少年の心を持った落ち着いた女性なのだ。車に詳しくて、格闘技が大好き。



「はぁ、運動したら喉が渇いちゃったわ! 何かいただけるかしら?」

「はいはい! どうしますか?」

「セシャトちゃんの一番好きな珈琲って何かしら?」



 これまた中々難しい質問である……がセシャトには一つのフェイバリットドリンクが存在していた。



「バター焙煎の珈琲ですねぇ」

「バター珈琲じゃなくて焙煎したほうね」



 ダークローストの豆をバターで焙煎し、それから煮出した珈琲の味はセシャトにとっては思い出の味。セシャトは思いだしながら悦に入っているとかなめが聞く。



「セシャトちゃんはブラックで飲むのが基本かしら?」

「えぇ、基本はそうですねぇ。たまに気分で沸かした牛乳と割ったりしますけど」

「コーヒーはあまりブラックで飲まない方がいいわよ。何回かに一回はミルクを入れる事をオススメするわ」



 分かってはいるのだが、それは中々頂けない提案でもあった。緑茶に砂糖を入れるのを拒むように、セシャトにとっては珈琲は座って頂く物。そしてあの芳醇な香りをかぐと気が付いたら口につけている。



「はひゃぁ! 少しトリップしてしまっていました。かなめさん、改めて何を飲まれますか?」

「じゃあ暖かい緑茶を頂こうかしら」



 まさかこの流れで緑茶かと、セシャトは何度となく虚を突かれるのだが、かなめのこの行動にも段々慣れて来た。

 急須を用意してセシャトは八女は星野村の玉露を用意する。幾度となく高級緑茶として日本一に輝くこの八女茶。これもまたセシャトのフェイバリットの一つでもあった。

 これでかなめを驚かす算段をセシャトは考える。濃いめに入れた玉露を沸かした牛乳で割る。

 所謂緑茶ラテを作る。緑茶だけに甘味は国産の柑橘類の香りがついたハチミツ。



「どうぞ!」



 未知との遭遇にどんな反応を示すかと思ったが、かなめは普通に緑茶ラテを楽しんだ。そしてまさかのダメ出し。



「セシャトちゃん、いい緑茶は甘味が強いからもう少しハチミツを少なくした方がいいわよ! あらでもセシャトちゃんは甘いお菓子が大好きだからこのくらいがいいのかしら?」



 自分用に入れていた70度程に冷ました緑茶をふくむ。実に落ち着く。そして遺伝子を揺さぶるようなうまさである。品質によってはグラム1万を超える時がある為、セシャトも知人に送ってもらっているのだが……かなめが言う通り確かに甘い。

 それを楽しんでいるとかなめは次の発見をした。



「ふふふ、川越の狐は狩りつくされたそうよ」

「そう書かれていますね」

「狐は、人間によりそう害獣だから、いるわよ何処にでも。どちらかと言えば都会じゃない地域だから尚ね」



 害獣とは中々に酷い言いようである。事実獣の類は何処にでもいる。狸も狐も鼬も数は減らしているのかもしれないが、案外我々人間の目の届かないところで行動しているのだ。

 実は川越は狐の遭遇ポイントとしても有名だったりする。



「それはそれだけ自然が残っているって事なんですか?」

「どうかしら、逆に住処が減っているから人目についているのかもしれないわよ」



 なんとも答えのない問答のようだった。かなめが飲みたそうにしていたので、セシャトはもう一杯緑茶ラテを作り、その中にマシュマロを放り込んで出した。

 あら、と少し驚いたかなめの唐突な一言。



「セシャトちゃんって動物に例えたら狐かもしれないわね」



 これはまた何かのなぞかけだろうかと、甘味の強い玉露を冷まして含んだ。

皆さんはWeb小説を楽しむ時何を飲まれますか? お茶でしょうか? 紅茶でしょうか? それとも私と同じで珈琲ですかね? ジュースや、お酒! なんて人もいるかもしれませんね!

お飲み物に困った時も一度『探偵と助手の日常 著・藤島紫』をご拝読、いえ御賞味ください^^

バリスタさんの経験もある作者さんの優しいご説明がありますよぅ!

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