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流星の英雄【りゅうせいのアイアス】  作者: 真田らき
序章:星々の揺籃

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2:レオン・ヴァルディス

 

 後世に名を残すこととなる、英雄アイアスと呼ばれた男がカルデニア王国の歴史の起点に立つ。


 彼の名はレオン・ヴァルディス。


 元はアルファ・ケンタウリ移民船団の三世代目として生まれ、アルデバラン星系開拓第三波の技術士となった。

 生まれたときから地球を知らず、人工重力と恒星光の下で育ち、幼い頃から超光速航法フォールド・ドライブの整備マニュアルを枕元に置いて眠るような少年だったという。

 レオンが歴史の表舞台に立ったのは、所謂「第一次アルデバラン戦争」の勃発がきっかけであった。


 当時、アルデバラン星系に住む人々はある驚異にさらされていた。

 ラマーン帝国の先遣艦隊が外縁小惑星帯を占拠し、青の小惑星帯コバルト・リングに眠るアストロニウム鉱脈の独占を狙って準備を始めていたのである。

 当時、アルデバラン星系には4億人程の先住民が暮らしていたが、特に環境的に豊かだった第2惑星ハイデルには、その約半数の2億人が暮らしていたとされる。しかし、惑星の開拓が始まって歴史が浅く、未だ1つの国家としての形が出来上がっていなかった。当時、惑星ハイデルには無数のコミュニティーが存在し、各々が小さな自治体を形成しながら生活していた。『アルデバラン開拓者連合評議会』なるものを設置し、定期的に各コミュニティーの代表者が集まり、アルデバラン星系やハイデルの未来に向けて議論する場はあったが、それが上手く機能しているとは言い難かった。

 国ではない以上、国軍と呼ばれるものは存在しなかったが、旧式の移民船を改造して造った名ばかりの戦闘艦を数艦所有していた。しかし、アルデバラン星系はおろか、ハイデルという1つの惑星すら守れる力も持ち合わせておらず、先住民としてアルデバラン星系の土地や資源の所有権を主張したところで、他国に軍事力を行使されればなす術がない状況であった。

 

 日に日にラマーンによる圧力が高まる中、アルデバラン星系や、星系内にある宝の宙域─青の小惑星帯『コバルト・リング』─が、遠くない未来にラマーン帝国の手中に落ちることは、誰の目にも明らかだった。

 そんな絶望的な状況下で立ち上がった男こそが、レオン・ヴァルディスである。

 彼はこの星系に来た当初から、青の小惑星帯コバルト・リングの価値に気付いていたし、近い将来、対外勢力がこの資源を奪いに来ることも想定していた。かねてより、自らが主導して移民船を戦闘艦に改造したり、開拓者連合評議会の一員として、早急にハイデルに単一国家を作るべきだと主張し、その為に奔走していたのは、アルデバラン星系の開拓者達の権利を守りたいという一心であったのだ。

 自らの想定が現実のものとなると、レオンはハイデルの若者達を説得し続け、ようやく軍隊とかろうじて呼べるだけの戦力を集めることに成功した。しかし、ラマーン軍に抵抗するだけの戦力とは言い難いものではある。移民船を改造しただけの軍艦が12隻、レオンの声に集まったハイデルの住人はわずか2700人程度、その殆どは軍人の経験などない素人だった。かくゆうレオン本人でさえ、元は移民団の技術士として来ているのであるから、戦闘のプロではなかった。

 ハイデルの住人達は、ラマーン軍を迎え撃つべきだと叫ぶレオンに、厳しい言葉をなげかける者も少なくなかった。レオンが若者達を勝ち目の無い戦場に送り込もうとしてる狂人に見えるのは、仕方がない事ではあった。

 それでも彼は止まらなかった。何よりレオン本人は玉砕するつもりはなかったし、アルデバラン星系の為に命をかける程の愛着もなかった。ただ、一緒に開拓してきた仲間達が、ラマーン軍に蹂躙されることを黙って見ることはできなかったのだ。それに、レオンには少しばかりの自信があった。勝つ事はできなくとも、ラマーン軍を追い返す程度の事ができる秘策があったからだ。


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