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地下室ダンジョン~貧乏兄妹は娯楽を求めて最強へ~  作者: 錆び匙
2章 貧乏兄妹は資金を求めて東京へ
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40.その後のダンジョン社会

 木崎兄妹がダンジョンから帰った直後、兄妹が地面に突き刺した剣は無事に発見された。

 ただ、そこに来たのは逃げた人から話を聞いた高等探索隊の索敵、隠密要員。技能は罠と狩人であるため、当然のごとく強度は高くない。


 当然のごとく剣は抜くことができなかった。それならば抜ける人を呼んでくればいいという話で、勇者御一行を再び呼ぶことになった。


 ただ、勇者御一行は今日のうちに行き帰りの転移をしてしまったうえに、ガン・セーンとの戦闘で消耗しきっているとのこと。剣を抜くのは次の日となった。しかし、ダンジョンの中に刺さっているとはいえ、剣もドロップアイテムである。アイテムであるということは誰も見ていないところで放置すれば消えてしまうのだ。

 最初、剣を見つけた高等探索隊の2人は、1人が勇者御一行を呼びに地上に戻り、もう1人が眠気に耐えながら剣の傍で待機するということになったのだった。

 度々危険ではない程度のモンスターが襲ってくるため心も休まらず、勇樹の手によって剣が抜かれたとき。その人は疲れ切っていた。


 後に色々と調べたところ、剣の強さから考えて、この階層に落ちているのは明らかに可笑しいことや、その剣がガン・セーンの持っていた剣に似ていることから、その剣はガン・セーンのドロップ品であると判断された。

 勇者御一行を追い詰めるのに最後の力を使い、勇者御一行に逃げられた後、探し回る途中で体力が底を突き、剣を地面に突き刺して死んでいったのではという考えが有力だ。その状態で運よく剣がドロップとして残ったと。

 ちなみに勇者御一行の回復技能が偶然手に入れた杖は、ダンジョンの奇跡と言われ、そのまま使われているらしい。


 そして、そんな勇者御一行は無事ガン・セーンを討ち取ったということで扱われ、日本中の探索者の注目を再度集めることとなった。

 その情報はネットを通して日本中の探索者に異常な速さで伝わっていった。

 なんでも、ある個人が開いた探索者向け掲示板サイトが賑わっていたらしく、その掲示板サイトが探索者の情報交換の場となっていたらしい。

 今ではとある大企業に吸収され、より充実した機能を増やしている。


 有名になれば当然のような流れで、その掲示板サイトでは名のある探索者に二つ名を付けようなんて話が広がっていった。

 名のある探索者といえば出てくるのが、圧倒的な力を持つ勇者御一行。


 リーダーこと勇樹は圧倒的戦闘力と正義感を持つ青年ということから『勇者』と。

 勇者御一行の盾技能の剛太が、鉄壁の守りから『要塞』。

 勇者御一行の魔法技能の有栖は、威力だけなら勇樹と同等の炎を使うことから『炎魔導士』

 そして勇者御一行の回復技能である梨沙。ガン・セーン戦で見事勇者御一行を逃がすことに成功したことや、その魔法の回復力から『聖女』と呼ばれた。


 その他にも最初の20人やその他の強い一般探索者にも二つ名が付けられ、これにより探索者の縦のつながりがより増えることとなった。


 そして、探索者同士の縦のつながりが広がるということは、その分だけ探索者の練度も上がるということであり、それにより市場が賑わいを見せていくのだ。

 他にも最近ではダンジョンのアイテムの買い取り額が少しずつ上昇を見せている。

 探索者がダンジョンで入手してくるアイテムの強さが上がったことや、素質スキルを見るための機械が東京に置かれたことでホブゴブリンを倒していないのに素質スキルを使うことができる人が増えたのも影響した。

 工作や服飾などといった生産系の素質スキルを持った人がダンジョンのアイテムを加工することで、ダンジョン内で強度や切れ味に補正が掛かる武器や防具が作れる人が現れたのだ。


 それによりダンジョン探索者の中でも強い人の収入はかなり高く、実力があるのなら儲かる仕事として、探索者を目指す子供が出てくるほどまでにダンジョンはあっという間に社会に浸透していった。


 その後も勇者御一行が新しく手に入った武器を使い、人化牛を倒したり、かなり前に人化牛の討伐を終えているらしいアメリカとの情報交換が増えたことなどと。変わった点を挙げていけば限が無い。

 それでも分かることは。

 思いのほか一般人の生活は変わっていないのだ。


 だからこそ、木崎冬佳が腕の骨に罅を作り、完治するまでの2ヶ月。

 順調に社会は進んでいくのである。


 そんな中、アメリカから1つの情報が届けられたことで、日本は騒然となるのだが、それはまた。

 木崎兄妹がダンジョン探索を再開する頃の話になるのだった。


これにて2章を終了します。

3章を書く前に別作品を書こうと思っているので、

そちらも見ていただけると幸いです。

では『地下室ダンジョン』

また3章でお会いしましょう。

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