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転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第3章:王都編

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第4話:王都地下“影穴”──三勢力共闘の初戦

 王都中心街の奥――

 石畳の隙間から立ち上る黒霧は、

 まるで“世界の裏側”へ続く穴の息遣いのようだった。


「……ここか。」


 ユリウスが短剣を抜く。


「警戒しろ。

 これは“門”ではないが……

 影穴シャドウホール

 影界と現世の境界が削れてできる“裂け目”だ。」


「つまり……穴の向こうに影がいる?」


「ああ。

 しかも今回は“呼ばれて”集まっている。」


(呼んでるのは俺じゃないからな……

 勝手に寄ってきてるだけだからな……)



 入口前に、既に二つの勢力が集まっていた。


 王都近衛の白銀部隊。

 教会の祓魔師たち。


 二組の指揮官が、ユリウスに声をかける。


「影狩り部隊副隊長。

 まさか本当に“鍵候補”を連れてくるとは。」


「子供を危険に晒す気か?」


 厳しい視線。

 冷たい空気。


 そのすべてを、リュミアが一歩前に出て払った。


「彼は必要です。」


 王女の言葉は、それだけで周囲を黙らせた。


「ルイ・アーヴェントは――

 影穴が開くたびに必ず反応する。

 つまり、この現象の“核心”を感じられる唯一の者。」


(いや、感じたくて感じてるわけじゃ……)


「彼なしでこの穴を閉じることは不可能でしょう。」


(さらっとすごいこと言った!!)


 教会側の祓魔師が眉をひそめる。


「しかし殿下……

 あの少年は深淵の気配を――」


「黙りなさい。」


 氷のような声だった。


 セリアが少しだけ驚いた顔でリュミアを見る。


(リュミア……外見は優雅なのに、中身はめちゃくちゃ強い……)


 リュミアが振り向き、ルイにそっと問う。


「ルイ。

 影の気配、どう感じますか?」


「……うん。

 “奥”に、ひとつ――でかいヤツがいる。」


 その瞬間、ユリウスと祓魔師、近衛軍が同時に目を見開く。


「奥……!? まだ視認できないはず……!」


「いや、確かに……揺れている……!」


 ルイの瞳には、

 影が生き物のように“蠢く”様子が映っていた。


(奥のやつ……今までの影と違う。

 “知性”あるタイプだな……)


 深核が微かに反応している。



「全隊、構えッ!!」


 ユリウスの号令で、

 三勢力の武器が一斉に引き抜かれる。


 リュミアが光の魔法陣を展開し、

 セリアも胸に手を当て光核を震わせた。


(セリア……少しずつ光核の制御が上達してる……!)


 2人の少女の前に立ち、

 ルイは深呼吸した。


「よし……行こう。」


「ルイ!! 無茶はだめ!」


「しないよ。

 無茶は“死ぬ前提”ってことだし。」


「そ、そうだけど……!」


 リュミアは微笑む。


「大丈夫。私が守りますわ。」


「いや私も守るから!!」


 セリアが声を荒げた。


 2人の間に小さな火花が散る。


(お、おお……これヒロイン同士のやつだ……!)



 ユリウスが短剣を前に構える。


「ルイ、合図を頼む。」


「……くる。」


 影穴の奥で――

 巨大な影が、ゆっくりと立ち上がった。


 それは獣の形をしているが、

 骨のような四肢に、霧でできた背中。

 口は闇に裂け、赤い光が滲む。


「“影獣シャドウビースト”……!」


「いや違う!!

 これはもっと“上位”だ!!」


 祓魔師たちが叫ぶ。


(分かる……あいつ、今までの影と格が違う……!)


 深核が熱を帯びた。


『……食らわせろ……』


(やべ、深核が出た……!)


 穴の奥から、

 影獣の咆哮が轟く。


「ルイ!!」


 セリアの光核が爆ぜ――

 ルイの手を掴む。


「大丈夫。

 光核が深核を抑えるから!」


(……セリア、強くなったな……)


 リュミアも魔法陣を展開する。


「行きますわ!

 三勢力合同――第一波、迎撃開始!!」


「総員――前へ!!」


 影穴から影獣が飛び出す。


 王都の心臓で、

 ルイたちの“初の合同戦闘”が始まった。

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