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21.仕事見学勧誘

「成る程。これでも起きないか。ならば……こうだ!!」



「ぐふぅぅぅ!??」



突然の腹部へ起きた痛みにより意識が一気に覚醒した。どうやらクラウが腹へ突撃してきたらしい。



「クラウ!?女の子にそんな乱暴な起こし方をするのは良くないとおもうな?」


「うるさい!!優しく起こそうとした我の善意を踏みにじって寝こけているのが悪いのだろう!!次からも起きなければこれで起こすからな!!!」



一家に一台クラウの突撃小ドラゴン型目覚まし。時間のオートセット(強制)機能付き。いかがでしょうか。



いや、続けられたら寿命が縮むことになるわ。体に悪い目覚まし時計だな。



私は明日から自分の目覚ましで起きれるよう心掛けることを心に決めた。



「そういえば昨日の夢…」


「レイラ!!これ以上遅れたら間に合わないぞ!!」


「分かったー!すぐ支度するねー!」



ぼんやりと覚えている夢の記憶。



………



ま、考えても分からないし、分からないなら考えても仕方ないよね!



さて、今日も父様のお見送りからするとしますか!









玄関にて



父様は身だしなみをキチンとして石畳みに立つ。

またいってらっしゃいをして父を見送った時、フィズから私と母様に相談が持ち込まれた。



「奥様、お嬢様は今日、何か予定が入ってますか?」


「え?特に無かったはずよ。」


「そうですか、ではお嬢様。俺と一緒に主人…父様の仕事場へ来てみませんか?」



仕事場?父様の?それはこちらとしてはかなり都合が良い。一度どんなものか見てみたかった。でも何故?



「昨日、主人はお嬢様のお見送りのお陰かいつもと段違いの速さで仕事をこなしていたんですよね。なのでまぁ…その…主人も最近疲れているみたいなので…」



癒し担当になって父のやる気を出させるってこと?大丈夫かな?中身の問題で可愛げが無くなる可能性があるんだけど。



「仕事中はお菓子とか出して、休憩時間には城の探検を(主人が)するので飽きないとは思うんです。どうかこの通り、来ていただけませんかね?」



フィズが私に頭を下げてきた。



「どうする?レイラ。」



どうするって、こっちからいずれ頼むかもしれなかったし是非行かせていただきますよ。



でもですね、



「1ついい?フィズ。」


「なんでもどうぞ。」


「兄様と一緒に行くけどそれでもいい?」


「?別に構いませんけど…むしろ主人は喜びそうですし。」


「ちょっとレイラ!なに勝手に決めてるのさ!」



廊下の曲がり角から兄様が飛び出してきた。やっぱり聞いてたんだね。



「兄様も父様のことをもっとよく知れますよ?それに私、兄様と一緒にお城に行ってみたいです!」


「…まぁ、レイラがそう言うなら仕方ないかな。いいよ、一緒に行くよ。」


「ありがとうございます。では行きましょうか。」



その時にフィズがお二人ってこんな仲良かったっけ、と呟いたのは聞こえなかった。



私たちは母様にいってきますをして家を出て、近くに停めてあった馬車に乗り込む。



馬車なんて初めて乗るなぁ…



フィズにエスコートされて馬車に乗ると父と目が合った。表情の変化が分かりにくいが、多分驚いた顔をしている。



「…何故来た…?」


「来ちゃ悪かった?降りようかレイラ。」



兄様2秒でリターン宣言。いやいや、落ち着いて下さい。多分そういう意味で言ったんじゃないとおもうんですよ。っていうか父様も不器用過ぎでしょ!私も一瞬邪魔になるって言われてるように感じたよ。



「いや、別に悪くはない…のだが…」


「あなたの為に来てくれたんですよ。本当、主人は言葉の選び方が下手というか…すみませんね、坊ちゃん。」


「別にフィズが謝る必要は無いし、僕はレイラの為に仕方なく来てるだけだから。」



なんだか今日もかなり濃い一日になりそうな予感がしてならない私でした。



…クラウ、人のことを起こしといて自分は人の服の中で寝るんだね。別にいいけどさ。



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