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転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第3章:王都編

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第23話:光核の訓練開始──セリアの“本能”が牙を剥く

 影狩り試験場の奥には、さらに広い円形の訓練区画があった。


 黒い大地に、白い紋章が刻まれた円。

 そこだけが異様なほど光を帯びている。


「ここが……光核の訓練場?」


 セリアが小さくつぶやいた。


ユリウスは無表情のまま説明する。


「影狩り部隊が使う“光核・専用抑制フィールド”。

 光核は強すぎると周囲を焼く。

 だからこうして力を“閉じ込める”必要がある。」


(……え、そんな危険物扱いなの?)


セリアは緊張したように指を組む。


「わ、私……そんなに危ないのかな……」


「少なくとも、お前は“学院史上最強”の光核保持者だ。」


「そ、そんなの初めて聞いたんだけど……!?」



ユリウスが手を叩く。


「ルイは外で見ていろ。

 セリアの光核は“刺激”に弱い。

 深核が近いと暴走率が上がる。」


「あ、じゃあ俺ここで——」


「いや、ここにいろ。」


「どっちだよ!!?」


「近づくなという意味だ。」


(言い方ァ!!)



ラザールが優しく笑う。


「セリア。

 まずは“光核(Lumen Core)の流し方”を学ぼう。

 君が普段やっている魔力操作は……まだ“人間の魔力”なんだ。」


「え……?」


「光核は本来、“魔法”ではない。

 “魂力ソウルリキッド”だ。」


ルイが首をかしげる。


「魂……力……?」


「そう。

 魔力よりも深く、強く、純粋。

 そして……暴れやすい。」


(あ〜〜〜〜セリアがよく爆ぜてるのって、それが理由か……)



ラザールはセリアの手を取り、胸の位置へ触れさせる。


「静かに、ゆっくり感じて。

 光核の呼吸を。」


セリアの瞳が細められる。


「……うん……なんか……暖かい……

 光が……呼吸してるみたい……」


「その通り。

 それを……解き放て。」


「え、いきなり!?」


「大丈夫。ここは安全だ。」


(いや安全じゃないでしょ絶対!!)



セリアは深呼吸し、姿勢を整えた。


 ルイには分かる。

 “あのモード”に入ったときのセリア特有の静けさだ。


(セリアの光核……暴走寸前の前の、あの感じ……)



次の瞬間、


ぱん!


と空気が弾けた。


 セリアの髪がふわりと浮く。

 淡い光が彼女の体の内側から漏れ始め——


「……くる……!」


 光核が、目覚める。



白い光が足元から駆け上がり、

セリアの周囲を数メートルにわたって照らし出した。


「なっ……!」


「これが……光核の“素”か……!」


 ユリウスでさえ息を呑む強さ。


 だが次の瞬間。


バチッ!!!


 光が暴れた。


「セリア!!」


「だ、大丈夫っ……!!

 まだ……制御できる……!」


 だが光核はセリアの意志を超えて広がり、

 訓練場全体を照らすほどの光柱へと変わっていく。



(やべぇ……!)


 ルイは直感的に理解した。


 セリアの光核——


“覚醒寸前”だ。



セリアは必死に踏ん張る。


「だめ……!

 広がっちゃ……!」


 光が天へ向けて暴れ跳ねる。


 ルイの目が細められる。


(セリア……怖がってる……)


 深核がざわめき、

 名前もない影が“主”を助けようと揺れた。


(……待ってろ。

 今、お前の出番じゃない)


 ルイは一歩踏み出す。



「セリア!!」


「ルイ……っ!」


「大丈夫だ。

 お前は一人で戦うんじゃない。」


 その声に、光がわずかに弱まる。


(やっぱり……俺の声が一番届くんだな)


 そして、ルイは静かに手を伸ばした。


「……セリア。

 俺だけを、見ろ。」


 その瞬間——


 光核が、セリアの意識と一体化し始めた。


(……ルイ……?)


光核

『その声……共鳴する……』


(あ……これ……)


光核

『名を……呼んで……ほしい……』


(……名前……)



ルイの瞳が揺れる。


(光核にも名前が必要なんだ……

 じゃあ近いうちに、“名付けの儀”は……二つ同時か)


セリアは震える声で言った。


「ルイ……

 私の……光……怖くない……?」


ルイは笑った。


「怖いわけないだろ。

 お前の光は——」


「——俺が守る光なんだから。」


 光が一気に静まり、

 訓練場は再び静寂に包まれた。



こうして——


セリアの光核(Lumen Core)は“覚醒寸前”

ルイとの共鳴で初めて自我を見せ

名を求め始める


そんな重要な変化を迎えることになる。


だが、これはまだ前兆。


深核と光核——

“二つの核の名付け”が始まる時、

世界のルールが揺らぎ始める。

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