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転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第3章:王都編

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第26話:黒炎狼フェンリス──“従属の牙”がルイを試す

 森を裂くように響いた咆哮。

 黒炎狼フェンリス――幼体とはいえ、影狩り部隊が数人束になっても倒せない格の存在。


 だがその鋭い眼は、ただ一人に向けられていた。


 ルイ。


「ガアアアアッ!!」


 黒炎が飛んだ。

 空気が焼け、地面が黒焦げになる。


「ルイッ!!」


 セリアが叫ぶより早く――

 ルイの《深核アビスコア》が反応した。


 黒い波紋が足元から立ち昇り、

 フェンリスの黒炎を飲み込むように吸収していく。


(……喰ってる? 俺の深核が……?)


 フェンリスの目が鋭く細まる。


「ガ……ォ……」


 炎は攻撃ではなく――試しだった。



 ユリウスが歯を噛む。


「フェンリスは“核に忠誠を誓う種”だ。

 深核を持つ者が現れれば、本能が逆らえない。」


「つまり……」


「ルイへ従属したい本能と、

 “影の獣としての誇り”がぶつかっている……!」


 フェンリスは低く唸りながら、

 ルイの影に足を踏み入れる。


(……来るなよ。来たらやられるって……!)


 しかし――

 その黒い体は震えながらも、まっすぐルイへ近づいた。


 目が語っていた。


 ――選べ。

 俺を従える資格があるなら、“深核”を見せろ。



(うわ……これ完全にペットイベントじゃん……

 でもやり方が分からん!)


 その時、胸の奥で黒が囁いた。

 いつもの“冷たい声”ではなく、もっと深く――


 ≪……我を、開け≫


(開け……って)


 手が、自然と前へ伸びた。


 深核が黒い光を放つ。

 フェンリスの影も同時に揺らぎ――


深核共鳴アビス・リンク

 発動。


 黒い波動が二つの存在をつなぎ――

 森全体が一瞬“沈黙”した。


 風も止み、音も消える。


 セリアが息を呑む。


「ルイの……“黒”が……!」


 その光景は“暴走”にも見えた。


 しかし――違う。


(わかる……これは“選別”だ。)



 フェンリスが跳んだ。


 黒い弧を描き、ルイの首元へ“従属の牙”が迫る。


 普通なら死ぬ。

 影狩りの訓練で使われる儀式だが、失敗すれば即死級。


 だがルイは――一歩も動かない。


(……来い)


 “黒”が左右に分かれ、牙を受け止めるように形を変えた。


 ガチィィィン!!


 衝撃と共に、フェンリスの体が震える。


「ガ……オォ……」


 牙が折れる寸前で止まった。

 黒い煙が、フェンリスの体からルイへと流れ込む。


 共鳴――完了。



「……っは……!」


 我に返った瞬間、ルイの影が揺れた。


 フェンリスはルイの前に跪き、頭を垂れる。


(おおおお……成功した……!?)


「ガウ……!」


 狼というより、大型犬のように尻尾を振る。


「え、可愛いのかよ……!」


 セリアは呆然。


「……ルイ、それ……ペット……?」


 ユリウスは信じられないという顔で呟いた。


「……深核の資質。

 本当に“鍵”の器かもしれん……」



 こうして――


 ルイの主ペット:黒炎狼フェンリス(幼体)

 が正式加入する。


 だがこの瞬間、もっと厄介な変化が起きていた。


 セリアの《光核ホーリーコア》が、

 ルイとフェンリスの“黒”に刺激され……


 胸の奥が、白い光で暴れ始めた。


「ル、ルイ……なんか……熱い……!」


「セリア!?」


 光が暴走しかけている。

 それは――


光核の“第1段階覚醒”の前兆。


 影狩り試験は、まだ終わらない。


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