表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第3章:王都編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/101

第6話:深核フェーズ1開放──“黒”と“光”の初共闘

 影獣シャドウビーストが吠えた。


 王都前広場の空気が裂け、

 黒い霧があたりに散る。


 その巨体は、ルイより十倍以上。

 霧でできた肉体は揺らぎ、

 中心に“赤黒い球”が脈動している。


(あれが……影獣の“核”……

 俺の深核に似てる……!)


 深核が胸で震える。


『喰える……喰えるぞ……

 あれは“同族の欠片”……』


(静かにしろ! 今は暴走したら終わりだ!!)


 だが暴れようとする黒を

 セリアの光が押し止めている。


「ルイ……!

 今はまだ深核を使える……行って!」


「ありがとう、セリア。離れんなよ!」


 リュミアも続く。


「こちらの光核は維持しますわ!

 暴走だけは抑えてみせます!!」


(二人が……俺を支えてる……

 なら、行くしかない!)



 影獣が地を蹴った。


 ――速い。


「来るぞ!!」


 ユリウスの叫びと同時、

 影獣の爪が地面を割りながら迫る。


 周囲の騎士たちが反応しきれない速度。


「……っ!」


 ルイは拳を構えた。


深核アビス・コア……

 第一制御形態《フェーズ1》、起動!」


 黒が拳に集束する。

 完全な暴走でもなく、

 白光のように暴れもせず、

 ただ静かに“凝縮”された黒。


 右腕が黒い紋様に染まる。


 ユリウスが目を見開く。


「あれは……影の魔力じゃない……

 “質”が違う……!」



 影獣が跳ぶ。


 巨大な爪が振り下ろされる。


 ルイは動かない。


 ただ、深呼吸をし――


「――“黒穿こくせん”」


 拳を突き出した。


 瞬間、

 黒い衝撃が一直線に伸び、

 影獣の腕を貫いた。


「ガァァァッ!!」


 影霧が爆ぜ、腕が弾ける。


(……やれる……!)



 祓魔師たちがざわめく。


「今のは……何の魔法!?」

「詠唱もなし……!?」

「いや、属性が違う……深淵の……?」


 影獣は怒り狂って突進してくる。


「次は……これだ!」


 ルイが地を蹴る。

 影獣の脇腹へ飛び込み――


「“黒裂こくれつ”!!」


 黒の刃のような衝撃波で

 影霧の肉体を裂いた。


 影獣は苦痛の咆哮をあげ、

 霧が崩れ落ちる。



「ル、ルイ……すご……!」


 セリアが呆然としながらも、

 しっかり光核を維持している。


 リュミアも震えていた。


「深核の……制御……

 数百年、誰も成功していない禁忌を……

 少年が……?」


 ユリウスは納得したように頷いた。


「やはり……“鍵”か。

 深核を使い、暴走せずに技として出すとは……」



 影獣が最後の力で襲いかかる。


 赤黒い核が丸見えになっていた。


(これが……奴の弱点!)


 黒がルイに囁く。


『それを砕け……

 喰らえば“強さ”が増す……』


(喰わねぇよ!)


 ルイは拳を握り――


「行くぞ……!」


 セリアの光が後押しし、

 リュミアの光が深核を安定させる。


 黒い拳が煌めく。


「――“黒砕こくさい”!!」


 拳が赤黒い核に命中した瞬間、

 影獣の肉体が一気に崩壊――

 黒い霧が空へ消えていく。


「……ッ!!」


 ルイはその勢いに押されながらも、

 しっかり着地した。


 深核は静かだ。


 セリアの光核が温かく包む。


「……ルイ、

 大丈夫……?」


「ああ。

 二人のおかげで、ちゃんと戻れた。」


 セリアは安堵してルイの胸にしがみついた。


「よかったぁぁぁぁ!!」


「ちょ、お前……みんな見てるって……!」


 周囲がざわつく。


「鍵候補……本物だ……!」

「少年が……影獣を……?」

「光核の少女と王女殿下が支えて……?」


 ユリウスが静かに言う。


「ルイ。

 今ここで、正式に認める。

 ――お前は深核使い《アビスベアラー》だ。」


 そして。


「それを制御し得るのは……

 “光核ルーメンを持つ少女たち”だけだ。」


 そう言って、二人――

 セリアとリュミアを見た。



 こうしてルイは

 “初めての深核戦闘”を制し、

 その存在を王都に知らしめる。


 だがこの勝利は、

 さらなる厄災の序章でしかなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ