父子の初対面
双子山公園
ぐぅーー~。。。
ぎゅるうー。
双子『お腹減った!!』
母の『パパ宇宙人』暴露の後、直ぐに母はバイトに行ってしまったので詳細が聞けず、気になりまくった2人は全く何も食べられなかったのです。
初雪『柊司~?最後にゴハン食べたのいつ?』
柊司『10時頃。まかない食べたきり。あそこのスーパーのポテサラ買い食いしようと思ってたから食べ損ねた。』
初雪『あぁ、あれ美味しいもんね。私はカフェでクレープ食べたからまだマシかぁ。』
双子『。。。』
初雪『宇宙人てなんだろうね。』
柊司『本当に宇宙人だったりして。UFOの町だし。』
初雪『宇宙人が本当に居るならあり得る話だよねー。マミィ変わってるし。こんな時間にこんな所で待ち合わせってゆーのも変だよね?』『UFOってやっぱ円盤なのかなー?』
柊司はUFOよりも父の姿が気になる様です。
いわゆるグレイ形なのかタコ形なのか。。。
双子山公園は遊具もなくUFOの形をした街灯と木製のベンチがあるだけの自然公園、夜に眺めるものは夜空くらいなので2人は自然と空を見上げています。
30年ほど前はこの辺りにも蛍がいたらしいのですが、今は姿を消してしまいました。
小さな東屋もいくつかあって、意外とデートスポットだったりもしますw
『今日はアベックがいなくて良かったね?』
初雪が小声で言いました。
※空家では、日中見かける恋人達をカップル。夜に見かける恋人達をアベックと呼んでいます。
アベックの方が大人な響きだからだそうです。
柊司『なんで急に小ごe。。。』
少し離れた東屋で寝ていたらしいおじさんが伸びをしています。
0時まであと2分!
これはマズイ!?((( ;゜Д゜)))
と思った瞬間に、初雪さん、おじさんの後ろに居る!!
初雪さん、実は足がめちゃくちゃ早いんです。
『おじさま!ごめんなさいっっっ!!』
テレビとかでよく見るヤツ。あれ、手刀?で首をトッ!てやるヤツでおじさんを落とす初雪。
『あれぇ?意外と出来るものなのね???』
それ危ないからやっちゃダメなやつ。
そしてそんな上手く行くわけ無いんじゃ。。。
0:00
ギリギリセーフだった様です。
うっすら空が光りはじめると、雲を掻き分けながら何となく眼球のような物体が顔を覗かせます。
規則的に、模様のように血走った眼球の様なそれの回りには、小さな発光体がいくつか浮遊していて眼下を照らしている様にも見えます。
柊司『マジか。。。 本当に来たの?』
初雪『思ってたのと違う。なんか、ちょっと気持ち悪いかも。。。』
この時点で柊司さんは、父は人形ではないだろうと諦めた様子です。
眼球の黒目にあたる所が真っ黒な闇に染まるとフワァっと柔らかい煙のような淡い光と共に人形がゆっくりと降りてきました。
確かに不思議な体験をしているハズなのに、双子に恐怖や不安はありませんでした。
非常に現実的であり、夢を見ている感じでもなくて、でも目を離せなくて。。。。
と、宇宙人さん?が2人に気付いた様です!
顔ほどの高さに手を上げると薄ら笑いくらいの笑顔で話しかけてきました。
『やぁ。パパだよ☆』
その瞬間、双子は背筋が凍るとはこの事か!!と人生最大のの恐怖を覚えたそうです。