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異世界の死化粧師  作者: 死化粧P
メモ
13/49

第13話~エンバーミング~

『バン、バン、バン』




 初心者迷宮に、銃声が鳴響く。その銃を撃っているのは、義嗣。その表情はこの世界に来た当初よりも、酷く疲労の色が見える。




『バン、バン、バン』




 ただ、敵に銃弾をぶち込む。魔法すら使わずに、ただ憂さ晴らしの為にたくさんの銃弾をぶちこむ。―――銃弾の残り弾数すら計算せずに。




『警告、このままでは銃弾が30分で無くなります』




 銃弾のリロードはフルオートに設定しているので、無くなるのも早い。




「義嗣、もう帰りましょう」




 そんな義嗣をそばで見守っていた紅暗は、我慢できずに声を掛ける。




 何でこんなにも義嗣が荒れているか、それは、サエが死んでからすぐに、蓄えはあるがお金を稼がないと生きていけないと割り切って初心者迷宮に入った後、その帰りに来たメールが原因だった。












■■■■■■■■■■












『~♪』




 義嗣も男の子であったので、当時の特撮の某仮面のシリーズの歌は全て、キャラソンですら一度は聞いたことがある。その中でも死亡率が100%に近い作品のOP曲のオルゴール版が流れた。




「? メールか」




 義嗣は、着メロはダウンロードしていたが、設定はしておらず、まして、端末の認証カードはラストアブゾーバーの方に入れてあるので、ネット関連は使用できずに、アラームも普通の電話音しかならないはずのラストフォンを不思議に思いながらも操作する。メールはこう書かれていた。




■■■■■■■■■■


From 葬祭の神

to 信愛の騎士

cc 幻想の神


エンバーミング依頼


依頼者:サエの子供達

御遺体:サエ


午前0時、教会にて


■■■■■■■■■■




「サエさん……」




「義嗣、行くの?」




「ああ」




「サポートは任せて」




「時間は……、23時か……あの教会まではちょうど1時間かかるな……、急ごう」




「はい」




 二人は、走って初心者迷宮を抜けだし始める。




「「くぴっ」」「「くぴぃ」」




 そんな、急いて向かうときに、よりにもよって、スライムが立ちふさがる。




「どけ!」




 義嗣の視界全面に、炎の渦が発生し、スライムを焼き尽くす。シュエンでのこの魔法の名は『ファイヤーストリーム』炎と風の融合魔法で、難易度もさることながら、高い燃焼性を持つ魔法で、密閉された空間では酸欠になる為、迷宮内で使用は厳禁とされている魔法である。これが、義嗣が初めて銃関係以外で魔法を使った出来事だった。




「はあ~、はあ~、はあ~、行くか」




「はい」




 教会のすぐそばの階段で義嗣は呼吸を整える。同じ距離を走っていた紅暗は息を切らせた様子は見受けられなかった。




 ドアの正面に着くと認証を行い、自動的にドアが開く。そして、正面に見える祭壇まで向かう。




「ミラージュオフ」




 紅暗がそう言った時に、祭壇の後ろには階段があった。メールに書かれていたcc宛てが誰だったか、それは紅暗だったのだ。紅暗は神としての役割はないのだが、幻想魔法の使い手だった為に肩書は幻想の神となっている。




「シャワーを浴びましょう」




 二人は一緒になってシャワーを浴びる。そこには、色気などは無く、無言だった。このシャワーは、よくプールにある消毒用のシャワーであると思ってもらっていい。そして、二人はシャワーを浴びると専用の衣服を取り出し着替える。




「サエさん」




 サエの遺体を再び前にした義嗣は、心を落ち着かせる為に一端目を閉じる。




「サエさん、貴女は、これからも自分の最高のお母さんです」




 人間の肉体は死後、体内にある自己融解酵素及び体の内外に棲息する微生物などによって、細胞レベルで急速に分解が始まる。遺体そのものへの接触および遺体から浸出した体液などの汚染によって、病原菌に感染することもあるので、全身の消毒処理及び洗浄を行う。




 洗浄が終わった後、遺体に少切開を施し、動脈より体内に防腐剤を注入。同時に静脈より血液を排出する。注入と排出が終わった後、防腐剤を全身に行渡らせる為にマッサージを行う。




 続いて、腹部に穴を開け、そこから鋼管を刺し胸腔・腹腔部に残った体液や、腐敗を起こしやすい消化器官内の残存物を吸引し除去する。また同時にそれらの部分にも防腐剤を注入する。




 事故などで損傷箇所がある場合はその部分の修復を行う。




 数時間遺体を馴染ませた後、静脈より防腐剤を排出する。




 再度全身・毛髪を洗浄し、遺族より依頼のあった衣装を着せ、表情を整え直す。




 そして、遺族が気付かないうちに住処へ送り届ける。




「後は、頼んだ」




「はい」




 酷く疲れた義嗣は、エンバーミングが終わった後すぐにギルドの宿に帰って行った。




□□□□□□□□□□□□□□□□□

名前:宮下義嗣


レベル:3

職業:探索者

職種:民俗学


信仰神:葬祭の神

クラス:クシャトリア

称号:神を従えし者、教会所持者


ギルドランク:F


筋力:18

体力:10

速度:180

魔力:200

知力:80

器用:85

精神:40

運勢:43


特技:

混乱上昇、記憶力低下、コミュニケーション能力低下、プログラミング、思考力低下、無詠唱(銃弾付加魔法限定)


特記事項:

紅暗がそばにいることにより、全てのマイナススキルを緩和する。


魔法:

火炎付加(炎を銃弾に付加する)

氷結付加(氷を銃弾に付加する)

弾速強化(風魔法により弾速を上げる)

弾道変更(風魔法により弾道を20度位まで変更できる)


ファイヤーストリーム(イメージ:高回転するプロペラから排出され、相手に銃弾のように高速で向かう炎の竜巻)


現金:150万ミラ


アイテム袋:


■前の世界の持ち物

ビジネスバッグ、仕事用のノートと書類、クリアフォルダ、うがい薬入り喉飴、栄養剤、風邪薬、コムラガエリ用(足つった時)薬、洗顔シート、筆記用具、煙草、ライター、胃薬、折りたたみ傘、iP○d、コート(ナイロン製薄くて安いものと、取り外し可能な2枚重ねのコードで高いやつの2着)、スーツ、マフラー、着替え。


■異世界の持ち物

宝石、携帯食料、飲み物、銃弾


折りたたみ携帯の転送登録:

スーツ、宝石、携帯食料、飲み物、栄養剤、銃弾



装備:


武器:ラストフォン、日本刀(チタン等の合成金属製)、ハンドガン(12発装填)

胴体:防弾刃ジャケット(黒)

足:グラスファイバー製プロテクター(黒)

腕:グラスファイバー製プロテクター(黒)


アクセサリー:時計、眼鏡、ラストアブゾーバー



□□□□□□□□□□□□□□□□□


□□□□□□□□□□□□□□□□□

■ 裏             ■

□□□□□□□□□□□□□□□□□

名前:宮下義嗣


レベル:300

職業:エンバーマー

職種:葬祭サービス




信仰神:葬祭の神

クラス:信愛の騎士

称号:神を従えし者、教会所持者、




筋力:18+200(218)

体力:10+3000(3010)

速度:180+5000(5180)

魔力:200+4600(4600)

知力:80+8000(8085)

器用:85+8000(8085)

精神:40+6000(6040)

運勢:43+5000(5043)


特技:

混乱上昇、記憶力低下、コミュニケーション能力低下、プログラミング、思考力低下、無詠唱

精密精確射撃(ピンホールショット、ワンホールショット等)


特記事項:

紅暗がそばにいることにより、全てのマイナススキルを緩和する。

サヤの装備と義嗣の装備の融合装備、ラスト系装備を揃えることにより耐性が備わる効果はそのまま。さらに、耐性が付加された。


電撃・水・氷結・衝撃・火炎等の元素攻撃の無効。精神攻撃、呪殺無効。


魔法:

元素攻撃魔法の全て


現金:150万ミラ


アイテム袋:


■前の世界の持ち物

ビジネスバッグ、仕事用のノートと書類、クリアフォルダ、うがい薬入り喉飴、栄養剤、風邪薬、コムラガエリ用(足つった時)薬、洗顔シート、筆記用具、煙草、ライター、胃薬、折りたたみ傘、iP○d、コート(ナイロン製薄くて安いものと、取り外し可能な2枚重ねのコードで高いやつの2着)、スーツ、マフラー、眼鏡、着替え。


■異世界の持ち物

宝石、携帯食料、飲み物、銃弾


折りたたみ携帯の転送登録:

スーツ、宝石、携帯食料、飲み物、栄養剤、銃弾


アクセサリー:時計、眼鏡


装備:


武器:折りたたみ式携帯『ラストフォン』、スマートフォン『ラストアブゾーバー』、融合銃『クライムブラスター』、日本刀(チタン等の合成金属製)

胴体:融合ジャケット『クライムジャケット』

腕:融合小手『クライムフォアアーム』

足:融合具足『クライムアーマー』


□□□□□□□□□□□□□□□□□


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