9.兄様との朝
庭に出ると既に兄様は待っていた。
「やぁ、おはようレイラ。」
「おはようございます兄様!」
ぶっちゃけるとこうやって朝の挨拶もあまりしていなかった気がする。これからは毎日しよう。
「じゃあ勉強しに行くんだけど……」
と、兄はそこで言葉を濁した。
「どうしました?」
「いや、やっぱりレイラは来ない方がいいんじゃないかなと思ってさ……」
「なんでですか!?」
ここに来てまさかの拒否発言!?
「だって、これから従魔を観察しようと思ってるけれどレイラはさ……まだ怖いかなと思って。」
怖い……?何かあったんだっけ?
「え?忘れてるわけないよね?レイラがこの前怪我した時のこと。」
「あっ……」
そういえば……いや、もちろん覚えてましたよ。ええ、忘れるわけないじゃないですかヤダナー。
「やっぱり頭を強く打ってたのかな。もう一度医師に診てもらった方がいいんじゃない?」
おいこら兄様、どういうことだ。それはどんな意味で言ってるんだ。心配してるの?それとも…場合によっては怒るぞコンチクショウ。
「冗談だよ。それでどうする?」
どうするって別に怖いとも感じないしなぁ。
「怖くないので兄様と一緒に行きます。」
「怖くないってそれはそれで危機感に問題があると思うけど…じゃあ行こうか、はい。」
そうすると兄様は右手を差し出した。
「当たり前でしょ?話は聞いてるから。注意もきかないような子を野放しにしておいたらいつどうなるか分かったもんじゃないからね。うん、その辺りもしっかり勉強しようか。」
なんか兄様が爽やかな笑みを浮かべている。なんか怖いんですが。というか兄様何歳なの?精神年齢19歳のはずなのに何も反論できないんですが。いや、あの、すいませんでした。
とりあえず従魔のところへレッツゴー!!
今回もメリルが一緒にいてくれるそうです。私達が一緒にいるのを見て驚いた顔をしていました。本当に家族問題は大きいなぁと実感したのでした。