それぞれの現在地
廻子は帰りの車の中結衣に話しかける
「山部には言わなかったし、山部から説明を受けるまでは言わないでおこうと思ったんだけど、クロノスの信者の中に青色に光る珠を持ってる子がいるんだって。ゴム製のものらしくて、話を聞く限りスーパーボールかなぁ?なんて思ってたんだけど、こっちの赤色の珠の事を考えるとほっとけない事案なのかなぁ?って思ってしまった」
「青ですか、、、なんか意味ありげですね。翔音ばあちゃんは何も言ってなかったと思います。。。もし何か思い出したら伝えますね。」
「そっかーお祖母様はあてにできないかぁ。ごめんね。また負担増やした。。。」
「むしろ教えて頂いて嬉しいです。おばあちゃんの意図は絶対汲みたいので、、、『持ってる子』という事は幼い感じですか?」
「この春に中学を卒業して今は夜間学校に通っているみたい」
「夜間ですか、、」
「元々は孤児らしいよ。北海道だから結衣ちゃん達と出身は同じかもね」
「北海道に何かあるんですかね?」
「どうだろうね。。アイヌ民族とかも無きにしもあらずなのかなぁ?」
「アイヌですかぁ。九瑠璃は沖縄の血も継いでて、純潔では無いはずです。私の家族も転々としてますし、、、」
「そっかー。。後はロシア関連なのかなぁ?」
「それを言うなら、日本人という枠組みのものもありますね」
「そうねー。全然纏まらないわ。山部のおかげで更に混沌としてるわね」
「とりあえず珠がまた戻ってきたので、赤と光に絞って神社巡りしてみます」
「神社巡りかぁ。車有った方が良いなら私が車出すよ。私がスケジュール合わなければ帝都にやらせるし」
「ありがとうございます。できるだけ一人で行ってみます。自分の足が向くのも大事なので」
「分かった。遠慮はしないでね」
「はい。ありがとうございます。」
「結衣ちゃんの最寄り駅までもうすぐだけど、アパートまで送れるよ。」
「九瑠璃に見られたらもし不審に思われたら大変なので、大丈夫です。」
「心配症ね。まぁでも九瑠璃ちゃんの事大事に想ってる気持ちには勝てないわ。じゃあ最寄り駅までにしとく。今日もありがとうね」
「こちらこそです。かねがねお世話になってます」