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転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第3章:王都編

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第17話:王都任務一日目──影の街アンダーブルグへ

 翌朝。


 深淵レイスを撃破した翌日だというのに、

 ルイの休息は一秒も保証されなかった。


「ルイ、起きろ。任務だ」


 ラザールが寮の扉を無造作に開けてきた。


「……え、今日からって本気で言ってたの?」


「当たり前だ。お前はもう正式戦力だ」


(いや、昨日まで学院生だったんだけど!?)


 隣では、寝ぼけたセリアが毛布から顔を出す。


「ルイ……いかないで……」


「いや、俺も行きたくないよ……!」


 



 そこへ、ユリウスとミネルが合流した。


「任務場所は“影の街アンダーブルグ”だ。」


「アンダーブルグ……?」


 ミネルが眉をひそめる。


「王都の裏通り区域よ。

 犯罪者、闇商人、影孤児……なんでもありの治安最悪地帯。」


「教会も王都軍も管轄できていない“闇のスラム”だ」


(なんで初仕事でそこ行くの!?)


 



「で、なんで俺?」


「昨夜の影レイスの残滓が、アンダーブルグで観測された」


「……あー、はい。絶対俺関連だよね……」


 ユリウスが淡々と告げる。


「深核保持者は“影の濃い場所”と相性がいい。

 お前なら気配を捕まえられる」


(なんか便利に使われてない!?)


 



 出発準備中。


 セリアが不安そうにルイの袖を掴む。


「ほんとに……大丈夫? 昨日あんなに危なかったのに……」


「大丈夫。セリアがここで光核を安定させててくれれば、それだけで強い」


 セリアは小さく頷いた。


「……絶対、帰ってきてね?」


「帰る。約束する」


 



 馬車に乗り込み、王都の中心から外縁へ。


 石畳が徐々に黒ずみ、

 建物の窓が割れ、

 空気に“湿った影”が混ざっていく。


 ユリウスが言った。


「……感じるか?」


「うん。ここ……なんか、黒い」


「それは“影に触れられた者の匂い”だ」


(そんな危険なとこに住んでるのか……)


 



 しばらくして、馬車は止まった。


「到着だ。“影の街アンダーブルグ”」


 ユリウスが扉を開けた瞬間――


 空気が変わる。


 冷たく、ざらつき、

 深核が“ざわり”と反応する。


(……やだな、この感じ)


 



 ラザールが指で前方を指す。


「ルイ。影の反応はこの奥の地区だ。

 感じる方向へ進め」


「俺先頭!?」


「当たり前だ。お前が最も影に敏感なんだから」


「いや俺、まだ訓練もして――」


「影は待たん」


(理不尽すぎる!!)


 



 ゆっくり足を踏み入れると――


 アンダーブルグの子どもたちが、遠巻きにこちらを見ていた。


 怯えて。

 影に触れたような虚ろな瞳で。


(……影孤児って、これか)


 胸が痛くなる。


 その時、深核がまた“ドクン”と跳ねた。


(……来る)


 



 ユリウスもすぐ反応した。


「構えろ。影が“こちらを見ている”」


 その瞬間。


 建物の陰から、黒い手が“ずるり”と伸びた。


 あの――深淵レイスと同じ系統の“影の手”。


 影孤児が怯え、物陰に逃げ込む。


「ルイ、行け!!」


「うわぁぁああ!!マジかよ!」


 ルイは深核をわずかに開放し、

 黒い波が視界に広がる。


(見える……影の“芯”……)


 



「――いくぞ!!」


 任務一日目にして、

 ルイは早くも“影追跡戦”へ突入する。


それは――

深淵と王都に潜む闇が、

本格的に動き出す序章だった。

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