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転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第1章:幼少期編

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第22話:王都アルフィアと、揺れる“学院推薦枠”

 結界都市ラグノアを発って三日後。

 馬車の窓から見えた巨大な城壁に、両親は息を呑んでいた。


「ルイ……あれが、王都アルフィアよ」


(でっっっか……!)


 赤子であるルイは言葉にはできない。

 だが魂核はしっかり反応した。


『……厚イ結界……』


(だよな。魔王軍でも正面突破むりなレベル)


 白の方はというと――

 両親に抱かれた状態で、近づくほどにふわりと温度が上がった。


『……光、こい……』


(王都ってだけで光濃すぎるんだよな……)


 



 城門へ近づくと、門兵が鋭く声をかける。


「身分証の提示を。……ん? その子供は?」


 エリオットが神殿の印符を見せる。


「教会巡回調査班、エリオット。

 “鍵候補”ルイ・グレイフィールドを護送中だ」


(また言うんかそれ……!)


 だがその瞬間――

 門兵たちの態度が変わった。


「鍵候補……本物か……?」

「王家と教会から指示来てた危険度“測定不能”の器……!」


(言い方ァ!!)


 母が慌てて声を上げる。


「ルイは危険じゃありません……!優しい子なんです……!」


 門兵は困ったように笑い返した。


「もちろんです。ただ“上の扱い”がそうでして……」


(あーはいはい、俺はいろんな意味で地雷ね……)


 



 ――その時。


「ルイぃぃぃぃ!!」


 高い声が響いた。


(!?)


 王都の門の影から、白いローブの少女が駆け寄ってきた。


 金髪のツインテール。

 大きな瞳。

 そして――光核特有の澄んだ波動。


「セ……リア……?」


 母が驚きを隠せない。


 エリオットが軽く頷いた。


「先に連絡が行き、神殿から“光核保持者”も急ぎ王都へ。

 魔法騎士団の護送馬車なら、我々より早く着いて当然でしょう」


(ああ……なるほど。そっちの馬車の方が速いわな)


 セリアは息を切らして、ルイを覗き込む。


「ルイ……!よかった……ちゃんと来れたんだね……!」


(来れたっていうか、運ばれてきたというか……)


 白核がセリアへ反応し、ぱぁっと優しい光を灯した。


 



 そして一行は王都教会へ案内される。


 案内された会議室には、すでに人が揃っていた。


・年配の神官

・冷たい目の女神官

・王家の紋章を胸に付けた男

・学院からの推薦官

・深淵対策室の黒ローブ(立っているだけで圧がある)


(おいおい、赤子の処遇で集まるメンツじゃねぇぞ!?)


 



「さて、本題に入ろう」


 年配の神官が静かに切り出した。


「この子どもの扱い……いや、“鍵候補”の扱いだ」


(おい“扱い”って言ったな今)


 女神官が冷たく言う。


「深淵と光の複合核。

 教会の封印区画で“保護”すべきです」


(絶対保護って言葉の意味わかってないだろ……)


 母が震えながら叫ぶ。


「ルイを閉じ込めたりしないで……!」


 王家側の男が手を上げ、落ち着いた声で言った。


「封印は最終手段だ。

 彼は“世界の鍵”となる可能性がある。

 成長を奪えば、その価値すら消える」


(この人……まともだ)


 



 学院推薦官が微笑みながら口を開く。


「我々としては、学院の“特別候補生”として受け入れたい。

 早期教育こそ、最も安全であり、最も成果が出る方法です」


(いま“囲い込む”って言いかけただろ……)


 



 そこへ、セリアがぎゅっとルイの手を握る。


「ルイを……わたしが守る……!

 一緒に……行くから……!」


 すると、会議室の光が一瞬だけ強くなった。


 女神官が目を見開く。


「この反応……!

 “巫女候補級”の光核……!?」


(あれ? セリア、巫女ルート確定した?)


 王家の男が頷く。


「二人はセットで扱うべきだな」


 



 黒ローブ――深淵対策室の男が、低い声を落とす。


「鍵と光核。

 学院で監視しつつ育てるのが最適だ。

 深淵は必ず追ってくる。逃げ場などない」


(お前……さらっと怖いこと言うなよ)


 



 最終的に、会議は四者合意へ。


● ルイ&セリア → 王立魔導学院の“特別候補生”に

● ただし世間向けには“普通の受験生”扱い

● 入学試験を受ける(形だけ)

● 王家・教会・学院・深淵対策室が共同で監視対象に指定

● 封印区画は“最終手段”として留保


(もうこれラスボス級の扱いやん……俺赤ちゃんなのに)


 



 会議終了後。


 黒ローブが廊下ですれ違いざま、小声で呟いた。


「……学院で会うぞ、ルイ・グレイフィールド」


(名前覚えたからな……!)


『……嫌イ……』


(だよな)


 



こうして――


ルイとセリアの“学院入り”は公式に決まった。


だがそれは同時に


“四勢力から同時監視される人生の始まり”


でもあった。


赤子の魂核は静かに疼き、


世界はすでに――

ルイを中心に動き始めていた。

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