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第八十六話:楽園のバカンス

Scene.315 乙女たちの浜辺


「…はぁ〜〜〜!」


ウチはどこまでも続く白い砂浜に、大の字に寝転がった。


「最高…!」


少し位ハメを外しても、バチは当たらないっしょ!

照りつけるこの世界の太陽っぽいやつ。肌を撫でる心地よい潮風…あれ?風はないな(笑)

もう戦いも復讐もどうでもいい。

今はただこの楽園を楽しむだけ!


「お待ちかねのサービスシーンと行こっか!」


ウチはガバッと起き上がると、エリナとリラに宣言した。


「海に来たんなら、水着に着替えるのが礼儀でしょ!…てことで、自分用の勝負水着作っちゃお!」


ウチらは三人顔を見合わせてニヤリと笑う。

ここは、ウチらだけの貸し切りビーチだもんね。

ウチらは躊躇なくその場で、旅の汚れた服を脱ぎ捨てマッパになった。

そして、それぞれの魔力を使って、自分のイメージした最高の水着を作り上げていく。


まず、ウチ。

イメージはもちろんウチが一番イケてた頃のギャルの勝負水着。

漆黒の布面積が極限まで少ないマイクロビキニ。紐はオリハルコン製のキラキラしたチェーンだ。戦いで鍛え上げられた小麦色の肌に黒が映えるっしょ?引き締まった腹筋と、腰のくびれ。そして、何よりもこのわがままボディを象徴する豊満なおっぱい。レベルアップの影響か、前よりもさらにデカくなった気がする。完璧。


次に、エリナっち。

彼女が作り出したのは、清純そのもの。純白のフリルとリボンがたくさん付いた、ワンピースタイプのスクール水着みたいなやつ。まだ華奢で凹凸の少ないその白い肌は、まるで繊細な磁器人形のよう。守ってあげたいって思う庇護欲を掻き立てる。ちょー可愛い。


そして、リラっち。

元・お姫様の彼女が選んだのは、気品と色気が同居した真紅のハイレグワンピース。サイドが大胆に切れ上がっていて、エルフ特有の長くて美しい脚を強調している。そのスレンダーだけどしなやかな筋肉のついた体は、まさに芸術品だった。


挿絵(By みてみん)


「「「…」」」


ウチらは互いの姿を見て一瞬黙り込み、そして同時に噴き出した。


「あはははは!キミらマジでキャラそのまんまじゃん!」


「お姉ちゃんこそ!目のやり場に困ります…!」


「莉央様は、相変わらず、その…破廉恥ですわね…!」


そこからはもう、きゃっきゃうふふ、の時間だった。


ウチは二人を海に引きずり込み、水をかけ合ってはしゃいだ。

リラっちは最初戸惑っていたけど、エリナっちが容赦なくかけた水しぶきに、一度キレかけた後、すぐに子供みたいに反撃を始めた。

ウチらはガキみたいにただ笑い転げた。



Scene.316 神の悪戯と天罰


「よし、キミら!」


散々はしゃいだ後、調子に乗ったウチは二人に言った。


「レベル505になったウチの本当の力、見せてあげる!」


ウチは海に向かって右手をかざした。

そして、ウチの膨大な神格化された魔力を解放する。


「モーゼもびびるって!…海よ、割れろ!」


ゴゴゴゴゴゴゴ…!


ウチの言葉に呼応して、目の前の海が唸りを上げて左右に分かれていく。

海底の砂が露わになり、そこには巨大な一本の道ができた。

道の両脇には、巨大な水の壁がそそり立っている。


「すげー…!」


ウチは自分の力に自分で引いていた。

エリナとリラも呆然とその光景を見つめている。


「…え、ちょい、待って」


ウチは気づいた。


「アニメとかでよくあるカッコいい描写はここまでだけど、なにこれ、割れた海って戻る時、どうなんの…?」


ウチがそう呟いた瞬間。

維持していた魔力が僅かに揺らいだ。

その瞬間、左右の水の壁が轟音と共に崩れ落ちてきた。

高さ数十メートルの巨大な津波が、二方向からウチらに襲いかかってくる。


「「「きゃあああああああああっ!」」」


危ない死ぬじゃん、これ!

ウチはとっさに残った全ての力で、ウチら三人を覆う球体のバリアを展開した。

直後、凄まじい衝撃と水圧がウチらを襲った。

島が揺れるほどの大激突。


数分後。

荒れ狂う波の中からびしょ濡れのウチら三人は、なんとか砂浜へと這い上がった。


「…」


「…」


「…」


ウチはエリナとリラに向かって、砂浜に正座した。


「…ウチが調子に乗りました。ごめんなさい。もう二度としません」



Scene.317 楽園の夜


ウチのあまりにも情けない謝罪に、エリナとリラは一瞬きょとんとした後、腹を抱えて笑い出した。

つられてウチも笑った。

もう、どうでもよくなった。


そこからは、また三人ではしゃぎまくった。

リラが魔法で超巨大で芸術的な砂の城を作り、エリナが拾ってきた光る貝殻で飾り付けをした。

ウチは二人を砂に埋めて、人魚のアートを作って遊んだ。


日が暮れるとウチらは、砂浜に大の字になって空を見上げた。

この世界の三つの月が、優しくウチらを照らしている。

波の音をBGMに、ウチらは他愛もない話をした。

ウチの元の世界の話。

エリナの星の民の話。

リラのエルフの国の話。

いつの間にかウチらは、互いに寄り添いながら眠っていた。

ウチの人生で一番穏やかで、一番幸せな夜だった。

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