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レオンの優しさ

互いに話さず、星空が広がるこの空間に浸っていた。

「・・・寝るか?」

「ううん、なんか目が覚めちゃった」

レオンはルイーゼの顔色が悪くなっていないことを確認すると、

「なら・・・」

天井に手をかざし、円を描くように動かすと指先からキラキラと光が散らばり、星空から花畑の景色に変わった。

「わぁ!」

ルイーゼの目は輝き、期待や希望に満ちた顔で天井の景色を食い入るように見つめていた。


「魔力はいろんなものに変化させることができる。使い手の魔力の質とイメージが重要だ」

そういって、レオンは自分の手のひらで魔力が変化させ、騎士たちの顔を作っていた。

「え!すごい!そっくり!」

興奮したルイーゼは、急に起き上がると頭がくらっとして、パタンとベッドへ逆戻りした。


「ルイーゼ、魔力の質を上げるには自分の魔力と身体の親和性を高める必要がある」

「いてて・・・自分の魔力なのに?」

「普通なら小さい頃から魔力を使っていくことで魔力が身体に馴染んでいくものなんだ。だが、お前にはそれが足りない」

絶望して今にも泣きそうな目になってルイーゼは、落ち込んだ。


「方法はある」

にやっと笑い、ルイーゼはそれに食いついた。

「魔力に慣れろ。どんな少しの量でも常に魔力を消費し続け、魔力を循環させるだけだ」

「ミランダさんも魔力を練ることは寝ててもできるって言ってたの!こうやって魔力固めるといいの?」

とアレクシスと一緒にやったように手のひらに魔力を集め、いろんな属性に変化させた。

「おい、お前、それを誰に教えてもらったんだ?」

焦ったようにルイーゼに質問すると、あっけらかんとして返答した。

「この前、団長さんにやってみろって言われてやったんですよ。これでしか魔力を使ったことないんです。ほかにどんなことやればいいですか?」


レオンは「あのバカ…」と呟き、少し考えるように目を瞑り、数秒口を閉じた。


アレクシスの野郎、ルイーゼになんてこと教えてるんだ!

魔力に馴染んでいない身体に無理に魔力を通したら…しかも複数の属性だと?!

この程度で済んでるだけ、奇跡…か。魔力適正はアレクシスより上かもしれないな。

意を決して、レオンは口を開いた。


「ルイーゼ、いいか。それはもう、絶対にやるな。誰にも見せるな」

「え?」

「属性を他人に見せるな、それにお前の身体は、まだ自分の魔力とも馴染んでいない。その状態でそんなことをやり続けたら…」

「やり続けたら…」

「魔力と身体が乖離して、死ぬ」

「......」

「ってのは冗談だが、それと同様なことが起こるのは間違いない。自分の属性などの魔力の本質的なものはかなりプライベートな項目だ。見せつけるものじゃないし、多属性の魔力をこうも簡単に扱うことができることが知られれば、生きるのも大変になるはずが。3属性以上の魔法を扱えるというのは人生の半分以上の努力と魔力量がなければ難しいとされている。稀におかしいやつがいるが、まずはこうやって魔力自体を循環をさせて自分の身体に慣れさせるのが先決だ」


この世界の魔力常識を教えてもらいルイーゼは、知らなかったら至る所でおかしなことになっていたに違いないと確信した。噛みしめるように納得していると、レオンの身体の周囲が淡く光っていることに気づき、よく見るとレオンの魔力が動いているように見えた。

「光ってる!」

「この方が分かりやすいだろ。適正量を知ると目には見えなくなる。こうやって指先から髪の一本まで魔力を纏わせ消費し、循環させることで身体に馴染み、魔力が扱いやすくなるんだ。まずはこれからだ」


レオンさんはいとも簡単に魔力を操り、私の身体の心配までしてくれた。

意外と優しいと思いつつ、魔力を扱うことに対して丁寧に正しい知識と理解を促してくれた。

それに、彼は知っている気がした。私がルイーゼと名乗っている理由を。


「レオンさんってさ、何者なの?」

「レオンでいい。ほら、やってみろ」

「…はーい」

深追いしても答えてくれなそうな雰囲気で、これ以上の質問は諦め、レオンがやっていたように魔力を全身に纏うよう自分の魔力を動かしてみた。

「んんーーー!どうだっ」

手の周りにだけ淡く光る状態のルイーゼをみて、レオンは笑ってしまった。

「あんな器用に属性変化させられるのに魔力を纏うことができないって、おかしな話だろ?」

頬を膨らませ、理不尽だともいうように怒りがわいた。

「だってレオン簡単にしてたじゃん!」

「忘れたか?イメージが大切だ。すぐできるようになる」

「分かった!」

ルイーゼは、張り切ってベッドに横になると、目を閉じて早速イメージを始めた。

「こら、まずは寝ろ」

レオンは寝ることを忘れたルイーゼにの額にデコピンをすると、痛がりつつも睨んできた顔を笑い、医師として注意を重ねた。


「ふっ、まずは身体を休ませろ。起きたらやってみればいい」

レオンは再び、天井に手を向けると星空を映し出してから部屋を出ていった。

レオン「こどもたちもこの星空が好きだったからな、ルイーゼもよく眠れるだろう」



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