石について
「早かったね」
山部は興奮気味に声をあげる。二人の真剣な表情をみてもう一度声をかける。
「まずは見てもらった方が早い。研究室に来て欲しい。」
「勿論。その為にきたのよ」
廻子さんは山部について行く。才田さんの軽妙さに覚悟を決め続く結衣。
研究室に入ると凄く整理されている事に驚いてしまう。
才田さんの話からきっと散らかってるイメージだったからである。
才田さんもそう思ったらしく「最近は部屋の掃除を覚えたの?」なんて驚いている。
「散らかしたくてやってる訳じゃないんだ。俺のイメージに合う研究室になっただけだ」
「あーそー。。石の上にも三年ね。銭塚地蔵尊に習ったわけね」未だに才田さんは呆れ顔である。
「そんな事は良いんだよ!資料にまとめといたからまずは二人で見てくれ。ちゃんと二部用意してる。でも持ち出しはやめてもらいたい。本当に貴重な状態なのだよ。今世に出して良いものでは無い」
そう言い赤くそして熱を保った相変わらずの珠と緑色で透明度の有る此方も光っている状態の石を差し出した。
「この石はカンラン石もしくはペリドットと呼ばれて貴重なものでは無いからあげるよ。そして赤い珠も結衣ちゃんに返しておく。科学的根拠は無いが心配だろうしね。もう調べ尽くしたのもあるし」
「まずは資料を見るわね。ちょっと黙ってて」
廻子さんの言葉に結衣と山部は笑い。結衣も資料に目を向ける。
ざっと結衣は読んでもう一度見なおす。
納得がいかないのだ。
まず赤色の表面は何かの血の様なものであり生きている様に表面の硬い膜の下を動いている。
二番目の層は血のようなモノと摩擦している水銀と、筒状の電磁石のようなモノが中心を突き抜けて回転運転。血のようなモノの金属を含む赤血球と見られる物質に引っ張られる形で運動。摩擦のにより水銀が燃えて光っていて血のようなモノがフィルターになって赤く光って見えている可能性が高いという事、そしてその際に紫外線が発生している。
天体ともとれると書いてある。
静電気が電磁石の効果を出しつつ、表面こそ燃えているものの内部はかなり温度が低く超伝導(電気をよく通す状態)になっていると書いてあった。
赤血球らしいものから生物かも知れないと書きつつもだとすると口が分からないと書かれている。
水銀の下の層は筒状の電磁石になっているナノ結晶と左右に翡翠という事らしい。
「何回かこの資料見たけど、科学的のようで科学的じゃ無いじゃない!!」
私いや、、廻子さんへの説明も難しくなるわけである。。。
「まだ一応資料あるんだから見て」
「一応ねー。。まぁ見るしか無いわね」