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転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第3章:王都編

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第8話:王都大議会──“影門事件”の国家報告

 王都中央議事堂――

 普段は国の枢機が行われる場所だが、

 今日だけは“異様”と言っていいほどの緊張に包まれていた。


 重厚な円卓。

 左右には各勢力の代表が座る。


・王国軍総司令

・教会最高審問官

・祓魔師団長

・監察局局長オルファス

・王宮魔導師団代表

・そして学院長ベルムート


(……え、待って。

 こんなとこに子ども連れてくるの正気!?)


 ルイは席につくというより

 “連れてこられた”に近い。


 隣にはセリア、そしてリュミア。

 背後にはユリウスとラザールが立つ。



 議長が口を開く。


「これより──

 第11期 緊急合同大議会を開始する。

 議題はただ一つ。


 “影門事件”

 並びに“深核保持者 ルイ・アーヴェント”について。」


(言い方ァ!!!)


 しかし会議は容赦なく始まる。



 最初に立ったのは王宮魔導師団。


「まず、学院地下で発見された“本命門”についてだ。」


 魔導師団副団長が資料を広げる。


「本命門は未だ開ききってはいない。

 しかし……“特定の魔力”へ反応を示した。」


 円卓の視線が一斉にルイへ向けられる。


(いやだから見るなっつってんだろ!!!)



 続いて教会代表が席を立つ。


「光核保持者セリア君の反応も無視できない。

 第三階位“巫女候補”と一致する反応が出ている。」


「み、巫女……!?」


 セリアは顔を真っ赤にしながら、

 ドキドキと胸を押さえる。


「ルイ君の“深核”を唯一抑制できるのがセリア君だ。

 これは偶然ではない、と教会は判断する。」


(いや俺と光核女子の相性良すぎ問題……)


 リュミアも真っ赤。


「わ、わたくし……も……?」


「もちろんだ。

 君は“光核の系譜”に最も近い。」


(セリアもリュミアも“相性良すぎ”枠になってるじゃん……

 これ完全にハーレムの布石……!?)



 だがここから空気が一変する。


 祓魔師団長――

 黒衣の壮年が立ち上がり、

 机を“ドン”と叩いた。


「そして問題はその“深核”だ。」


(あー来た。絶対来ると思った。)


「監察局の報告によれば、

 深核は“既知の深淵因子とは一致しない”。

 つまり、我々の持つどの分類にも当てはまらない。」


 深核の分類は通常三つ。


・腐蝕型

・暴走型

・寄生型


 団長は資料を投げるように置く。


「だがルイの深核は

 “脈動型パルス”と“呼応型エコー”の複合と思われる。

 これは過去に記録がない。」


(また俺の設定だけ規格外なんだけど!?)



 そしてついに局長オルファスが立つ。


「……深核、光核、双核デュアルコア

 その呼び名を正式採用する。」


(ついに決まった……!)


「双核保持者は未知の危険性を持つ。

 だが同時に、未知の可能性も持つ。」


 オルファスはルイを見つめる。


「ルイ・アーヴェント。

 君の存在は、

 “影門反応値を変動させる”唯一の例だ。」


 ザワッ、と円卓が揺れる。


「学院地下の本命門は、

 君が近づくほど活性化する一方、

 光核保持者が触れると沈静化した。」


(うわ……ばっちり観測されてた……)


「つまり双核と光核は“影門干渉”の鍵。

 この関係性は無視できない。」



 そこへラザールが静かに立つ。


「……今言われたことは全て事実だ。」


(え、ラザール先生?)


「だが一点だけ補足がある。」


 円卓の全員が息を飲む。


「──影門の主は、ルイを“器”と見ていない。」


「……?」


「むしろ逆だ。

 ルイは“主を拒んだ”。

 深核は暴走せず、光核が押し返した。」


(昨日の戦いの……あれか……)


 ラザールの声は静かだが重かった。


「双核は“影の主の意志に屈しなかった”。

 これは最大級の防壁となる可能性がある。」


 議場がざわめき、


「つまり少年は……

 深淵に吞まれない可能性がある、と?」


「むしろ“深淵を拒む資格”を持つ。」


(おい、俺なんでそんな重要人物扱いになってんの!?)



 その時――


 議場の床が微かに“ゴゥッ”と震えた。


(……また!?)


 深核でも光核でもない。

 もっと遠く、もっと巨大な何か。


 セリアが怯えた声で囁く。


「……ルイ。

 今の……“何かの目”を感じた……」


「俺もだ。」


 リュミアも震えている。


「深淵の……“本当の主”が……

 こちらを見ているような……」


 空気が一瞬、凍りついた。



 議長が青ざめながら叫ぶ。


「……会議は続ける!

 だが“監視班を緊急で増員せよ”!!」


 オルファスも低く頷く。


「影門の主は、必ず次の手を打ってくる。

 ──ルイセリア・リュミアは守り抜け。」


 王国軍総司令が立ち上がる。


「ルイ・アーヴェント。

 君は当面、我々の“最重要保護対象”とする。」


(いや……俺もう完全に政治の渦中じゃん……)



 そして会議が閉じられる直前――


 ラザールがルイへ小声で告げた。


「ルイ。

 これで“世界の動き”が始まる。」


「……動き?」


「ああ。

 この会議で、“影門戦争”が正式に記録された。」


 ラザールの目は、

 今まで見たことがないほど鋭かった。


「──物語は、ここからだ。」

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