第12話~SEから見る人生設計~
「ふぅ~、よく寝た」
「おはようございます」
「おはよう」
抱きしめあった二人は笑顔で見つめ合う。
「ご飯」
「はい」
紅暗は、どうやら朝起きて軽食を室内にあらかじめ取っておいてくれたようだ。一緒にご飯を食べる。今は昼か。
「うん」
こんな晩婚夫婦のようなやり取りが2日目にして定着している二人だった。
「今まで将来のことなんて考えずに働いてきたけど、異世界まで来たら将来設計というものを考えないといけないな」
「そうですね。サエさんのように、老後も戦えるような人は稀ですし」
「そうなの?」
「ええ、神の祝福があっても、種族の違いには寄るけど、年齢による能力の低下というものはどうにもならないですし」
「まあ、能力低下している中での探索は危険だな。精神的にはもう仕事はしたくないんだが、もともとの生活水準まで整えるとなると、かなり莫大な資金が必要だ」
「そうですね。でも、あの教会を住居にすれば「仕事を家まで持っていったら休めない」」
「そうですか」
「最終目的は幸せになることかな。恋人を作って、結婚して、家庭を作って、子供達に囲まれて……」
「素敵ですね」
「ああ、叶わないと諦めてしまう程だけどな」
「えっ、どうして」
「俺の仕事に理解を示してくれる人は少ない。偏見も時には恨まれることもある。それでも続けてきたのは、母親の支えがあったからだ」
「……」
「だから、サエさんに支えてもらって、紅暗が助けてくれて……何とか生きる気力が出てきた」
「義嗣……」
「じゃ、まずは何をしようかな」
「SEをやっていたなら、RFPからですね」
「RFP? 略称じゃ分からん」
「RequestForProposalです」
「ユーザー企業に提出す提案書の元資料か、この場合、ユーザー企業って誰?」
「エトファさんでいいのでは?」
「その次の提案書、エトファさんにPRするのは任せた」
「はい。でも、義嗣が説明した方がエトファさんも喜びますよ」
「まだ、仕事の長話ができる程、俺は精神が回復してない」
「……分かりました。それで、義嗣の人生のスパンだと、5段階で2段階目の最後の方から3段階目の最初位だと思いますけど」
「そうだな、本来なら働き盛りの段階だし、ここは、色々な仕事を得て、最終的に自分にあった仕事をしてお金を稼ごうか」
「ですね。では、ギルドに行ってみましょう」
「うん」
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名前:宮下義嗣
レベル:1
職業:システムエンジニア、運用オペレーター
職種:システムサービス
信仰神:葬祭の神
クラス:クシャトリア
称号:教会所持者
称号ストック:神の寵愛を受けし者(神から様々な恩恵を受けることができる。)
神を従えし者 (マイナススキルの緩和、ただし、従者が側にいなくてはいけない。)
筋力:2
体力:2
速度:3
魔力:3
知力:2
器用:2
精神:2
運勢:2
霊力:3
超能力:3
称号特性:
教会でシャワーを浴びることができ、エンバーミングを行う場所がその教会で提供される。
クラス特性:
教会からの依頼を選んで受注できる。
祝福:
プログラミング能力上昇
特技:
混乱上昇、記憶力低下、コミュニケーション能力低下、気力低下、二重人格、霊力、超能力使用不可
特記事項:
職業はSEだが、不況の影響で運用オペレーターをやっていた。
特殊基本能力:
霊力、超能力
所持金:200円、60万ミラ
持ち物:
ビジネスバッグ、仕事用のノートと書類、クリアフォルダ、うがい薬入り喉飴、栄養剤、風邪薬、コムラガエリ用(足つった時)薬、洗顔シート、筆記用具、煙草、ライター、胃薬、折りたたみ傘、タイマー機能だけ使っている折りたたみ式携帯電話、スマートフォン、iP○d、携帯食料、飲み物、銃弾。
着ている服:スーツ、コート(ナイロン製薄くて安いものと、取り外し可能な2枚重ねのコードで高いやつの2着)、マフラー。
折りたたみ携帯の転送登録:
スーツ、携帯食料、飲み物、栄養剤、銃弾
装備
武器:折りたたみ式携帯、桜蒼、デザートイーグルカスタム50AE
胴体:防弾刃ジャケット
足:グラスファイバー製プロテクター(黒)
腕:グラスファイバー製プロテクター(黒)
アクセサリー:時計、眼鏡
装備特性:
火炎耐性、対弾耐性、対刃耐性、射撃命中率上昇
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