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転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第3章:王都編

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第14話:双核解放──ルイVS深淵レイス(前編)

 深淵レイスが吼えた瞬間、

 王都北壁に張り巡らされた結界が“揺れた”。


 獣でも、人でも、魔物でもない。

 ただ“深淵そのもの”から漏れ出したような存在。


 その圧だけで、空気が重い。


(うわ……これ、今までの影と次元が違う……!)


 ルイの胸の奥で、黒と白が同時に脈打つ。


 深核アビスコアは獲物を前にした獣のように動きたがり、

 光核ルーメンコアは“守れ”と叫ぶように震えている。


 その二つが、均衡の上でかすかに火花を散らしていた。


 



「ルイ、こっち来い!

 陣形組むぞ!」

 ユリウスが怒鳴る。


「セリアは後ろ! 光を維持しろ!」


「う、うん……っ!」


 セリアが胸の光核を押さえながら下がる。

 それでも、ルイを見失わないように視線は揺れていた。


「ルイ……行かないで……」


「大丈夫。すぐ戻る!」


 ルイはくるっと振り返り、笑ってみせた。


(怖い。

 でも……守りたい奴がいるから、逃げない)


 



「ミネル、右から回れ!

 ユノ、影の揺らぎを読んで援護!」

 ユリウスが次々と命令を飛ばす。


「了解!!」

「……うん。」


 そしてラザール。


 その男は、ただ一歩前へ出ただけで――

 影が“後退”した。


(……先生、やっぱり規格外だ……)


 ラザールの眼は、完全に狩人のものだった。


 



「ルイ、行け。」


 ラザールが目も向けずに言う。


「双核の均衡――

 今なら“制御できる”。」


「……信じていいの?」


「ああ。

 お前は、俺が見た中で――最も面白い器だ」


(褒めてるんだよな……? それ……?)


 



深淵レイスが、

骨のような両腕を地面に突き刺し――


“ズグッ”


 闇が走る。


 まるで黒い血管が地面に広がるように、

 影の線がルイへ向かって伸びてくる。


「ッ!!」


 ユリウスが叫ぶ。


「ルイ、ジャンプだ!!」


 



(行け!!)


 ルイの身体が軽く宙に舞う。


 同時に足元を黒い触手が通過した。


(今の……食らってたら“魂”から削られてた……!)


 身体が空中で回転する。


 その一瞬、深核と光核が同時に共鳴した。


――黒と白が交差する。


「“閃黒ノシャドウ・ストリングッ!!”」


 ルイの手から伸びた“黒の糸”が、

 深淵レイスの腕を絡め取る。


 だが――


『……ヌルい……』


 影の腕が、

 “ぞぼっ”と音を立てて抜けた。


「効いてない……!!?」


「ルイ!!」

 セリアの叫びが走る。


 



 深淵レイスの腕が――


「――来る!!」


 ユノが珍しく声を上げた。


『■■■■!!!!』


 咆哮。


 地面に影が広がり、そこから“腕”が何本も生える。


 ルナが悲鳴を上げる。


「ちょっ待って!? こんなんズルでしょ!!」


「ルナ避けろ!!」


 



 だが、ルイは見た。


 黒と白が示してくる。


『ここだ――』

 と。


(……分かる……!)


 ルイは走る。


 腕の間をすり抜け、

 影の牙をギリギリで避け、


「これ……

 俺、ほんとにできてるのか……!?」


『……双核の適応……早すぎる……』


 ラザールが驚愕の声を漏らした。


 



そしてついに――


ルイは深淵レイスの真正面へ。


(いける……!

 黒と白、どっちかじゃない――

 “両方”だ!)


「《双核術式デュアルアーツ》!!」


光と影が同時に輝く。


深淵レイスの目が、まるで怯えるように揺らめいた。


『……鍵……ヤメロ……』


(嫌だ。

 俺は――みんなを守るためにここにいる!)


「《光閃×深黒》――

 “デュアル・ブレイク”!!!!」


 黒と白の線が交わり、

 深淵レイスの胸へ突き抜けた――!


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