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修行

どの力が体に合うのかを調べたあとは、技名をひたすら覚えさせられた。覚えたら、次はローズさんによる猛特訓が行われた。特訓の内容はただローズと1対1をするだけと言うシンプルな内容だ。しかしこの1対1、ボケっとしてると命を落とす。ローズがガチで僕らを殺しにかかるのだ。ローズは光の力を持っている。僕らは力を持ってない。なので僕らは逃げるばかりで逆に相手にならない。



「今日も稽古お願いします」

「はい。じゃあ今日もやっていこうか。メニューは前と一緒、私と1対1ね。まずは蓮から」

今日も殺しにかかってくるのか?

「またですか?まだ力すら習得できてないのに」

「なんか文句でもあんのか?文句言うんやったら、力習得してから言いにこいや」

マジで怖ぇ...。

「さあ力、撃ってこいや!」

僕はひたすら技を言うことだけ。それで感覚を掴む。

「光の力!閃光(フラッシュ)

閃光(フラッシュ)は相手を怯ませる技。僕はこれを直に受けてしまう。

「光の力!脚光(スポットライト)

これは技の命中率をあげる技。これが強いのだ。

「水の力!水垣(アクアウォール)

僕は防御の体制に入るが目の前に水の壁が現れない。

「水の力!波濤(ウネルナミ)

僕も攻撃を試みたが、水飛沫が上がるくらいだ。でもこれは成長している。昔は水飛沫さえも上がらなかった。

「今日もダメそうね。光の力!高速移動(ハイパースピーダー)

ローズは光の如く走り、僕の元まで来てそのまま殴られ、KO負け。

「行くよ!次は海!」

「は、ハイ!」

大きな返事をした海の顔は、マサバの背中よりも青かった。


〜数分後〜

「ローズさん!もう勘弁してください!私もう限界です!」

「待たんかいゴルァ」

どうしよう。海が稽古場の角まで追いやられた。

海が

「まずい!どうしよう!やられる」

って心の中で言ってるのがわかる。

「闇の力!漆黒光芒(シャドービーム)

海の手のひらから、しっかりとビームが出た。

「ふっやるわね。でもそんなんじゃ勝てないわよ!光の力!高速移動(ハイパースピーダー)!」

ローズはビームを避けれるほど、元々素早かったのに、また素早さを上げ、僕と同じように海めがけて、素手パンチ。そのままKO負けしてしまった。

「まあ今日はここまでにしよう。海は闇の力を撃つことができたんだ。あとはお前だ、蓮。あとでたっぷりしごいたるからな」

ローズがギラリとこちらを向く。怖えよ。もうただの脅しだよ。明日は生き残ることだけ考えておこう。

こうして蓮はそれはそれはもうとてもすごい、もうほんと引くほどしごかれました。


結局蓮は3日間、えげつないほどにローズにしごかれ、なんとか水の力を手に入れることができました。

海はその間に氷の力を習得してました。強すぎ。

〜ローズ特製、蓮バチボコしごき修行3日目の夜〜

海は僕の部屋にいた。部屋は1人ずつ用意されている。修学旅行の時に別の部屋に行く気分だ。

「大変だったね。蓮」

「ほんとだよ。2日間で力は習得できたから、修行は2日で終わる予定だったんだけど、2日目に陰で独り言くらいの声量でローズさんの嫌味を言ったら、本人に聞かれて、1日追加された。案の定しごかれたよね...」

「当たり前でしょ。なんて言っちゃったの?」

「えっとねぇ“どんなフィジカルしてんだよあの人。カバかよ。逆さにしてフィジカルバカだな”って言った。」

「そりゃボコボコにされるわ。カバじゃなくて、ライオンとかのほうが良かったかもね。まあ、でもよかったね。力習得できて。水の力だっけ?」

カバよりもライオンがいいとかそう言う問題じゃないだろと突っ込みたかったが、心の中に留めておいた。

「そう。水の力。僕も海ほどではないけど追いつけた気がして、なんか嬉しいよ。あとは剣術の腕を上げて、水の力を乗っければ良いかな。そしたらおんなじくらいにはなれるかな」

「へぇ、そうね…」

「どうした海。そんな顔真っ赤にして。具合悪い?」

「ああ、いや、なんでも」

「そう、なら良いけど」

(え、もしかして私を目標にしている!?もしかして憧れの的!?幼馴染の憧れの的!?やっばいなんかドキドキしてきた。動悸だ。これ、歳でなるやつだ)

海は心の中でそう思った。

「私も蓮と同じ立場になれたら、すごく嬉しいよ」

「ほんと...。いつか2人で冒険できる日が来ると良いね。なんかわくわくしてくるというか」

「そうだね...」

僕は咄嗟に出た言葉に少し驚いた。海と冒険できる日が待ち遠しくなっている自分に。

私は蓮の言葉を聞いてかなり驚いた。私と冒険できることに待ち遠しさを感じている蓮に。そして私も待ち遠しく思ってる。

『...。』

なんとも言えない感情となった2人は黙ってしまった。

『あの、あっ』

「ふふ、揃っちゃったね」

「えへへ、そうだね」

僕は海の不敵な笑みに心を撃ち抜かれた気がした。

「じゃあ私の部屋戻るね。おやすみ」

「うん。おやすみ。また明日」

海は自分の部屋に入り、ドアを閉めた。そして2人とも少し間を置いて、自分の部屋の寝具に横たわり枕に顔をうずめた。

「あの時なんで海、顔赤くしたんだろ」

「なんで私、蓮にものすごくドキドキしたんだろ」

『好きなのかな』

2人は静かな部屋で自分の早くなる心拍音だけが聞こえていた。

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