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当選発表と佐々木の怒り

***


はぁ~たまんないっ!魔法世界最高すぎるよ・・・!結婚とかどうでもいい!・・・でも、結婚式でキラキラの魔法かけれたら、ビジネスチャンスかも!魔法といえば、師匠とか必要かな?誰か一人でもいいから絶対味方!みたいな人ほしいよね。でも交渉うまいとかもかっこいいもあったらおもろすぎる!あーでもやっぱり杖に自分が選ばれるってのも捨てきれないっ!


***


妄想の中で縦横無尽に泳ぎ続けているるいのベッド横にゴスロリの女の子が降りてきた。

「みーやぎさんっ♪」

耳元に口を近づけ、起こすように名前を呼んだ。

名前を呼ばれても全く反応せず、妄想世界で楽しんでいるるいは、えへへへ、と半開きの口で笑い声が漏れてしまっていた。

何度読んでも目を覚まさないるいに怒りを覚え、ゴスロリ女は、耳元で叫ぶことにした。


「起きろ!妄想女!」

「へっ?」

大声に驚いたるいは、開いた口を閉じないままにパチパチと瞬きをして、声の主を探した。


「おはようございます!みやぎるーいさんっ♪」

「・・・さ、さき?!」

いるはずのない人間が目の前にいることに恐怖を覚えつつ、布団を身体に巻き付けながら震え始めた。


「お、お前なんでここにいるんだよ!ふ、不法侵入じゃんか!」

「不法侵入?まあ、そうかもですけど、追い出そうとするのはひどいですねぇ、まったく!こんな貴重な機会、逃しちゃってもいいんですか?」

魔法使いになりたいんでしょ?と、いたずらっ子のようにるいにウインクをした。


「は?魔法使い?」

何を言うのかと、目が点になったるいは身体の震えが止まり、改めてゴスロリ姿の後輩である佐々木の姿を見た。佐々木は、口角を上げながらるいを少しずつ追い込んでいった。


「そう、魔法使い。招待される1名様になりたかったんでしょ?妄想捗ってましたよね~」

狐面の男がみていた光っていたモニターをポンと出し、どれだけ妄想がすごかったかをるいに分からせるように見せ、まるで、私が招待しますよ。とでも言うようにるいに語りかけた。


「佐々木、まさか、おまえ、、」

佐々木はうんうんと頷きながら、「連れていって下さい!」と懇願するるいの姿を想像し、次の言葉を待った。


「佐々木も魔法の訓練をやってたんだな!わかるわかる!魔法使いになってみたいよな!炎だしてみたりさ!物を浮かせるとかかっこいいもんな!なんだ、仲間かよーびっくりして損しちゃったよ!あの配信みてたんだな?早く言ってくれよ~」


仲間じゃんー!と肩をパシパシと叩きながら、検討違いの方向に考えを巡らしているるいの手を佐々木が叩き落とした。


「んなわけあるかー!漫才やってるんじゃないんですよ!私があなたを招待するんです!このわ・た・しが!あ・な・たを魔法世界に!」


佐々木は自分自身を指差して、ベッド上に座り込むるいを仁王立ちして上から言い聞かせると、ぽかんと口を開けたるいは混乱しているように言葉が出なかった。


無言の時間が耐えられなかった佐々木は、咳払いをし、るいが聞き慣れている声でこう言った。

「始まりました!!マジックジャーニー!!!」


るいは目を見開き、驚いた表情を浮かべた。それは、るいの推しである狐面の男と同じ声だった。


「信じてくれました?私、魔法が使えるんですよ。」

そういうと可愛いらしい佐々木の風貌から配信をしていた狐面の男へ変化した。

その異様な光景を目の当たりにし、これでもかと目が開きっぱなしのるいは言葉も出なかった。


「長い!長いです!さくっと受け入れて、進めると思ってたのに!もう、さっさと行きますよっ!

時間は有限なんですから!こっちの世界のことは、私が何とかしておくのでご安心ください。」


狐面の男の姿からいつもの佐々木の姿に戻り、パニエが入ったスカートの裾を持って、カーテーシーをした。佐々木はるいの左手を掴み、ベッドから立たせて自分の隣に並ばせると、足元に魔法陣のような模様が浮かび上がった。ようやっと状況を飲み込め始めたるいは、佐々木に迫った。


「え!もう行くの!?このまま!?ちょっと待って!持ち物とか言語とかどうなっt」

声が途切れるとるいの部屋には佐々木だけが残り、るいが消えていた。


「あ、なんか話してたけど、まあ、いっか♪」

ベッドの上の布団の温かみだけが、誰かが存在していたことを証明していた。




急に身体が浮いている感覚に包まれたるいは辺りを見回すと、ぐにゃぐにゃと背景が動いており気持ち悪い空間だった。

「るいさーん!聞こえますかー?」

「さ!ささき!きこえるよ!!!ここどこなの!?」

どこからか佐々木の声が聞こえ、安心したのは秘密だ。佐々木の姿は見えないが、しっかり頭に声が届いており、ひとまずその声に集中することにした。


「今から魔法世界、いわゆる異世界に送りますね~!注意事項、覚えてますか?」


急にきた質問に対して、気が動転しつつも頭の中の記憶を探しだした。

えっと、たしか前の配信で言っていた気がする・・・


「注意事項、えっと、こっちの世界の文明を持っていかないこと!」

「そうです!るいさんが知っていても無闇に口に出したらいけません。いいですか?それに日本とは文化も違いますから、一旦受け入れてその世界の常識や文化を拒否せず慣れていってください。」

本当にその世界のことを知っているような雰囲気で淡々と話す佐々木の声を聞き、るいは徐々に現実味が増していく気がした。


「魔法、使えるんだよね?」

こんな状況にも関わらず、湧き出てきたわくわくを抑えきれず、聞いてしまった。

佐々木は、嬉しそうに笑って優しく囁いた。

「ふふっ、本当に魔法使いになりたいんですね。もちろん、使えますよ。ただ、訓練は続けないといけません。あなたのその力がどのくらい世界に影響を及ぼすのか、大人のるいさんなら判断出来ると思いますよ?」


魔法使えるんだ!死ぬ前に魔法使いになれる!喜びを噛み締めていると風景が変わった。

目の前に大きな満月と目が合い、王城と城下町、広大な森が広がっているのが見えた。


月……?


「そうだ!忘れてました!るいはこの世界で男性名なので「ルイーゼ」と名乗ってくださいね!では、いってらっしゃい!」


プツン、と通信が切れた音がした。


その瞬間、るいの浮いた感覚は無くなり、重力に従い地面に落ちていった。

「うわああああああああああああああああああああ!!!!!」


佐々木は、るいの世界コードを書き換えた。


「私のご飯のお誘いを秒で断ったりしたんだから、このくらい許してくださいね」


佐々木「あ、やば。家族のこと書くの忘れてた・・・・。うん。なるようになる!がんばれ!()()|ー()さん♪」

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