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転生狩  作者: タナカ
1/4

confrontation

宇宙が生まれて間もない頃、神と魔王は数万年間戦っていた。

神と魔王が争った魔神戦争は、神の敗北によって幕を下ろした。だが、滅びを受け入れることなく、神は魔王を打ち倒すため、幾人もの人間を転生させ続けてきた。

 雨が激しく降る夜、俺はコンビニへと向かっていた。

 45歳、フリーター。積み上げるどころか、崩れ続けた人生。

 俺は、そんな自分に嘆いていた。


 そのときだった。

 赤信号を無視して猛スピードで突っ込んできた車が、俺の身体を跳ね飛ばした。


 「……つまらない人生だった……。いや、違う――」


 「思い出した。これは、俺が望んだ人生だった。」


 


 ――目を覚ますと、目の前は闇だった。

 完全な、深い闇。その中心に、ひとつの存在が立っていた。


 神。

 (この時を、どれほど待ったことか……)


 神は穏やかに問いかけてくる。


 「あなたは一度死にました。これまでのあなたの人生を見てきました。もう一度、やり直したいですか?」


 俺は黙って杖を振り上げる。


 「火炎魔法――ストラージ・ギガマンテ!」


 最大火力の火炎魔法が神に直撃する。

 続けざまに、雷、風、重力、あらゆる魔法を解き放つ。


 神はたじろぎながらも結界魔法を張って応戦した。


 「久しぶりだな、神様。」


 「……貴様、ライルか。人間を転生させようと思っていたが、まさかお前とはな。」


 「ああ、その件で迷惑してるんだ。どうせ神の力を授かっても、誰も魔王には勝てやしない。」


 「……今までに何体か魔王は死んでいる。いつかお前を倒す転生者も現れるさ。」


 「だったら――今ここで、お前を殺して終わらせる!」


 空から、光の矢が降り注ぐ。

 詠唱すら省いた、閃光魔法――ライルの得意とする魔法だ。


 「……無意味だ。」


 神はすべてを打ち消し、冷気の奔流を放つ。

 氷魔法がライルを凍てつかせる。


 ひるんだライルに対し、神が次なる魔法を詠唱する。


 「いでよ、我が子たちよ……!」


 次の瞬間、空間が裂け、数体の存在が召喚された。


 見覚えのある顔。懐かしさすら覚える気配。


 「久しぶりだな。――10億年ぶりか。」


 それは、かつて神が創造し、魔神戦争で私と戦った

 天使――クラーナー。

 

「これで、形成逆転だ...」

なぜか魔王ライルが放った一言だ。

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