1.幼き私
初描き小説というのもあって最初の2話が物凄く短くなってしまっています。すみません。3〜11も短めです。
12話から長めになるので、気に入りましたらどうぞよろしくお願いします!
幼い私は純粋な疑問を口にする。
「ねぇフリアン!あれはなに?」
「あれは旦那様…お父様の従魔ですよ。」
そう答えるメイドのフリアン。
「じゅうま?」
「従魔というのはお父様のことを守ってくれる魔獣のことですよ。」
「すごい!わたしもなかよくする!」
「ですが主人以外には凶暴で……お嬢様!?離れてください!!」
「うぇ?」
その直後、狼のような生物から繰り出された鉤爪をフリアンが私を庇って受け、突き飛ばされた私は地面に頭を叩きつけて意識を失った。暗い意識の中、映像にも似たものが光となって映っていく…
いや、思い出していくと言うのが正しいか。
お父さんにお母さん、学校、病院、勉強や生活のこと。好きだったゲーム。本。遊び。楽しかった会話。とても鮮明に思い出し初めた。そして光に私が溶けていくような心地になり……
「はっ!」
目を覚ましたのは見慣れている、けれど違和感のあるベッドの上。ここは間違いなく私の部屋だ。
「レイラ!良かった…目を覚ましたみたいね!」
「母様…」
目の前の椅子に座って心から安堵しているのは穏やかそうな目つきに緩いウェーブのかかった茶色の髪。コリル・クリスタル。私の母親だ。
「どこも怪我してない?痛いところは?」
特に怪我も痛いところもないので大丈夫だと答える。
「そう、それなら良かった。」
前の私の母も心配性だったなぁ…
前の?今の?何のことだ?
理解が追いつかない。私は誰なんだ?
…だめだ。頭が痛くなってくる。
「レイラ?どうしたの?」
「ちょっと…疲れちゃって…」
「それなら休んでていいわよ。ご飯になったらまた呼びにくるわね。」
「うん。ありがとう。」
そうして母様は出ていき、部屋に私一人となった。
とりあえず状況を整理しないと…