帰還
留姫空ちゃんはやはり掴みどころがなかった。なぜなら窓に張り付いているのだ。まるで九瑠璃を見る様に私は留姫空ちゃんを見ていた。そのまま東京に着くまで九瑠璃の話を上手くかわしつつ、留姫空ちゃんをただ見ていた。急に妹ができた。しかも複雑過多で実感もあり過ぎ。彼女の為に私は何ができるのだろう。いや彼女が受け取ってくれる事で何ができるのだろう。今寄り添われているのは私のほうな気がする。タコさんのストラップを手で感じながら私達は新幹線を降りていた。
東京だ。唐突に東京だ。こうも毎週この景色に新鮮さを見るとは、、
「結衣!帰るよ!皆んなもありがとう。気をつけてね」ボーっとしていた私に九瑠璃はいつもの様に声をかける。九瑠璃の声で皆んなの顔をもう一度確認して結衣も言葉を使う
「留姫空ちゃん今週末貴重な時間使ってもらってごめんね。山部さんも結城さんもありがとうございました。廻子さんにもよろしくお伝えください。留姫空ちゃん青い珠暫く預かるね。連絡したいことあったらいつでも言ってきてね。また今度は学生らしいことしよう」
「結衣ちゃんありがとう。青い珠はもう私の元へは帰ってこない気がする。それが嫌だって昨日なら思ったかも知れないけど、これも導かれたものだと思うから結衣ちゃんにもっと期待させてね」
「うん。留姫空ちゃんの為にもやれる事はやっていくよ」
「結城と俺は若い子に囲まれて新鮮だったよ。今度はまた廻子の金でバーベキューでもしようね。週末辺りにできたら良いかなぁ?まぁあいつ次第だからちょっと待ってて」