表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第2章:学院編前編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/101

第32話:迫る影、揺らぐ学院――“白の核”が目覚める夜

 学院会議室の結界が火花を散らした直後、空気が一気に凍りついた。


「黒反応が上昇中!!

 結界の第二層が破られます!!」


 術士の叫びに全員が立ち上がる。


(来た……!

 昨日の残滓なんか比じゃない。これ……“本物”の影だ!!)


 胸の奥で黒核がドロリとうねる。


『……鍵……返セ……』


(返すもんなんて持ってねぇよ!!)


 黒の囁きが視界を影色に染めかけたその瞬間、

 白核がドクンと脈打つ。


『ルイ、だめ……!』


(……セリア!?

 距離離れてるのに“直接”響いてる……?)


「まずい! 影が学院寮の方へ向かっている!」


「寮!?」


 ラザールが鋭く反応する。


「セリア君が……!」


(セリアを狙ってるなら、行くしかない!!)


「……行く!!」


 椅子から飛び降りたルイを、教師たちが慌てて止めようとする。


「ル、ルイ君! 待ちなさい!」


「ごめん、行かなきゃ!!」


(止められてる場合じゃない……セリアが危ない!!)


 黒と白が同時に噴き上がり、会議室の空気が揺らいだ。


「な、何だこの魔力……!!?」


 


 女子寮の外気が急激に冷え込み、窓に黒い霧が滲み始めていた。

 影が壁を這い、ドロリと形を成していく。


「……っ! いや……来ないで……!」


 セリアの胸に鋭い痛みが走り、呼吸が乱れる。


(ルイ……来ちゃだめ……

 でも……助けたい……!)


「……ルイを……守りたい……!」


 その叫びと同時に、セリアの体から白い光が弾けた。

 部屋中が昼のように照らされ、寮母が驚愕する。


「光核暴走反応!? 違う……これは……!」


 ――覚醒の兆候だった。


 


 ルイが中庭に走り込むと、影が十数体、輪郭を歪めながら立っていた。

 昨日の残滓とは比にならない圧力。


『……鍵……』


「来るなッ!!」


 白核が勝手に反応し、足元に光陣が展開された。

 影が触れた瞬間、ジュッと焼け落ちる。


(白核……自動で防御陣を……!?)


『ルイ……守る……』


(白も……限界なのに……!)


 影はさらに増え、一体、二体、十体以上に膨れ上がる。


「くそ……多すぎる……!」


《警告:影性魔物が校内侵入!》


(セリアのところ……早く……!)


 巨大な影の腕が振り下ろされた瞬間――

 光が夜を裂いた。


「ルイ!!」


「セリア……!!」


 寮の前で白い光壁が輝き、影を次々と焼き払っていく。

 セリアの瞳は金に揺れ、髪先は白く光り、淡い羽のような光粒が舞った。


(……半覚醒……!

 セリア……強すぎる……!)


 光壁が広がり、群れた影を霧散させた。


「ルイ!!」


 セリアが駆け寄る。

 白の光がルイの黒に触れた瞬間、黒がぐっと押し込まれる。


『……戻レ……鍵……』


 遠く、開きかけていた黒い“門”が、ギギ……と閉ざされていく。


「止まりなさいッ!!」


 ラザール率いる特務班が駆けつけ、

 炎、雷、風の魔法が影の残滓ごと吹き飛ばした。


 “影門”は完全に閉ざされた。


 


「二人とも……無事か!?」


 ラザールが駆け寄る。


 セリアは息を震わせながらルイを抱きしめた。


「こわかった……でも……

 ルイが呼んでたから……来れた……」


「呼んでないよ……!

 でも……来てくれてありがとう……セリア……!」


 ルイの声は震えていた。


(本当に……危なかった……

 セリアがいなかったら、黒に呑まれてた)


 ラザールは二人の魔力を見て顔色を変える。


「白核の覚醒前兆……

 そしてルイの複合核が過負荷……

 これは……想定以上どころじゃない……!」


 学院は理解した。


 ――“世界の鍵”が動いた。

 ――そしてそれを支える“光”が目覚め始めた。


 守れるのは、この二人だけ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ