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転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第3章:王都編

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第28話:影狩り試験・後半戦──“影の胎動”

 光核暴走を抑えた直後。


 森の奥で――“カサリ”と音がした。


 ユリウスの顔が険しくなる。


「来たか……っ。影の残滓ざんしの本体……!」


 木陰から二足歩行の影が三体、ぬらりと現れる。

 黒い霧をまとい、瞳だけ赤く光る敵。


 フェンリスが前に出て唸る。


「ガァァ……!」


「フェンリス、行かせるの?」


「当然だ。影の眷属は、“主”を守る」


 ルイは首を横に振る。


「ダメだ。一緒に行く。」


 ユリウスが思わず吠える。


「お前、死ぬ気か!」


「影は俺に寄るんだろ?

 だったら、逃げても意味がない。」



 影が飛びかかった。


 ルイは初めて“戦う覚悟”で深核を開く。


 黒い波紋が両手にまとわりつき――


【影喰い(シャドウイーター)】


 発動。


 黒い爪が形成され、影の胴を斬り裂く。


 深核の力は、本来のルイが扱うには危険。

 だがフェンリスが横から“力の流れ”を制御する。


(……あ、こいつ……手伝ってくれてるのか)


「ガァ!」


 フェンリスが残り二体の影を押しとどめる。


 ユリウスが叫ぶ。


「ルイ、右! 影が潜った!!」


(潜った?)


 地面から影が飛び出す。


 咄嗟に体が動き――

 深核が波紋となり“空間ごと裂いた”。


ズシャァアッ!!!


 影の胴体が斜めに切り裂かれ、黒い霧となって消失。


「……今の……」


深核流アビスフロウ

 本来は一定以上の魔族しか使えん」


「いや、俺そんな大層な……」


「お前はもう普通じゃない!!」



 最後の影に向かおうとすると、前にセリアが立った。


「ルイ……今度は、私の番」


 光核が静かに輝く。


 暴走ではない。

 意識的に、光を扱おうとしていた。


(おい、いけるか……?)


「いける。

 さっきルイが助けてくれたから……

 光が、“ちゃんと聞いてくれる”」


 セリアは手を前に向ける。


光輪結界リング・ルーメン


 光の輪が爆ぜ、影を浄化の光で呑み込む。


 黒い霧は一瞬で吹き飛び――

 森が静寂に戻った。


「セリア……」


「ふふ、できた……ね?」


 少女の笑顔に、ルイは胸が熱くなる。


 ユリウスは深く息を吐き、

 そして――頭を下げた。


「ルイ・アーヴェント。

 そしてセリア・フローレ。

 二人の実力……確かに見届けた。」



 影狩り試験・後半戦。

 ――合格。


 だがその影で、別の勢力の気配が動き始めていた。


 黒い霧の向こうで、誰かが呟く。


「……ルイ・アーヴェント。

 本当に“鍵”だったとはな……」


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