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このアホ天使に天罰を

 異世界転生……なんと素晴らしい響きだ。

 高校でハーレムを作ろう、なんてことを考えていたほど、俺はハーレム物のアニメ、ラノベが大好きで、勉強の休憩がてらによく見ていたものだ。

 その異世界にいける。

 多少ハプニングはあったが、特典付きでの異世界行きならば、その特典とやらで、俺TEEEをして巨乳なエルフや、かわいいキャットピープルとかに好意を向けられてしまうのでは?

 こんなの心躍らないわけがない、楽しみで今からもう期待に胸を膨らませている自分がいる。


「よし、人間準備が出来たぞ」


 アンヘルがそういって、魔法陣らしきものを書き終えていた。


「あとは、特典だが……そうだなぁ~、このリストの中から何か一つ選びなさい」


 そういって、アンヘルが何枚か紙を手渡してくる。

 俺はうきうきしながらその紙を受け取って、そして特典のリストに目を通して……笑顔が消えた。


「なぁ、アンヘル」

「女神様だ!  ちゃんと女神様とつけなさい! まったくこれだから人間は、目上の者に対する礼儀がなっていな、っていだいいだい! 何するのよ! 女神の羽を引っ張るなんて頭いかれてんじゃないの!」

「うるさい! このアホ女神代理! 何なんだ! このそこはかとなく使えない能力や装備のリストは!」

「つ、使えないとは失敬な! 女神である私の権限で与えることのできる最強の特典だぞ!」

「ほう、ならこのリストの一番上からちょっと声に出して読んでみてくれよ」


 俺はそういって、自分を女神と呼称するアホ天使にリストを見せつける。


「分かったわよ! まったくもう、女神の慈悲をこんな形で返されるなんて、本当に失礼な人間だ!」

「いいから読めコラ!」

「ひぃぃぃ、ご、ごめんなさい! ごめんさい! 読む! 読むから、もう胸は揉まないで、手をわしわししながらこっちに来ないで!」


 俺にガチビビりするアホ天使は、涙目でリストを読み始めた。


「能力、アウトドアムーブ・外にいる時に超人的な力を得ることができる。と、とても便利な力だと思うけどな!」

「続きを読め、揉むぞ」

「ごめんんさいごめんんさい! ただし日の当たらない場所に三分以上いると、死んでしまう」

「どうい事だ! 訳が分からない、そんな能力を持って転生したら最後、一生野宿暮らしじゃねーかよ」

「で、でも~趣味がアウトドアの人なら苦にはならないよね?」

「どんなにアウトドア好きの奴でも休むときぐらいは屋根のある部屋で寝たいわボケ天使!」

「天使じゃっ! ひぃ! すみませんなんでもないです! 続き読むからこっちに来ないで!」


 俺に反論しようとしてる、ボケ天使に手をわしわしさせながら近づくと、ビビッてリストの続きを読みだす。


「武器、封印剣キラーソード・切れ味は抜群、その切れ味が落ちることはなく、所有者に確かな勝利を確信させる」


 アンヘルが恐る恐る俺の方を見てくるので、手をわしわしとさせる。


「し、しかし! そもそも封印が解かれていないので、まずは封印方法を模索して剣を開放する必要がある。神器にも値する代物のため、封印を開放するために旅をしていると自然と強くなり、キラーソードの封印を開放できる頃には持ち主も最強の剣士になっているであろう……え、えへへ」

「何笑ってやがるんだ、揉みしだくぞ」

「すみませんすみませんすみません」


 アンヘルが俺にへこへことするのを、呆れた目で見ているグリム。


「ア、アンヘル様……そのリストってアンヘル様が人間界をのぞき見していた時に思い着ききで作ってたおもちゃですよね……確かにもし転生の機会があれば、未練たらたらな人にそのおもちゃを与えて異世界転生させ後、その性能に引けを取らないほどのデメリットで苦しむ様子を見て楽しむんだーって言ってたヤツですよね」


 俺は、無言でアンヘルの方へと走って行く。


「グ、グリムの裏切り者! いやぁあああ! こないでぇええ! 天罰! 天罰を与えるわよ! 私は女神なんだか、ぎゃあああああ」


 俺はアンヘルの胸をまた揉みしだき、今度はアンヘルがグリムに助けを求めても、グリムは聞かなかった振りをして、アンヘルを無視していた。


もしもくすっと笑えたら、良いねとブックマーク、評価などもよろしくお願いします。

読んでいただきありがとうございました。

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