プロローグ おかしな広告
ある日曜日の朝、ネットに怪しげな広告があらわれた。
「魔術師募集中!
この広告に興味がある方はこちらにお電話ください
◯◯◯✕✕✕△△△」
という短く、怪しげで意味不明な広告。ところが意外にも、この広告に興味を持った人は何人かいるようだ。
「ん〜、暇だなぁ〜」
平和は好きだし、平凡な生活に幸せも感じている。ただ、退屈で味気ない生活に刺激が欲しい――そんな普通のティーンエイジャー、ストロベリー・ピーチスターは、いつものようにスマホを頼ることにした。
――ピロン
「……通知?」
「魔術師募集中!
この広告に興味がある方はこちらにお電話ください!
〇〇〇 ✕✕✕ △△△」
「魔術師⋯⋯?」
「はぁ、なんかいいこと起こらないかな〜」
「普通」ということが幸せであることは知っている(大人達から聞かされている)し、不幸になりたいわけでもない。ただ、勉強ばかりの平坦な生活に刺激が欲しい――そんな普通のティーンエイジャー、ジェームズ・ミラーは、いつものようにスマホを頼ることにした。
――ピロン
「……通知?」
「魔術師募集中!
この広告に興味がある方はこちらにお電話ください!
〇〇〇 ✕✕✕ △△△」
「……悪戯、だよな?」
「あ〜、退屈」
つまらない、退屈、いつも通りだ――最近そんな呟きが増えた気がする。何もない、ただの生活に刺激が欲しい――そんな普通のティーンエイジャー、ロジャー・ムースは、いつものようにスマホを頼ることにした。
――ピロン
「……通知?」
「魔術師募集中!
この広告に興味がある方はこちらにお電話ください!
〇〇〇 ✕✕✕ △△△」
「……何だこれ」
メダカ五百匹を盗んだ疑い――使えるお掃除の裏技十選――魔術師募集中――◯◯動物園のペンギン、ペンペペンがトイレを覚えた――……。
「……え?」
おかしな広告があった気がする――あった。……魔術師募集?
「変なの」
あまり興味を示さず、ルナは呟いた。
体が、ヒンヤリしてきた。ブルッと全身を震わせる。
「何よ……」
歯をガチガチ合わせながら、辺りを見回す。
そして、いきなり猛烈な吐き気に襲われた。
「ゔっ………」
世界がぐるぐると回転しだす。バランス感覚を完全に失って、膝をつき――バタリと倒れた――地面に手をつく――いや、これは壁? 浅い呼吸を繰り返す。体を起こそうとするが、どっちに起こせばいいのかわからない。
その場は文字通り、闇に包まれた。
「何…で……暗く……?」
口を開いたら、吐きそうになったので、慌てて口を閉じる。
停電かな、と思いつつ、目をこすった。
酷い寒気がするのに、吹き出す汗は止まらない。
彼女は気づいていなかった。
自分のいる場所が、さっきまでとは明らかに違うことに。
ルナは、そのまま気を失った。
いかがでしたか?
次話は「一話 仮面の男」です。お楽しみに! ブクマ、評価、コメント、リアクションもお待ちしています。




