表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第2章:学院編前編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/101

第25話:学院入学式――“仲間”と“監視者”の教室

 学院入試から三日後。

 王都アルフィアの朝は、いつもより眩しく輝いていた。


 正門前には色とりどりのローブを纏った新入生たちが集まり、

 年齢も出身もバラバラな声が飛び交っている。


「わあ……すごいね、ルイ……!」


 セリアが目を輝かせながら呟く。


(いやほんと……“魔法学園アニメの導入回”そのまんまなんだけど)


 学院塔の周囲には魔力の光が螺旋状に流れ、

 噴水の水は空中で形を変えて舞い、

空には学院専属の魔道鳥が滑空している。


 魂核の白が、安心するようにふわりと光った。


『……コノ場所……光ガ多イ……落チ着ク……』


 しかし、同時に黒がざらついた声を漏らす。


『……黒ノ逸脱者……三……四……

 学院内部ニ“混ザリモノ”……複数……』


(やっぱりな……昨日のエドワードだけじゃない)


 学院の“異質者含有率”は、どう考えても普通じゃない。


 中央ホールでは入学式の準備が整い、

 学院長、教会代表、王家使節、深淵対策室……

 妙に物々しい顔ぶれが前列に並んでいた。


(いやいや監視の数おかしいだろ……ステルス難易度MAXなんだけど)


 学院長が静かに演壇に立つ。


「新入生諸君、ようこそ王立魔導学院へ──

 ここは魔術・歴史・政治が交わる中心地。

 諸君の未来が、この世界を形作るだろう」


(俺の場合、“形作る”どころか“壊す危険”があるんだが……)


 そして学院長は続けた。


「今年は──“特別候補生”が複数名入学している」


(複数名……?)


 場内がざわめく。


(俺とセリア以外にも?

 光でも深淵でも魔王軍でも天使でもない……“別枠”?)


 学院長は名前を一切出さないまま式を締めた。


(情報を小出しにしてくるの……マジで怖い)


 式後、新入生たちはそれぞれの教室へ向かう。


 俺とセリアが割り振られたのは──

 《1-A》。


(おい……最上位クラスかよ……一番目立つやつじゃん)


 扉を開けると、すでに生徒が何人か座っていた。


 その中で、ひときわ明るい少年がバーッと立ち上がる。


「やっと来たか! 君がルイ君だね!」


(テンション高っ! 誰!?)


「俺はアレン! アレン・スレイター!

 平民だけど剣術だけはちょっと自信あるんだ!」


(こいつ……絶対“剣枠の仲間キャラ”じゃん)


 アレンは満面の笑みで手を差し出す。


「よろしくな! 噂では凡人扱いされてるらしいけど──

 俺は仲間は誰でも信じるから!」


(お前……良い奴すぎる……)


 魂核の白がふんわりと温かく揺れる。


 次に近づいてきたのは、銀髪と鋭い瞳の少女だ。


「……あなたたちが噂の“特別候補生”ね?」


(出た……ツンデレ魔導貴族枠……)


「ミリア・アルフェンよ。魔導貴族。

 あなたたちの実力……然るべき場所で確かめさせてもらうわ」


(ツンツンしてるけど、根は絶対良い子)


 セリアが挨拶しようとすると、

 ミリアはセリアの手から漏れる光を見て目を細めた。


「……強い光の波動。

 あなた……ただ者じゃないわね?」


(いきなりバレかけてるんだけど!?)


 さらに、存在感が薄すぎる黒髪の少年が近づいてくる。


「……ルイ君」


(え……誰? 透明人間?)


 無駄に気配が希薄で、魔力の揺らぎすら感じられない。


(魔力ゼロ? いや……“完全に隠してる”な)


 黒が低く呟く。


『……コノ者……隠蔽……巧ミ……』


「……カイ。カイ・ラドフォード。

 後ろの席が空いてるなら、そこに座る」


(カイ……監察官と同じ名前……偶然か……?

 いや、たぶん偶然じゃない)


 しばらくすると、担任の女性教師が入室してきた。


 赤髪を束ね、鋭い視線を持つ──絶対戦闘タイプの教師だ。


「担任のリィナ・フォルヴェルだ」


(やっぱり戦闘系の先生っぽい)


「このクラスには“特別候補生”が三名いる」


(……三名!?)


 セリアが驚いて俺を見る。


(俺とセリアで二人。

 もう一人は……まさか、カイか?)


「名は伏せる。

 だが彼らは学院にとって極めて重要な存在だ。

 全員、協調を心がけるように」


 そして視線が鋭く細まる。


「“監視対象”でもあることを忘れるな」


(そんなデリケートな情報をクラス全員に言うなよ!!)


 ざわっ──と教室が揺れた。


 そのとき、魂核の黒が唸る。


『……アノ教師……戦闘力……抑エテイル……

 本当ハ……強者……』


(教師までヤバいやつ混ざってるのかよ……)


 セリアが袖をつまみ、小さな声で言った。


「ルイ……なんか怖い人、多いね……」


「大丈夫。俺が……なんとかするから」


 言い終えた瞬間、

 教室の窓の外──

 “影の眼”のようなものが一瞬こちらを覗いた。


(魔王軍……?

 いや……深淵の偵察……?)


 近くの席で、監察官カイが小声で呟く。


「……来たか。“外”の影が」


(だからいきなり来るなっての!!)


 こうして学院生活は、

 “仲間たち”と“監視者たち”と、

 そして“外から忍び寄る影”に囲まれながら幕を開けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ