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夢落ち

作者: このび

朝、会社へ向かっている時ふと目に入った店があった。

私はなんとなくその店に足を運んだ。

「なんでも枕」

なんでも好きな夢を見られる枕を売っているらしい。

どうやら一度使ったら使えなくなる使い切りの枕らしい。

ひとつ一万円もするが好奇心に負けた私はその枕を購入していた。

その日は枕の事が気になって仕事に手が付かず、少し落ち込んだ気持ちで家へ帰った。

枕の説明書に軽く目を通して、半信半疑で床へ就く。

その日の夢はとても素晴らしいものだった。

たくさんの女性に囲まれて楽しいひと時を過ごした。

翌日、またあの枕屋へ寄ってひとつ枕を買い会社へ行った。

それから毎日夜が来るのが待ち遠しくて仕方がなかった。

空を飛んだり、手からビームを出したり、子供の頃にしていた妄想がリアルに体現できるのだ。

今日も目が覚め会社へ向かう。

しかしいつもそこにあった枕屋の面影は跡形もなく消えてしまっていた。


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