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転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第3章:王都編

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第21話:深核――“黒の声”が形を成す瞬間

 影狩り試験場の空気は、もはや“試験”という言葉とは程遠かった。


 大地が脈動する。

 闇が唸る。

 そして、中央に立つルイの“黒”が――


 形を持ち始めていた。


ユリウスが息を呑む。


「……まずい。“黒”が実体化しかけている……!」


(実体化って……あの黒いモヤが……?)


 ルイの周囲にまとわりついていた黒霧は、もはや霧ではなかった。

 牙のように裂け、爪のように伸び、まるで生き物の呼吸のように脈打っている。


「ルイ!! 戻ってきて!!」


 セリアが必死に叫ぶ。


 だが――


 その声が、ルイには届かない。



(……ここ……どこだ?)


 気づけば、視界は暗黒に染まっていた。


 大地はなく。

 空もなく。

 ただ、深い闇の底。


 その中心に――“何か”が立っていた。


◇【???】

『やっと……会えたな』


(……声……?)


『“器”……ルイ・アーヴェント。

 ようやく、ここまで近づいた。』


 それは“黒”の声だった。


 だが黒霧とは違う。

 人の形を持ち、“声帯”を得たかのように発音している。


(お前……俺の中の……深核?)


『深核(Abyss Core)……その名は心地よい。

 だがまだ未完成。

 我は“核の影”。

 器であるお前が名を与えるまで、完全には目覚めぬ。』


(名を与える……?)


『呼べ。

 望め。

 お前が望む形で、望む強さで……

 “我”を、名前で縛れ。』


 その時、外界で何かが爆ぜた。



「ルイ!! 戻れぇぇぇ!!」


 セリアの絶叫。


 光核が膨張し、黄金の輝きが試験場を満たす。


 ユリウスが目を見開いた。


「光核まで暴走しかけている!? まずい、これは本気で――」


ラザールが短く言う。


「止めるぞ。

 二人同時に暴走したら、この試験場が消し飛ぶ。」



 ルイの意識は闇と光の狭間を漂い――

 深核の声が再び響く。


『名を……与えよ。

 お前の“黒”に。

 そうすれば——』



現実では、黒霧が巨大な腕の形を作り始めていた。


セリアが涙目で叫ぶ。


「ルイっ!!

 お願い……っ、帰ってきて……!!」


 彼女の光核が激しく脈打ち、白金の光が弾ける。


 その瞬間——


 ルイの瞳に、ようやく光が戻った。


「……セリア……?」


 深核の影が揺らぐ。


『その名……その声……

 やはり器は面白い……』


 影が形を崩し始めた。


だが消えるわけではない。


『よかろう。

 名は……“後で”だ。

 まずは——』



現実に戻ったルイの身体が、光と闇を同時に纏う。


ユリウスが絶句する。


「……なんだ、この“両核展開デュアル・コア”は……!?」


ラザールは冷静に呟いた。


「始まったな。

 ルイの“二つの核”の本当の覚醒が。」



そして、ルイは叫ぶ。


『行け!! 深核――!』


 初めて、“黒”が命令を受けた。


 その瞬間。


 黒い腕が影獣を轟音と共に吹き飛ばした。


 深核はまだ名前を持たない。


 だが、確かに“従った”。


(……これが……俺の“黒”……!)


セリアは涙ぐむ。


「ルイ……戻ってきてよかった……!!」


ユリウスは震えながらつぶやいた。


「……こんな小僧が……

 “核使い(コア・ベアラー)”だと……?」



こうしてルイは――

深核との初接触ファーストコンタクト を果たし、

試験は第2段階へ進むことになる。

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