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代行者  作者: ふみ
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本編3

なんだ…この拳は、自分の体から出ているのかそんな事を考えていたら消えてしまった。

「待って!」

これがあればアイツに勝てるかもしれないのに!

倒れていた猫が起き上がりこちらを見る。先程までの楽しそうな顔から一転、敵として認識し真顔で見つめてくる。さっきの拳を警戒してか迂闊には近づいてこない。

「出ろ!もう1回出てくれ!」

身体中に力を入れるが黒い拳ら出てこない。立つ力も残ってない、だからこそあの拳が出ないと本当に殺されてしまう。

猫の残穢がゆっくり近づいてくる、そして尻尾で俺を掴んだ。猿が木から落ちないように尻尾で木の枝を巻くようように。

「猫は…そんなこと、しない…だろ」

そして尻尾ごとビルの壁や地面に叩きつける。視界がぐらぐら揺れ全身に強い衝撃が走る。コンクリートがひび割れ、ビルの壁は音を立てて崩れてゆく。

蛇池さんは「君は人間じゃないよ」なんて言っていたけど普通の人間はコンクリートが破壊されるまで叩きつけられたら死んでしまう。でも俺は何とか意識は保っている。反撃も何も出来ないけど、多分このまま俺が死ぬまで叩き続けるのだろう。痛みすら感じなくなってきた。もう無理かもしれない、猫の残穢は俺を叩きつけることに集中しているようだ。仁王立ちしながら尻尾を扇風機の羽のように回しながら軽快に鳴いている。鬱陶しい蝿を落としたと言わんばかりに。

「私はね猫が好きなの、それなのにこれは冒涜じゃない?」

「お前に与える安らぎは無い、果てろ」

エミリアの声が聞こえる。そしてその後にブチリという音が聞こえ尻尾から解放された。

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