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転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第3章:王都編

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第16話:決着──深淵レイス撃破と“監視者”の影

 深淵レイス第二形態の咆哮が止まらない。


 空間が削られ、石壁が歪み、

 世界そのものが軋むような音が響く。


(押されてる……!

 でも、あと少し……!)


 ルイは“デュアルブレード”を強く握り締めた。


 黒と白の刃が、呼吸とともに脈動する。


『……喰らウ……魂……鍵……』


「誰が食われるかよッ!!」


 ――その瞬間。


 白が爆ぜた。


 セリアの光核が、背中越しにルイへ溢れ込む。


「ルイ……いまだけ……全部、あげる……!!」


「セリア!? 無茶すんな――!」


 しかし光は止まらない。


 ルイの深核が熱を帯び、

 光核と“完全同期”した。


 黒と白が絡み合い――

 ひとつの奔流へ。



“双核同調デュアル・シンク──0.3秒間だけ発動”


 短い。


 そして危険。


 それでも。


 それだけで十分だった。



「うおおおおおおおッ!!」


 ルイは床を蹴り、

 空気を破壊するほどの加速で影へ突っ込む。


『……ナ……ッ……!?』


 深淵レイスは反応できない。


「――《双刃断閃デュアル・レンド》!!!」


 黒と白がクロスし、

 影の核を貫く“×”の軌跡を描いた。


 時間が止まったような静寂。



 次の瞬間。


 ――影が弾けた。


 遮断されていた空気が戻り、

 深淵レイスの咆哮が途切れる。


 黒い霧が漂い、燃え尽きるように消えていく。


(……やった……!

 本当に……倒した……!)


 ルイの膝が崩れかけた瞬間――


「ルイ!」


 セリアが強く抱きとめる。


 震えながらも、その瞳は優しく光っていた。


「ルイ……怖かった……でも、信じてた……」


「……ありがとう。

 セリアがいなかったら、負けてた」


 セリアの頬が赤くなる。


「うん……わたしも……」



 ユリウスとミネルが駆け込んでくる。


「ルイ!!無事か!!」


「今の……討伐ランクS−よ!?

 普通の学院生が勝てる相手じゃない!!」


(いや俺、まだ学院生なんだけど……)



 廊下の奥から、別の“気配”が近づいてくる。


 影とは違う。


 もっと澄み切っていて――

 圧がある。


(誰だ……?)


 姿を現したのは、青銀の軍服を纏った男。


 鋭い金の瞳。背筋が真っすぐ。

 兵の気配とは桁が違う。


 ミネルとユリウスが即座に膝をつく。


「総司令……!」


(総司令!?

 王都警護区のトップ……!?)



男はルイを見下ろし、淡々と言った。


「――ルイ・アーヴェント。

 双核保持者デュアルコア」


 声は静かなのに、圧が刺さる。


「お前は“世界規模の監視対象”に正式登録された」


(は?)


「同時に――

 王都軍直轄の“特別監視保護指定者”だ」


(なんか……名前だけ聞くと超やべぇやつじゃん俺……!?)



「影門事件、学院半壊、深淵レイス討伐――

 これらを偶然で片付けるのは不自然すぎる」


 金の瞳が鋭く光る。


「だが私はこう判断した。

 ――お前は放っておけば死ぬ。

 だが守れば“世界を救う可能性がある”。」


(世界……!?

 急にスケールでかすぎ……!!)



「ラザール」


 総司令は振り返る。


「この少年を“導く”のは、お前に任せる」


 ラザールの影がゆらりと揺れる。


「……承知しました」


(絶対ただの教師じゃねぇって……)



総司令アインハルトは、ルイに向き直った。


「双核の少年。

 今夜の戦闘をもって――お前は王都正式戦力に登録された」


「せ、正式戦力……!?」


「明日から“王都任務”に参加してもらう」


「ちょ、待っ――」


「逃げるな」


(怖い!!)


「世界はすでに“お前を中心に動き始めている”。」



こうして――


ルイの王都生活一日目は、

深淵レイス撃破と、世界規模の監視対象登録という


あまりにも重すぎる現実で幕を閉じた。


そして翌日――

ルイは最初の“王都任務”へと放り込まれることになる。


すべては、さらに巨大な“影”の渦へと繋がっていく──。

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