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転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第3章:王都編

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第25話:影狩り試験──“黒狼”の気配

 影狩り部隊との合同訓練が始まって二日目。


 ルイとセリアの前に立つユリウスは、

 いつも以上に険しい顔をしていた。


「今日の課題は……“影残滓の追跡戦”だ」


(追跡……? 戦うだけじゃないのか?)


 ルイが疑問に思うより早く、

 ユリウスは指で地面を弾いた。


 “影”が地面に滲み、ミミズのように蠢いた。


「こいつは《低位影核虫シャドウ・ワーム》だ。

 弱いが――足が速い。逃せば森に散る。」


「捕まえるの……?」


「違う。倒す前に、“核”を見極めて報告しろ。

 影と戦うなら、まず核を見る癖をつけろ。」


(なるほど……影は全部“核”から再生するもんな)


 セリアが緊張気味に頷く。


「ルイ、行こう……!」


「おう」



 二人が走り出すと同時に、影虫も滑るように逃げ始めた。


「速っ!」


「ルイ、右!」


 セリアが前に出て光の粒子を散らして進む。


 その瞬間――

 ルイの胸の奥が“熱く震えた”。


(……来た)


《黒》が、影の波動に反応する。


 視界の端だけが、わずかに暗く染まる。


「ルイ!? 大丈夫?」


「大丈夫……まだ制御できる……!」


 影核心アビスコアが脈打つように震え続ける。


(……追ってる影虫の反応じゃない。

 もっと……近い。もっと“デカい”……?)


 嫌な感覚が背中を這った。



 ユリウスの声が背後から飛んだ。


「ルイ、感じたな?」


「感じた……これは……」


「低位影虫じゃない。

 “影獣シャドウビースト”が森の奥にいる。」


(影獣!? そんなの聞いてない!)


「試験内容、変更だ。」


 ユリウスが短剣を抜いた瞬間――

 森の奥で“黒い波動”が爆ぜた。


 地面が震え、鳥が逃げ散る。


「来るぞ。構えろ!」


 ルイの《深核アビスコア》が震え、

 セリアの《光核ホーリーコア》がそれに反応して光を帯びる。


「ルイ……あれ、ヤバい……!」


 木々を押し割るように巨大な影が現れた。


 四足。

 狼のような姿。

 黒い煙のように揺らめく毛並み。


 そして眼だけが真紅に燃えている。


「……影狼シャドウウルフかと思ったが――違うな」


 ユリウスの声に焦りが混じる。


「これは……“影狼の上位種”。

 黒炎狼フェンリスの幼体だ。」


(フェンリス!?

 これ……俺の“深核”に反応してる……!)


 黒炎が狼の口から漏れた。


「ガアアアアァァァッ!!」


 ルイとセリアの肌が焼けるような熱に襲われる。


「ルイ、下がって!! これは危険すぎ――」


「……いや、逃げねぇよ」


 黒い炎を前に、ルイは静かに足を踏み出した。


(わかる……“こいつ”は敵じゃない。

 ――呼ばれてる側だ。俺が。)


 胸の《深核》が脈打ち、

 黒い波紋がルイの足元に広がる。


 黒炎狼の赤い目が、ルイをまっすぐ見据えた。


 セリアが叫ぶ。


「ルイ!! 危ないってば!!」


 ユリウスは目を細めた。


「……おい。

 まさかだが――」


 ルイの影が、わずかに狼の影と“繋がった”。


「フェンリス幼体が……

 双核持ち(デュアルコア)に従属しようとしている……?」


(まって……ペットイベント……

 これ、ガチで来たやつだ……!!)


黒炎狼フェンリスが大きく牙を剥き――

 “従属の一撃”をルイへと放ってきた。


(来る……!!)

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