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13話 さすが彼氏だね?



こんなふうにして、二人きりの時間を過ごし、昼休みの終わる少し前に、別々の道から教室へと戻った俺たちだったが……


「どこでなにやってたんだ、細川。みんなでメシ食ってたのによー」


後から教室へ入った美夜が、こんなふうに赤松に絡まれているのを、俺は自席から見てしまった。


いつもみたく隠れておけばよかったのかもしれないが、あの面倒くさい、下心がスケスケのダル絡みを生み出してしまった原因の一端は、少なくとも俺だ。


だって、美夜と昼休みを二人で過ごしたのは、間違いなく俺なのだから。


完全に放ってはおけずに、ちらちらとその様子をうかがう。


「どこでなにしてても関係ないでしょー。まあちょっと図書館に行きたい気分だったの」

「でも、菓子パン持って行ってたくね? どっかで誰かとメシでも食ってたん?」


うわぁ、とはたから見ていても、哀れな気持ちが湧いてきてしまう。


この、『まぁ興味ないけど?』みたいな素振りをして、ねちっこく探りを入れてくる感じ。赤松がお調子者、かつ陽キャみたいに振る舞っても、モテない理由の最たるものに違いなかった。


その姿が、さすがに痛い。見てるだけで、全身がかゆくなってくる……!


頑張って笑顔を作っていた美夜も、その唇は少し引きつっていた。


「ううん、一人一人。めっちゃ一人だよ~、道中で食べながら行ったの」


どうやら、みんなが空気を読んだらしい。

この言葉に、取り巻きの女子たちの一人が「お行儀悪い、ウケる~」とかツッコミを入れて、そこから一応、不穏になりかけた空気は元へと戻っていく。


が、赤松という男は、とことん空気が読めないらしい。読む気がないのかもしれない。


「絶対してねぇだろ、そんなこと。誰かとメシ? 女?」


などと、さらに追及を続けようとしてしまう。


……なんて残念な奴なんだ、この男。

地味で無口で、誰ともまともに交流を持たない青春を送っている、陰気な俺が思ってしまうのだから、間違いない。


「えっと……」


そのしつこさのあまりか、さすがの美夜も気圧されていたところで、見るに堪えなくなった。


席を立った俺は、おもむろに彼らの元まで行くと、


「細川さん。パン食べながら歩くな、って先生が注意してたぞ」


いかにも事務連絡的に、いっさいの愛想なく告げて、再び自席へと戻る。



周りのメンツは、しばらくポカンとした様子だった。


それはたぶん、俺のような普段声帯があるのかないのかすら怪しまれているような人間が、授業以外で口を聞いたからだろう。


だが、そんな俺が言うからこそ、嘘だとは誰も思わない。

俺と彼らは、そんなしょうもない嘘をついて、笑いあうような仲でもないからだ。


当の迷惑男、赤松もしばらく目を白黒とさせたあと、


「……す、すまん。どうやら、本当に食べながら歩いてたんだな、謝るわ」


こう言って詫びを入れる。

あとは、美夜が笑って「全然いいよ。パン食べながら校内を徘徊なんて信じてもらえなくても当たり前だし」と流せば、今度こそ話にはまとまりがついていた。


俺は、ほっと胸をなでおろす。


しばらくののち五限が始まってから、またしてもスマホに通知があった。


『ありがと、さすが彼氏だね。大幅ポイントアップだよ』と。


……一応、彼氏ではあるが、あくまでビジネス上の話だけどな? 


そうは思えど、返信はしなかった。

迂闊に返信して、さすがに一日二回もスマホを取り上げられるのは勘弁だ。


『今一回見たのに無視したでしょ、ポイントダウンだよ、大幅だよ~』


……なにが送られてこようと返信しないぞ、俺は。


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