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転生したら世界の鍵でした 〜俺と相棒で紡ぐ異世界物語〜  作者: くろうさ
第1章:幼少期編

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第13話:迫る“教会の影”と森の兆し

 到着前の午後

 空は雲ひとつないのに、胸の奥がざわついていた。


(昨日の黒の暴走……あれ絶対、呼ばれてたよな)


 深淵の囁きは弱まっているが、

 どこか“遠くから見られているような”感覚が残っている。


 そんな中、村に緊張した声が響いた。


「王都教会の“調査班”が――

 もう村へ向かっているらしい!」


「今日の夕方には到着するって!」


 村は一気にざわついた。


(うわ……来たよ……一番面倒な勢力)


 セリア母が深く息を吐く。


「……早すぎる。普通はこんなに早く来ないはずなのに」


 セリアが袖を掴む。


「お母さん……わたし、なにか悪いことした?」


「違うわ。

 ただ──あなたの力は、放っておくには強すぎるの」


(そうだろうな。

 教会は“光の器”を確保する気満々だしな……)


 父さんも不安そうに呟く。


「こんな田舎に……何を探しに来るというんだ」


 そのとき、

 村の中央でリオネルが皆を集めていた。



「皆さん、落ち着いてください」


 リオネルは真剣な表情で話し始めた。


「教会の調査班は、

 “光属性の素質”を持つ者を探すために来ます。

 ですが……それだけではありません」


 少し間を置き、低い声で続ける。


「“深淵反応”も、近くで検知されたそうです」


(やっぱり……!

 あの黒い痕跡、完全に教会にバレてる)


 村人がざわめき始める。


「深淵って……魔王軍のことか?」

「いや、もっとヤバいって聞いたぞ……」


 リオネルの視線が、

 ゆっくりと、まるで確かめるように俺へ向く。


「昨日から……どうしても気になる存在がいる」


(いやこっち見るのやめろって!!)


 セリアが一歩前に出る。


「リオネルさん、ルイは関係ないよ!!」


「……そうであると、私も願っています」


 その言い方が逆に怖い。



 昼頃になり、森の見回り隊が戻ってきた。


「なあ、聞いてくれ! 森の奥で……」


 男の額には汗がにじみ、息が荒い。


「“黒い霧”が、木の根元から這うように広がってた!」


「なにそれ……魔獣か?」


「いや……魔獣じゃねえ。

 魔力の“質”が違う。あれは……もっと禍々しい……」


 その瞬間──

 俺の魂核がビクリと跳ねた。


『……近い……』


(ちっ……! 本当に呼ばれてる)


 黒い霧は、昨日より遥かに近づいている。



 夕方。

 教会の調査班が到着するまであと数時間。


 セリアは気が気じゃない様子で俺に寄り添っていた。


「ルイ……なんか今日ずっと怖いの……

 胸の奥が“ぎゅっ”てなる……」


(それ多分、黒が近づいてるからだよ)


 魂核は今、白と黒が細かく震えている。


(教会と魔王軍……どっちも来るタイミング重なるとか最悪)


 その時だった。


 俺の胸の奥で――

 白が、ふわっと広がった。


(あ……また勝手に……)


 それは昨日より強く、

 自分で意図せずに発動するほど自然だった。


 白い光が外へ、僅かに漏れ出し──


 部屋が一瞬だけ明るくなる。


「……っ!? 今の光……」

「外まで見えたぞ!? 何だあれ……!」


 周囲がざわつき始めた。


(やば……!

 白魔力、外に反応が出るレベルになってるのか)


 セリアは俺を抱きしめながら震えていた。


「ルイは……大丈夫……?

 なんで、こんなに光って……」


(俺のせいで……セリアの家、真っ先に狙われるじゃん)


 そしてその時――


 村の入り口から叫び声が響いた。


「来たぞ!! 教会の調査班が到着した!!」


 村人たちが一斉に門の方へ振り向く。


 その瞬間、魂核の奥で

 “黒い囁き”が小さく笑った。


『……見つかるぞ……“鍵”……』


(黙れ……!)


 教会、魔王軍、深淵。


 三つ巴の“追跡”が同時に迫っている。

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