表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
プロローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/101

第3話:魔力が視える赤ん坊 そして“魂核”の異常

生まれて数日。

 俺──ルイは、赤ん坊の身体に慣れるどころか、驚きの連続だった。


 何より驚いたのは──


(……世界が光ってる)


 周囲に、ふわふわ浮かぶ粒子のような“光”が見えるのだ。

 空中を漂い、風とともに流れ、時に濃く、時に薄く形を変える。


 視界いっぱいに広がるその輝きは、前世にはなかったもの。


(これ……魔力、だよな?)


 そう理解したのは、本能的な感覚だった。


 ただの光じゃない。

 触れれば反応する。

 意識すれば流れが変わる。


(しかも、これ……俺に集まってきてないか?)


 周囲の魔力が、まるで磁石に引き寄せられるように俺へと流れ込んでいた。

 理由は分からない。ただ、普通じゃないことだけは確かだ。


 さらに──


(……胸の奥、熱い)


 小さな身体の中心、心臓の少し下あたり。

 そこに“球体のような力”が渦巻いているのが分かる。


(魂……核?)


 そう感じた。

 魂の中心に宿る核──魂核。


 しかしその色が、普通じゃなかった。


(みんなは淡い光なのに……俺のだけ、真っ黒だ)


 黒い霧が幾重にも絡まり、

 中心にだけ微かな白い光が脈動している。


 まるで“深淵”と“光”が同居しているような、不気味な光景。


(これ……絶対やばいやつ)


 そんな俺の頭の中に、ふっとかすかな気配が走った。


『……見えているか。さすがは鍵よ』


(うわっ!? まだいるのかよ!!)


 あの暗闇で聞いた声だ。

 だが前より遠い。もうすぐ消えるような薄さ。


『魔力に触れ、魂核の異常に気付くとは……実に面白い』


(全然面白くないんだが!?)


『安心するな。

 お前の核が“黒い”のは必然。

 だが中に残る“白”こそ、お前がお前である証だ』


(白い光……?)


『いつかお前は選ぶだろう。

 黒へ沈むか、白を貫くか』


(おい、それどう考えてもフラグだろ)


『良き選択を。

 そして……この世界を壊すなよ、鍵よ』


(待て! 壊すって何だよ!?)


『いずれ分かる。余はもう去る』


(いや説明不足!!)


 声は完全に途切れた。

 赤ん坊の身体でも分かる。これが最後だ。


 聞きたかったことはいっぱいある。

 深淵って何なのか。

 俺は何の“鍵”なのか。

 黒と白の意味は?

 未来に何が起きる?


 でも──答える者はいない。


(……まぁ、焦っても仕方ないよな)


 そんなことを考えていると、

 部屋の扉が開き、小さな足音が近づいてきた。


「赤ちゃん、起きてる?」


 幼い声。

 覗き込むように顔を近づけてきた少女。


 陽だまりのような金の髪。

 澄んだ青い目。

 ふわっと微笑む無垢な表情。


 村の家の子──セリアだった。


「わぁ……きれいな目……。ルイって言うんだね」


(この子……)


 彼女を見ると、魔力の光がふわっと揺れた。

 普通の人には見えないはずの魔力が、セリアの周りだけ妙に整っている。


(……なんか、ただの幼女じゃなさそうだな)


 そう思った瞬間、彼女が俺の手をそっと握る。


「ふふ……不思議。なんかあったかい」


 その言葉に、胸がドクンと鳴る。


(セリア……お前、俺の“異常”、気づいてる?)


 このとき俺はまだ知らなかった。


 彼女が“巫女の素質”を持ち、

 ルイの秘密に最初に気付く人物になることを。


 そして──

 後に命を賭けて彼を“光へ引き戻す”存在になることを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ