10.魔獣牧場
牧場のような見た目の建物がある場所に着いた。ここに従魔がいるのかな?
「おお、ライル坊ちゃん!よく来たな!今日はお嬢様も一緒か?珍しい。」
気さくそうな雰囲気のガタイがいいおじさんがこちらへ向けて手を振ってくる。ここの牧場主だろうか。
「レイラ、彼がここの管理人のモタだよ。調子はどうだいモタ?」
「お陰様で魔獣達共々元気ですぜ。今日も観察に来たんですかい?」
「ああ、それと触れ合えるようなおとなしい魔獣はいるかい?」
「そうだなぁ、ホーンラビットとかか?」
「ホーンラビットかぁ…まだちょっと危険かな。出来るだけ敵意の無い魔獣を探しておいてくれないかい?」
「了解しましたよ。」
そうしてモタさんが離れていった。
「さて、じゃあ魔獣が用意できるまで勉強していようか。レイラは魔獣と魔物の二種類がいるのは知ってる?」
詳しくは知らないが二種類いるのは知っていた。
「そうか、じゃあ二つの違いから説明していこうか。簡単に言えば知能があるかないかなんだよね。魔獣は感情があって考えることも出来る。人の言葉を喋る魔獣がいるとまで言われているしね。けれど魔物の場合はこの世界にある瘴気と呼ばれる負のエネルギーが魔獣を真似して形作った存在なんだ。これらは形こそ魔獣と同じ、習性も似ているけれど痛いと感じたりすることも無いんだ。瘴気が形作っているけれどその肉体は残るらしく、食べることが出来る魔物もいるんだけどこの事についてはまだ研究途中で……」
兄が家にいた時と別人のように喋りまくる。ちなみにゲームでの彼は完璧なる魔獣オタクであり、彼の場所に行けば大体の魔獣、魔物の情報が手に入る。割と私もお世話になった。
「ていうことなんだけど。……そろそろ魔獣を見に行こうか。」
「まずはサンダーバード。電山に生息する魔獣で羽から電気を飛ばせるんだ。あまり強くはないけれど痛いから近づかないようにね。」
「お嬢様、近づかないようにして下さいね。」
二人に言われた。人は一度の失敗でここまで信頼を落とすのか…
ちなみに私は二人に手を繋がれています。逃がさないという意思の表れでしょうか。別に逃げないけれど。
「次はスノータイガー。雪山に主に生息していて、牙と爪が溶けない氷で出来ているんだ。かなり珍しい魔獣の種類だよ。」
「溶けない氷とはどのようなものなのでしょう?」
「そうだね、氷とは思えない硬さをしていて炎に当たっても決して溶けなかったんだ。実験結果ではレベル3の火魔法にも耐えたとあるよ。岩をも砕くその硬さからダイアモンドの代用品にもなると言われたりもして……」
メリルが兄様のスイッチを押してしまった。しかし意外にもメリルも楽しそうに会話していた。え、ついていけないの私だけ?
仕方ないので辺りを見回しながら歩いてみる。みんな可愛くて、危険そうな魔物には見えない。人懐っこそうな子も沢山いる。
『………グ………………アアァ………』
…?魔獣の声?なんだか辛そうな呻き声が聞こえた気がした。
「あっちの森の方かな?」
声が聞こえた森に私は走って入っていった。
進みが遅い…投稿ペースも遅い……!
書きたいことが上手くまとまらないのです。
気長にお待ち頂けたら五体投地するくらい嬉しいです。




