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転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第1章:幼少期編

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第15話:動き始めた運命と“旅立ち”の気配

 教会調査班が村に滞在して数時間。

 空はすっかり夕暮れに染まり、村全体が張り詰めた空気に包まれていた。


 調査の結果──

 “深淵と光の複合反応” を示した謎の赤ん坊。


 それが俺だ。


(……やっぱりまずいよな)


 魂核は珍しく静かだった。

 黒い声もない。

 ただ、深く沈んで潜っているように感じる。


 逆にそれが不気味だった。



 村長の家には、両親とリオネルが集まっていた。

 その空気を読んで、俺は黙って抱かれていた。


「村長……ルイは……どうなるんでしょう」


 母さんが震える声で尋ねる。


「調査班は“そのまま監視下に置くべきだ”と言ってきた。

 だが私は返した。“まだ赤子だぞ”とな」


「……すまん……ありがとう……」


 父さんが深く頭を下げる。


 リオネルが腕を組んで言う。


「監視だけで済むと思わない方がいい。

 彼らは“未知”を恐れる。

 そして恐れた時──排除に動く」


「……!」


 母さんが顔を伏せる。


「でも、ご安心を。

 あなたたちの息子は……危険ではありません」


 リオネルは俺を見た。

 その瞳は、いつもの優しいものではない。


 “確信した者の目”だった。


「……あの複合反応。

 深淵だけでなく、光にも強く反応していた。

 あれは──“鍵”の器の証だよ」


(鍵……鍵……またかよ……)


 俺の胸が熱くなる。


「ルイ君……君は“世界をどうにでもできる存在”だ。

 君が間違えなければ、世界は救われる」


(……プレッシャーすごいんだけど)


 だが、そう遠くない未来に

 俺がその意味を知ることになる。



 その夜、家に戻るとセリアが待っていた。


「ルイ……」


 涙目で俺を抱きしめる。


「きょう……怖かった……

 でも、ルイが光って……黒が止まって……

 なんかね……安心したの」


(俺の方が助けられてんだが)


 セリアの白い光が、そっと魂核を包んでいく。


 黒い霧は完全に沈黙した。

 まるで眠りについたかのように。


「……ルイはね、ぜったい大丈夫だよ」


 セリアの笑顔は、

 俺の光よりも温かかった。



 家に戻り、母さんがそっと言った。


「ルイ……

 この村にずっといるのは、もう難しいかもしれない」


(やっぱりそうなるよな……)


 深淵の複合反応。

 上位光核のセリア。

 教会、魔王軍、天使勢力の気配。


 村はもう“普通の場所”じゃなくなっていた。


 村長からも言われた。


「王都に行け。

 学院に入る準備をしろ。

 そして……生きろ、ルイ」


 俺は小さく息を吸った。


(……行くしかないか)


 魂核に触れると、

 黒も白も静かに揺れた。


 まるで

「行け」

と言われているようだった。



 その夜、眠る直前。


 森の奥で──

 “何か巨大な存在”が一度だけ、ゆっくりうねった。


『……来るがいい……鍵よ……』


(……黙れ。俺は俺の行く場所に行く)


 そして俺は、静かに目を閉じた。


 明日から、運命は本格的に動き出す。

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