第18話~初授業~
鬱だ。仕事がつまらんし、24時間戦えません。
「どうも、魔法プログラミングを教えることになる宮下義嗣だ。魔法プログラミングとういのがどういうものだかは知らないだろうから説明すると、魔法カードは知っているだろ、魔法カードを自在に使うための技術ということになる」
「先生!」
猫耳で鋭い目つきの女性が声を上げる。この学園の制服は、女子がブレザーとスカート、男子が学ランである。女子はネクタイで学年分けがされているし、男子は校章で学年分けされている。義嗣の魔法プログラミングは選択学科に分類される、その中で、今日の今の時間は貴族、王族の子供達が授業を受けるらしい。
「はい、えっと、誰?」
「クリア・ルーツです」
「じゃ、ルーツさん何ですか?」
「魔法カードを私は持っていません」
「別にカードを使えば早く理解がしやすいとか位で、実際は殆ど机上の話が中心で実技は殆どありませんよ。まあ、殆どないかわりに、迷宮に潜って実戦をしてもらいますけど」
「「「「え~」」」」
「そう言わないでください。机上だけだとどうしても無理な部分がありますからね。じゃ、初回ということでどんなことをやるのか触りを説明しますか。うん、じゃ、そこのレジーナさん」
「はい」
「貴女の前にモンスターが現れました。魔法を使って倒しました。この間にすることは何ですか?」
「敵との魔法相性を選別し、威力を調整することでしょうか?」
「うん、10点」
「えっ」
レジーナはいきなり低い点数を言われて顔が青くなる。そんな点数を取ってしまうなんて貴族としてあるまじきことであるからだ。とりわけレジーナは魔族で優秀な部類に入るのでこんな点数を取ったとなると後が怖い。
「そんな顔を青くしなくてもいいさ。だいたいこんな答えをこのクラスは全員するだろうからみんな10点だし」
「そんな」
「どうして10点なんだよ!」
「いや、私勘当される」
「すこし落ち着け、初めての授業でこんな点数を成績に反映するわけないだろうが!」
「「「「えっ」」」」
「はぁ~、疲れた。まず、俺が言った質問を言って見ろ、レジーナ」
『貴女の前にモンスターが現れました。魔法を使って倒しました。この間にすることは何ですか?』
「まず、どんなモンスターかを言っていないな」
「はい」
「そして、モンスターとの自分との距離も言っていない」
「はい……あっ」
「気付いたと思うが、モンスターとの距離が近すぎて、倒す為の威力を出す魔法の詠唱時間を稼ぐことをしなくてはいけなかったりするのと、自分がパーティを組んでいるかいないかまで言及していない」
「ここまで考えて50点位、後は仲間との戦術やモンスターの数等も含めて90点くらいまでの評価をするのが戦闘学科に分類される所の教師の評価だと思う」
「えっ、じゃ、義嗣先生の評価は違うんですか?」
「ああ、ここまでなら、俺の評価は0点だ」
「「「「0点」」」」
「評価できないんだよ。それに迷宮である以上危険が付きものだし、何回も評価の為に行くことはできないから机上でのテストの評価がほぼ成績に繋がる。ただ、それだけだと公平な評価がつけにくいから実戦評価も入れないといけなくて困る」
「「「「「「「えええええええええええええええええええええええええ」」」」」」」
「まず、魔法を放つまでに何をするか、そうだな、もっと分かりやすく、炎属性の槍を1本放つ為にはどんなことをするか答えてみろ、マリー」
「マリーは、まず必要な魔力を練ります、それで詠唱して魔法を放つです!」
どうも、周囲の生徒も同じ考えらしく、精神的な疲れが出てきた義嗣。サエは、魔法カードに関係する技術を学園には伝えなかったらしい。恐らく知っていそうなのは歴代のキングかジャックだが、今のキングはどうもあの大雑把な性格で知っているとは思えない。ならジャックだとは思うが、義嗣はジャックにどう話そうかという所に息詰まる。かなり年齢が離れている異性にどう話しを持っていけばいいのか考えるのは面倒であるからだ。あれだけ素晴らしい魔法カードを作っているのにそれを伝えなかったとなるとどんな理由なのかが気になったが、そこまで詳しく教えることは生徒にはしないので大丈夫だろう。後は、500万ミラで販売、量産まではいかないが、ある程度普及しているということも気がかりだが、突っ込むとどういう風にことが進むのか不明なため何もしない。
「はぁ~、そうだな。マリーみたいな考えが一般的だろうからな。君らかなり頑張れよ」
「どういう意味ですか?」
「そんな考えじゃ、この先大変だなぁと」
「どうしてですか?」
やけに、この生徒、俺の言葉に突っかかってくるなあと義嗣は思っているが、焦点や視点をづらしているので、顔を見ていない。あんまり人の顔を見ながらというのも疲れる要因になっているのだった。
「そうだな、いろいろあるが、えっと、練った魔力で必要以上に集まってしまった魔力はどうする?」
「それは発動する魔法に加算しますわ」
「それじゃ、思った通りの魔法ではなくなって危険だろう」
「では、他の魔法に変更します」
「実戦でそんな時間が取れるか?」
「じゃ、どうするんですか?」
「この不必要になる魔力と魔法発動時に大気中に少量発生してしまう魔力を総じて、余剰魔力という―――どうやらそんなことも教えてもらえていないようだな。というかお前らが知らないというと親も知らないとみた方がいいな」
「知りませ~ん」
「こりゃ、俺の授業の時間なのに、魔法基礎を教えなけりゃいけないなぁ、面倒な。このことは学園に報告するか、俺以外の教師大丈夫か?」
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名前:宮下義嗣
レベル:4
職業:学校教師
職種:公務員
信仰神:葬祭の神、教育の神
クラス:クシャトリア
称号:神を従えし者、教会所持者
ギルドランク:F
筋力:19
体力:11
速度:190
魔力:210
知力:80
器用:90
精神:40
運勢:43
特技:
混乱上昇、記憶力低下、コミュニケーション能力低下、プログラミング、思考力低下、無詠唱(銃弾付加魔法限定)
特記事項:
紅暗がそばにいることにより、全てのマイナススキルを緩和する。
魔法:
火炎付加(炎を銃弾に付加する)
氷結付加(氷を銃弾に付加する)
弾速強化(風魔法により弾速を上げる)
弾道変更(風魔法により弾道を20度位まで変更できる)
ファイヤーストリーム(イメージ:高回転するプロペラから排出され、相手に銃弾のように高速で向かう炎の竜巻)
魔法カード:
TORNADO(風魔法攻撃)
現金:150万ミラ
アイテム袋:
■前の世界の持ち物
ビジネスバッグ、仕事用のノートと書類、クリアフォルダ、うがい薬入り喉飴、栄養剤、風邪薬、コムラガエリ用(足つった時)薬、洗顔シート、筆記用具、煙草、ライター、胃薬、折りたたみ傘、iP○d、コート(ナイロン製薄くて安いものと、取り外し可能な2枚重ねのコードで高いやつの2着)、スーツ、マフラー、着替え。
■異世界の持ち物
宝石、携帯食料、飲み物、銃弾
ラストフォンの転送登録:
スーツ、宝石、携帯食料、飲み物、栄養剤、銃弾
装備:
武器:ラストフォン、日本刀(チタン等の合成金属製)、ハンドガン(12発装填)、ラストブラスター(サエの形見)
胴体:防弾刃ジャケット(黒)
足:グラスファイバー製プロテクター(黒)
腕:グラスファイバー製プロテクター(黒)
アクセサリー:時計、眼鏡、ラストアブゾーバー
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■ 裏 ■
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名前:宮下義嗣
レベル:300
職業:エンバーマー
職種:葬祭サービス
信仰神:葬祭の神
クラス:信愛の騎士
称号:神を従えし者、教会所持者、
筋力:19+200(219)
体力:11+3000(3011)
速度:190+5000(5190)
魔力:210+4600(4610)
知力:80+8000(8085)
器用:90+8000(8090)
精神:40+6000(6040)
運勢:43+5000(5043)
特技:
混乱上昇、記憶力低下、コミュニケーション能力低下、プログラミング、思考力低下、無詠唱
精密精確射撃(ピンホールショット、ワンホールショット等)
特記事項:
紅暗がそばにいることにより、全てのマイナススキルを緩和する。
サヤの装備と義嗣の装備の融合装備、ラスト系装備を揃えることにより耐性が備わる効果はそのまま。さらに、耐性が付加された。
電撃・水・氷結・衝撃・火炎等の元素攻撃の無効。精神攻撃、呪殺無効。
魔法:
元素攻撃魔法の全て
魔法カード:
TORNADO(風魔法攻撃)
METAL(銃に強化魔法をかける)
PANCH(パンチの威力強化)
KICK(キックの威力強化)
TRICK(幻術系分身魔法)
FIRE(炎魔法攻撃)
CHARGE(魔法カードの魔力を補充)
FLY(飛行魔法)
CHANGE(登録しているカードの中で、プログラムされたパターンからその場で所持している最適な魔法カードになる)
NASTY(不快な音波を発生させる)
ACCEL(瞬間的に加速する)
残り2枚ブランクカード
装備:
武器:折りたたみ式携帯『ラストフォン』、スマートフォン『ラストアブゾーバー』、融合銃『クライムブラスター』、日本刀(チタン等の合成金属製)
胴体:融合ジャケット『クライムジャケット』
腕:融合小手『クライムフォアアーム』
足:融合具足『クライムアーマー』
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そう言えば、エンバーミングにはかなりの体力(遺体をマッサージする)と精神力(遺体に向き合う)が必要なのに、義嗣の力と体力パラメータは低いなぁと今更思った。