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転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第3章:王都編

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第3話:王都“エルディア”の心臓――王女リュミアとの邂逅

 王都エルディアの中心街を抜けたときだった。


「――止まれッ!!」


 甲高い声が響き、道がぱっと割れた。


 白銀の鎧を纏った近衛軍が走ってくる。

 街中なのに、完全武装。

 普通じゃない。


(え? 俺なんかした?)


 ユリウスが即座にルイの前に立つ。


「来るぞ。“王族の行列”だ。」


(え、王族!?)


 近衛が次々に道を固め、

 中央通りを覆うほど巨大な白い馬車が現れた。


 王城の紋章――“光の翼”。


(絶対偉いやつ乗ってるやつじゃん……!)


 人々がざわめき、跪く者まで出始める。


「お、おい……あれ王女殿下じゃねぇか?」

「なんでこんな街中に……?」

「しかも直々に……誰を迎えに来たんだ……?」


(迎え……? まさか……俺じゃないよな……?)


 ユリウスがため息をつく。


「予想通りだ。

 王家も“鍵候補”を直接確かめる気らしい。」


(やっぱり俺かーーー!!!)



 白馬車の扉が、ゆっくりと開いた。


 眩しいほどの光があふれ――

 一歩、少女が降り立つ。


「……きれい……」


 思わずセリアが呟いた。


 金糸のような長い髪。

 湖のような蒼い瞳。

 白と金の純白ドレス。


 空気が変わるほどの存在感――


王女リュミア・エルディア その人。


(……やば。王族オーラ半端ない。)


 だが次の瞬間、

 リュミアは人混みを真っ直ぐに歩き、立ち止まった。


 目の前には――ルイ。


「あなたが……ルイ・アーヴェント様ですね?」


「えっ!? あ、えっと……はい。」


 セリアがピクッと反応して腕を掴む。


(なんか敵意出てない!?)



 リュミアは品よく微笑む。


「影門事件、そして学院地下の本命門。

 すべての中心で名が挙がった少年。

 ずっとお会いしたいと思っていました。」


(言い方が怖い……でも綺麗……)


 近衛たちは緊張しっぱなし。

 ユリウスだけが眉をひそめていた。


「殿下、なぜ急にここに?」


「父が言いました。

『鍵候補を見誤るな』と。」


 その言葉に――

 ルイの胸の黒と白が、微かに震えた。


(……なんで王家まで“鍵”って知ってんだ?)


 リュミアは続ける。


「私には“見える力”があります。

 光核を見る目――

 そして……あなたの中の黒い揺らぎも。」


(えっ!? バレてる!?)


 セリアがルイの前に飛び出る。


「ルイに変なことしないで!」


「しませんわ。」

 リュミアは穏やかに笑う。


「ただ……彼の力は“国家級”。

 王都へ入る前に、

 一言だけ伝えたいことがあったのです。」


「……?」


 ルイが聞き返そうとした瞬間――


 リュミアの瞳が、ふっと陰を帯びた。


「――気をつけて。

 本命門が動きました。」


(……!!)


 周囲の時間が止まったように感じた。


「城下三番街の地下――

 “影の穴”が開きかけています。

 あなたが来たことで、影が呼応したのです。」


(いや俺呼んでない……! 呼ばれてるだけ……!)


 リュミアは続ける。


「私も現地へ向かいます。

 あなたも来るのでしょう? ルイ様。」


「……行く。

 行かないと……多分、もっとこじれる。」


 リュミアも微笑む。


「ええ。

 あなたが動くと、世界が大きく揺れますから。」


(やっぱり怖いこと言った!!)


 セリアは完全に警戒した目つき。


「ルイを巻き込まないで!」


「巻き込むつもりはありませんわ。

 ただ――彼が世界を救うなら、

 私はその力になるだけ。」


(あ、これ……完全に“ヒロイン追加フラグ”だ……)



 そのとき、ユリウスが短く告げる。


「……殿下。

 “穴”から、魔力大放出だ。」


「早い……!」


 空気が震えた。


 王都の中心で――

 黒い霧が、天へと噴き上がる。


 そしてリュミアは言った。


「ルイ。

 一緒に来てください。」


 黒が呼ぶ。

 光が反応する。


 そして王都最大の事件が、幕を開けた。

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