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プロローグ。

また手首を切った。



滴り落ちる赤い血を見つめて、あたしはやっと冷静になった。



いつもの様にガーゼを当てて、グッと止血する。


痛みなんて最早感じない。



━━『儀式』は終わった。





「…あ。」




傷を隠す為に、ガーゼの上からリストバンドを着けた時、あたしはあの感覚に襲われた。



すぐピアノに向かい、降りてきた曲をなぞる様に弾いてみる。



大丈夫、この曲も売れるわ。




これがあたしのやり方。

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