3.我が家の現状
夕飯となりリビングへ向かう。貴族なので豪邸ではあるが、とても落ち着く雰囲気の内装をしており、成金趣味は一切感じられない。主人である父のセンスがいいのだろうか。
リビングでは四角のテーブルに夕飯が置いてあり、それがまた豪華だった。
……これが私の前世だったら食べるのにはかなりの勇気がいるだろう。
椅子には母が既に座っていた。
「レイラ、体は休まった?」
「うん、もう大丈夫。」
「それなら良かった。さ、食べましょう。ライルも座って。」
そして本を立って読んでいた私の兄、ライル・クリスタルは最低限の返事をして席に座った。
「お父さんは今日も仕事で忙しくて……ごめんなさいね。みんなで食べられたら良かったのだけれど…」
「別に母様が謝ることじゃない。」
早くしないと冷めるよ、と兄は続けて私達は食べ始めたのだった。
それから大体食べ終わって母様が話しだす。
「お父さん、きっと明日は帰ってこれるから…」
「別にいいよ。ごちそうさま。…じゃあ僕、本の続きを読むから。」
そう言い兄はそそくさと自分の部屋へと戻っていってしまった。
……なんか冷めた家庭みたいになってるな。あまりよろしい雰囲気ではなさそうだ。
私もごちそうさまと言い食休みをしてから母様とお風呂に入り、自分の部屋へと戻る。
「明日はレイラも忙しくなるでしょうから早く寝るのよ。」
「は〜い、おやすみなさい母様。」
「おやすみなさい、レイラ。」
ベッドに潜る。忙しくなるって明日なんかあるんだっけと考える前に急速に眠りに落ちたのだった。