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第十六話:女王の祝福

Scene.69 英雄への祝祭


シルヴァンの街はあの日以来ずっとお祭り騒ぎだった。

魔物の大群を退けた二人の英雄。ウチとエリナを称える歌が酒場で歌われ、子供たちは「黒衣の女剣士ごっこ」で遊んでいる。

かつてウチらをゴミでも見るような目で見ていたエルフやドワーフたちも、今ではウチらの姿を見つけると道を開け尊敬の眼差しを向けてきた。

…まぁ、ちょい気恥ずかしいけど、悪い気はしない。



Scene.70 女王の招待


そんな祝祭の最終日、ウチらの元に一人の使いがやってきた。全身が光る蔦でできたドレスを纏ったドライアドの上位種。


「シルヴァンの救世主、莉央様、エリナ様。我が主、精霊女王アラウネ様がお二人を居城『翠玉の宮殿』へとお招きです」


精霊女王。この大陸全ての自然を司る神様に一番近い存在。

ウチらはその招待を受けることにした。



Scene.71 謁見と褒章


ドライアドに導かれ森の奥深く、神聖な大聖堂のような宮殿に足を踏み入れる。

その中央、マナの滝壺から湧き上がる光の中に女王はいた。

腰まで伸びる虹色の髪、完璧すぎる美貌。その瞳には何万年も生きてきた深い叡智が宿っている。


ウチとエリナが膝をつくと女王は穏やかに語りかけた。


「面を上げなさい英雄たちよ。…このシルヴァンを我が民を救ってくれたこと、心から感謝します」


「いえ…」


「これは褒章です。あなた達のその気高き魂に、我が祝福を授けましょう」


女王がそっと指を振るうと、ウチとエリナの体が温かい虹色の光に包まれた。

体の奥底から新しい力が湧き上がってくるのが分かった。



(こんな人前で表彰みたいなの初めだし、めちゃ照れるんだけど…)


挿絵(By みてみん)




Scene.72 新たなる力


宮殿からの帰り道。ウチは自分の体に力が漲っているのを感じていた。


「…ちょいステータス見てみるか。女王様の祝福で何が変わったんだろ」


ウチは自分のウィンドウを開いた。レベル99なのは前の戦いでもう知ってる。問題は中身だ。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

名前:莉央りお

種族:人族(英雄)

レベル:99 (MAX)

HP:9999/9999

MP:5500/5500

【称号】: シルヴァンの救世主【神話級】 深淵を砕く者【伝説級】

【スキル】

・絶対支配: 使用不可(女神の制約)

・女神の加護(中) → (極大)

・ギャルのカリスマ → 女帝のカリスマ【進化】

・二刀流剣術 → 神速無双剣舞【進化】

・戦闘直感 → 未来予知(半秒)【進化】

・不屈の魂 → 不壊の精神【進化】

・指揮 → 戦場の女神【進化】

・リミットブレイク【新規】

・荊棘の女王の抱擁【新規】: 精霊女王の祝福。受けたダメージの一部を闘気に変換し攻撃力に上乗せする。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



「うわ、マジ!?『ギャルのカリスマ』が『女帝のカリスマ』に進化してんじゃん!『戦場の女神』!?ちょーウケるんですけどー!」


スキルもなんか厨二病みたいな名前に進化しまくってる!


「『荊棘の女王の抱擁』…ダメージを力に、か。マジであたし好みのスキルじゃん」


「お姉ちゃん…!私も…!」


エリナが興奮気味に自分のステータスをウチに見せてくる。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

名前:エリナ

種族:星の民(覚醒)

レベル:99 (MAX)

HP:7800/7800

MP:18000/18000

【称号】: 希望の光【伝説級】 星詠みの巫女【進化】

【スキル】

・聖属性魔法 → 大天使の神聖魔法【進化】

・治癒魔法(上級) → 創生級治癒魔法【進化】

古代知識パッシブ → 星々の叡智【進化】

・聖歌 → セラフィック・アンセム【進化】

・サンクチュアリ・ノヴァ【究極魔法】

・聖樹の御子エリュシオン・チャイルド【新規】: 精霊女王の祝福。聖樹エリュシオンとの繋がりを示し森や自然と意思疎通が可能になる。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



「エリナもカンストしてんじゃん!てかMPオバケすぎ!歩く魔法砲台かよ!」


「わ、分かりません…。でも、力が…。それに森の声が前よりもっとはっきり聞こえます…!」


ウチらは自分たちのありえない強さに顔を見合わせて笑った。

準備はできた。


「よし、行くか。聖樹の元へ」

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