俺の女神は悪役令嬢?違う、清廉潔白な女神だ!
俺は姉がハマッている、悪役令嬢はバッドエンド回避できない、を読んでから悪役令嬢マリー・クラレンスに一目惚れをした。
畝るサラサラな緑の長い髪と深い緑色の瞳、知的で優雅、でも寂しがり屋で照れ屋、たまにドジな所もドンビシャキュンキュンだ。
『婚約者になりたいなぁ。マリー・クラレンス公爵令嬢…メチャクチャ好きすぎる』
姉から借りた最終巻では、無事に無実は証明されたけど、王家の信頼を無くさないため、無実なマリー・クラレンス公爵令嬢は処刑台の露となる。
『マリリンちゃん!俺なら、俺なら幸せにできるのに!クソクソ!あー…隣国の王太子か愚王太子の弟になれたら!クソが』
俺は夢でもマリリン……マリー・クラレンス公爵令嬢に逢うため、枕の下に本を置き眠りについた。
目が覚めれば、話もできない赤子だったけど、話せるようになり愚王太子より先にマリー・クラレンス公爵令嬢の婚約者になりたかったが………。
『間に合わなかったか。それなら、下準備をしとくか』
俺は、何故か隣国の敵対国王太子の生まれ変わりっていた。
『父上、貴重なお時間いちゃちゃきあいがとーごじゃいまちゅ』
クソ舌が回らない、2歳になったばかりだからか?クソが。
「ザイン、大分話が上手くなってきたな。それで、何用か?」
『敵ちゃいこくバカオータイチのきょんにゃくちゃ…きょ…きょ…』
「……か…」
『?』
「可愛らしいぞ!我が児よ!」
抱き上げられ頬ずりをする、厳つい親父にただただ心を無にする。
「してザイン、用はなんだ?」
『じちゅは………』
俺はすべてを話し、両親は隣国に怒り狂い、着々と準備をし始めた。
時は過ぎ、俺は18歳になりマリー・クラレンス公爵令嬢は16歳になり、処刑場に颯爽と現れた。
『ブリジデント国王陛下、この気高き清廉潔白な少女マリー・クラレンス公爵令嬢の、無実は晴れたのに処刑とはどう言う了見でしょうか!
ならば、私はマリー・クラレンス公爵令嬢を妻とし我が魔導国シャーリングに連れて行く』
マリー・クラレンス公爵令嬢は俺を見上げた。
恋い焦がれた想い続けたマリー・クラレンス公爵令嬢が涙を流していた。
『マリー・クラレンス公爵令嬢、私の妻になり一緒に魔導国シャーリングを見守る国母に…そして私の生涯の恋人に女神になって欲しい』
「わ…私…は…処刑される身」
『構わない。ずっと前からマリー・クラレンス公爵令嬢をお慕いしていた』
「私で…構わないのです…か?」
『マリー・クラレンス公爵令嬢でなければ生きる意味すら無いですから』
優しく微笑めば、マリー・クラレンス公爵令嬢は、ふわりと微笑めば俺の手を握り返してくれた。
数年後、俺とマリーとの間に男児3人女児1人が生まれ、マリーは政治にも意見など言ってくれたり、育児もこなしまさに女神だ。
『マリー、今日も俺の女神は美しいな』
「ま…毎日恥ずかしいです!」
『愛してる』
「わ…私も愛しています」
俺達は末永く幸せに暮らし、マリーを看取った数分後、俺も命を閉じた。
ピピピピピピピピ朝だよピピピピ朝だよピピピピピピ。
けたたましくなる目覚まし時計を止めると、夢だと分かった。
簡単にノベルや漫画みたいに異世界転生などありえない。だけど、例え夢でもマリー・クラレンス公爵令嬢は処刑を免れ、幸せに暮らせたんだから良しとしよう。
読んでいただきありがとうございます。
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