14.人生最大の驚き
目が覚めたら私の部屋の天井だった。…何か既視感を感じたが、数日前もこんな状態だったかな。そういえば何してたんだっけ…
…ハッそうだ!クラウは!?
「ここにいるぞ。」
布団の中に掌サイズの黄色のドラゴンが姿を現した。
「クラウ!!無事で良かった〜。」
「それはこっちのセリフだ!!自分がどんな状況だったか分かっているのか!」
「私…?確か…目の前が真っ暗になって倒れたんだっけ?」
「そうだ!出血し過ぎでな!最悪死ぬ所だったんだぞ!」
そっか、あの時何回か狼にぶっ叩かれてたからか。もう途中から痛みが分からなくなってたなぁ。
今考えると、恐ろしい。
「クラウがどうにかしてくれたの?というかなんでここに?」
「我がレイラの力を借りて傷を塞いだのだ!その後森の外まで運んだら小さい人間の男と若い女の二人が居て、隠れようとしたがお前を探しているようだったのでな、お前をここまで運んだのは女だ。我は気付かれないようにレイラの服に入ってここまで来たのだ。」
小さい男は兄様で、女はメリルかな?やっぱ探してたのか。迷惑かけちゃったな。
「なるほど。また助けられちゃったね。ありがとうクラウ。でもなんで隠れたの?普通に兄様にも話しかければ良かったんじゃないの?」
「そんなことしたら我が襲ったようにしか見えんだろうが!!…それに訳あって人間には極力存在を知られたくないのだ。」
なるほどとレイラは納得して頷いた。たしかにあの見た目のドラゴンが傷だらけの私の近くにいたら勘違いするだろうな。
「ん?でも今の姿なら大丈夫じゃない?というかソレどうしたの?」
「この姿か。これは幼体化の反動のようなものだ。傷の治りが早くなるかわりに力がほとんどなくなるのだ。」
「そもそもクラウはなんであんな所に傷だらけでいたの?」
「それはだな、我は少し前にこの国の近くに来たのだがどうやら人間に勘違いをされたらしくてな。突如強大な力を持った人間に襲われ捕まってしまってな。その檻をぬけ、負った傷を癒すために幼体化しあの森に逃げ込んだのだ。」
「えぇ、それは災難だったね…」
「あぁ、しかし我のことをみたらとり乱すのま無理はないだろうがな」
「そっかぁ。で、この後クラウはどうするの?怪我は大丈夫で動けるんでしょ?帰る場所があるなら引き留めないけど。」
「お…お前…我がこの後出て行くとでも思っていたのか?契約までしておいて!!」
「だって最近ここにきたっていってたから…ごめん。…じゃあ一緒にいてくれるの?」
「当然だ!!それに我が守ってやらないとお前はすぐに死んでしまいそうだからな!!あっ、勘違いはするなよ!別に他に行く当てが無いとか、そんなことは決してないからな!ただお前がしんぱ…契約に従っていてやるだけなんだからな!!」
これはいわゆるツンデレというやつなのか……?
女の子ではなくちっちゃい動物が顔を赤くして口論している構図だが。これはこれで可愛い。あっ、そういえば
「クラウって、性別どっち?そもそも魔獣にあるよね?」
口調からして男というかオスだとは思うのだけど…
「?何を言っている?メスに決まっているだろう。お前も可愛いなどと言っておっただろう」
「マジで?」




