~序章~
初投稿ですので温かい目で見てくださいm(__)m
誤字脱字がありましたらすみません。
「ハハハハハハハッッッ!!!カスめ、英雄と呼ばれた貴様らでさえ、この程度なのだ。大人しく殺られてしまえっ!!」
広い大草原に響き渡る一つの声。その声と対峙している私達、四人は誰がどう見ても満身創痍の身体で勝敗は着いているようなものだった。
「黙れっ!俺は……、いや、俺達は貴様を倒し、この世界を救うまで死なん。そうでなければ今まで出逢ってきた仲間や友に顔向けが出来ない。もう二度とあの日のような出来事を繰り返してなるものか!勝負だ、オーフィス……否、前世の我を殺した我が父、黒神無限よ!今ここで貴様を倒し、この世界を救ってみせる!」
俺は決意を新たにし、それぞれが無限に向かって武器を向けた。すると突然、奴は首を項垂れ、精神でも壊れたかと思えるほどの奇声で嗤いだした。
「クッ、クククッ、クハハハハハハハハハハハハハハッッッッ!!!!!!」
「っ!?」
「な、なぁ。あいつ可笑しくなったんじゃないか?」
いや、違う。恐らく奴は……。
「救う?この世界を?貴様達がか?馬鹿馬鹿しい、寝言は寝てから言え」
「なっ…んだとぉ……!」
「何が可笑しい!私はシェルダーと……イリアと……シルベストと……!この世界を救いたい。その一心で血を吐く程修行し、どんな苦しみや怒りにも耐えてきた。ここにいる四人だけではない、他の者達の想いも背負ってこの場にいる。その<想いの力>は貴様だって倒してみせる!轟け、天空の覇者の叫びよ。纏え、その怒りに満ち溢れた魂よ。墜ちて彼の者を灼き尽くせ! <赤雷の堕天>!」
「っ!待て、アルバート!」
ズッドォォォォォォォォォオオォォォォォォォンッ!!!!!
「はぁはぁはぁ…、ど、どうだ?私の最大攻撃魔術は。はぁはぁ、や、殺ったか?」
俺達の最強魔術師、アルバートの最大攻撃魔術、<赤雷の堕天>か。あれで倒せなければ奴を倒す術が無くなってしまう……、しかし奴のことだ。倒すことはか敵わなくともダメージは受けているだろう。そんな浅はかな考えをしていると煙が収まり、奴の姿が見えた。
「おいおい」
「うそ……だろ」
そこには全くの無傷で余裕の笑みを浮かべる無限の姿があった。
「フンッ。こんなものか、あの精霊族のヴェルダンテの加護を受けていると聴いたからどんなものかと受けてみれば……。所詮カスはどれ程成長しようとカス…か。おぉ、そうだ。この魔法、そっくりそのまま返してやろう。受けとれぇ!!」
「皆、逃げろォォォォォ!!!」
「キャッ!」
「ハァッ!」
「何してる、アルバート!早く逃げろっ!!!」
「あ、あ、そ…ん…な……」
「クソォ!」
(間に合うか!?)
俺とアルバートは大分離れていた為、距離があった。アルバートは俺達のリーダー的存在だ。指示や作戦もアイツが出してくれていたお陰で救われた部分も多くあった。アイツがいたお陰で成功したこともあった。アイツがいたお陰で俺は自分の好きなことが出来た。しかし、今はそれ以上に仲間として友として死んでほしくない!そう思った俺は分け目も振らずに一直線にアルバートに向かって駆け出していた。
「シェルダー!」
「待つんだ、シェルダー!」
「フッ。愚かな、去らばだ。我が息子よ」
ズッドォォォォォォォォォォォオオォォォォォォンッ!!!!
「くはっ。げほっごほっ!私はいったい…」
「だ、大丈夫か、アルバート?」
「シェルダー!済まない、たすか……」
そこには広い大草原の一角を真っ赤な血で染め上げたシェルダーが横たわっていた。
「シェルダー…、起きてくれ。シェルダー、シェルダァァァァァァァァァァ!!!!!」
「クハハハハッッ!!!無様だな。仲間などという確かでない者のために自らを投げ棄てるなど当に愚の骨頂よ」
「黙れっ!シェルダーを馬鹿にする者は誰であろうと許さない!シェルダーを殺したその罪、万死に値する!うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
私が怒りで周りが見えない状況の中、そっと手に触れる感触があった。
「落ち…着けよ……、アルバート。俺なら、だい、じょう…ぶだ」
「シェルダー?生きて…たのか?)」
「シェルダー。お願い死なないで!貴方にまで死なれたら私はどう生きていけばいいの!?」
「シェルダー殿、大丈夫です!今は喋らず安静に為さってください」
「おいおい、お前ら俺を勝手に殺すなよ。俺なら大丈夫だから、しばらくの間は動けねぇだろうが時間さえ経てば闘えるようにはなるさ」
っ!とはいったものの、ヤベェ。もの凄ぇ痛ぇぇぇぇぇぇ!!!!だけどあいつらにこんな顔を見せたら絶対駄目だ。仲間として何より男として情けないからな。ポーカーフェイスだポーカーフェイス。
「シェルダー……、済まなかった。私を庇ったせいに君を……」
「おいおい、アルバート。貴族の、それもマッドリックス家の者が戦場でそんなものでいいのか?俺なら大丈夫だから、ゴホッゴホッゲハァッ!!」
(クソォ。意識がもう……)
俺は強い痛みに意識を飲み込まれ、次に目を覚ました時には周りには誰もおらず、それどころか景色さえなく、真っ白の世界だった。
汝、シェルダー・パーシバルは世界を変革させるほどの<力>を望み、欲するか?
(お前は誰だ?それにここは……)
問いに答えよ。貴様には時間が無い、どうだ。欲するか?
俺は……、あれほど努力したにも関わらず、意図も簡単にやられた。しかし、ドーピングやその類のことをしたところでそんなものは本当の力とは言えない。だが今は……
(あぁ。勿論だ)
「我と契約し、その願いを叶えるが為、全てを破壊すると誓うか?」
(あぁ。誓おう)
「契約完了。シェルダー・パーシバル、今から貴殿を我が主として認めよう。身体は動けるようにさせてもらった。このまま目覚めても問題無い。主よ、想うままに唱えよ」
「我、覚醒めし者は世界の理を変革せし、反逆者なり。世界を燃やし、切り刻み、壊し、創造する。
我、世界の覇者と成りてここに誓う。汝、黒神無限、貴殿を<無>となる場所へ堕とそう。<反逆者の独立式>(リべリオン-コード)!!!」
(力が溢れでる…。この<力>なら……!)
「シェルダー?」
「シェルダー、お願い。目を覚まして!」
「シェルダー殿……」
私達は精神的支柱のシェルダーを失ってしまい、戦意はもはや0に近く、抵抗する気力さえ出てこなかった。しかし、突然シェルダーの身体から目を開けてはいられない程の光が発せられた。
「シェ、シェルダー?」
「シェルダー!良かった……」
「シェルダー殿、ご無事でしたか!」
しかし、私達が、いくら言葉を掛けてもアイツは返答せず、振り向こうともしなかった。表情は無く、まるで誰かに操られているかのように暗かった。
「無限」
「な、なんだ」
「貴殿を殺す」
ビュォォォォォォォォォォォ!!!!!
「なっ!?クッ!」
「ね、ねぇ。あれって本当にシェルダー…よね?」
「………………………………」
「フッ。何をしたか知らんが少しはマシになったようだな。来い、龍!」
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