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15.クラウ居住作戦会議



「な…お前!オスだと思っていながら可愛いなどと言っていたのか!!」


「いや、そういう訳じゃないんだけど…その、口調とかでね?男らしかったというか…」


「なら何故可愛いなどと…まぁいい。我は別にここにいて構わないが、レイラには家族がいるだろう?我のことはどうするんだ?」


「普通に母様に報告して、兄様とも話して…」

「兄とはあの小さい男のことか!?あいつはダメだ!我の正体がバレる!!それに…」


「それに?」


「あの男…魔獣を見る目がおかしい。実験でもされそうだ。」



「あー」



兄様、魔獣に目がないからねー。でも大切にする人だから実験はしない……と思う。しないよね?



「でもこのまま隠しててもバレるのがテンプレだしなぁ…」


「てんぷれ?」


「いや、なんでもない」


「まぁ、契約の所有権を奪うことは原則できないというのはあるが…」



いわゆる他人のポケ○ンは奪えないみたいなものか。契約に詳しくないから分からんけども。



「そ正体がバレればここには居られなくなるぞ……」


「クラウもしかしてなんかヤバイことしたの?とまぁそれは置いといて。今すっごく良い方法思いついちゃった」


「なんだ?言ってみろ」


「それはズバリッ!変装っだっ!!」


推理ドラマの名シーンばりのポーズをとって提案を話す。しかしクラウの反応は薄く、首を傾げただけだった。


「変装?」


「そう!別の魔獣と勘違いするようにすれば良いの!!」


「…なるほど。いかにもレイラらしいな」




「でしょ!?私が兄様にもバレない完璧な変装をさせてあげるから!」


「褒めたわけではないのだがな」


「じゃあちょっと材料持ってくるね!」



そう言い終えるとレイラは部屋を飛び出していった。



「待っ……本当に大丈夫か?…ああ、そういえば一つ言い忘れたことがあったな。」




「レイラの兄とめいど?だったか、とてつもなく恐ろしい顔で倒れたお前を見ていたぞ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「目指すは魔獣牧場。急がなきゃ!」


「レイラ?起きたのかい?」



そこには兄様が立っていた。



「あ、兄様……ヒェッ!?」



兄様の表情は見たこともないくらいの笑顔だ。…しかし冷気さえも感じるような空気を漂わせ、目がまったく笑っていない。



「ちょっと目を離した隙に何処かへ行って、気づいたら気を失って倒れていたのにもう元気に走り回っててねぇ…いやー、元気でなによりだよ。」


だれか助け…あっ、メリル!こっちこっち!ヘルプミー!!


「あら、お嬢様。お目覚めになられたのですね。良かった。血塗れの傷だらけで倒れているお嬢様を見た時にはそれはもう、私、生きた心地がしませんでした」



あ…あれ?もしかしてメリルも怒っていらっしゃる?



「さて、そんなに元気になったなら僕の部屋に来て二人で話し合いをしようか。いつ、どこで、なにをしていたのかちゃんと説明してくれないとね。」



いつ、どこで、なにをしていたのか。英語の基本ですね!わかってますよ。なので一旦冷気を抑えて下さいお願いします。




「いや、これは…その、違うんです。ちょっと話を…」


「うん、いくらでも聞いてあげる。ただ僕からもちょっとお話があるからね。」


「ライル様、私も同行させて頂けませんでしょうか?私からも少々お嬢様にお話したいことが…」


それなんて説教?どれだけかかるの?ちょっと行きたい場所があるので離してもらっても……イエ、ナンデモアリマセンオハナシヲシマス。



9歳の迫力にちょっと泣きそうになった精神年齢19歳の私はそのまま引きずられて部屋まで連れていかれ正座で延々と自らの失態について聞かされました。クラウについてを伏せて話すのも大変だった。


そしてようやく終わったと思ったらまさかの普段温厚なお母様に泣きつかれてしまい、謝罪をしたりまたお説教をされたりでこれまた大変だった。


全てが終わり、立ち上がろうとした時にはずっと正座だった私の足は既に限界を迎えていた。



あ…足がああぁぁぁぁ!!



兄様たちを怒らせることは絶対にしないように誓った私だった。



部屋に戻ってきた時にクラウに話したらこう言われた。



「いや、誰でも大切な者が血塗れで倒れていたら心配するのではないのか?そう言われても仕方ないだろう」



「仰る通りです…」



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