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地下室ダンジョン~貧乏兄妹は娯楽を求めて最強へ~  作者: 錆び匙
1章 貧乏兄妹は娯楽を求めて最強へ
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12.そのころ○○は(勇者編&説明)

 今自分たちはテストを受けている。2週間に亘る授業は週に1度の休みはあったもののまるで大学受験の時の勉強合宿のようだった。

 いや、あの頃は今までの人生で習ったものを定着させていく勉強だったが自分たちが受けた授業は全く別物だった。

 今までフィクションの世界でしか語られなかったものがノンフィクションとして政府の見解を織り交ぜられながら話されていく。それをすべて覚えろと言われ、2週間後のテストに向けて勉強をし続けたのだ。

 幸いテストはグループで受けるため、誰かが覚えていれば答えられる。しかし、そこで別の壁が立ちはだかる。テストには体育の実技もあるのだ。

 これに関しては誰かができれば、というわけにはいかないため全員が合格するように必死で訓練しなければいけない。グループでテストを受けるんだから受かるときも落ちるときもグループ一緒に決まっているよな。というありがたい教官の言葉の下、体育は誰か一人でも不合格だった場合は連帯責任で全員に資格が発行されることは無い。

 それだけ俺たちが貰おうとしている資格は厳しいものなのだ。


『試験型ダンジョン探索許可証』


 日本で言えば8月1日。世界中に順々と現れたダンジョンはとうとう日本にも現れた。そこから色々あり、政府が対応していき、ついに民間へのダンジョン開放が決まったのだ。それの実験として、4人グループが25組の計100人が募集された。

 募集期間が唐突な1日だけだったにもかかわらず応募者は多く、すさまじい倍率の中で、抽選された。しかし、俺たちが授業を受けているときの感覚ではおそらく抽選にしても政府が手を回しているのではないかって言われてる。確かに危険思想を持つ人が一緒にダンジョンを探索なんてなったらたまったもんじゃない。

 まあ、そんなこんなでテストも終わり自分たちは部屋に帰された。にしても情報漏洩を防ぐためだとか言って情報を得るための機器がテレビしかない。スマホやパソコンすらもないのだ。仕方ないけど暇。というわけで同室に割り当てられた女子二人と男子二人での会話を楽しむのであった。

 ちなみにダンジョン探索の応募条件に同性4名または、異性2名ずつというのがあったからこのようなメンツになったのであって決してカップルではないのはここに明記しておく。

 あえて言うのであればこの部屋はダンジョンに向けての心構えなどを鍛える部分もあり、度を越えた暴力や、男女での間違いがあった場合はその時点でチーム全員が落第となるそうだ。



 あれから1日が経ちテストの結果が返ってきた。そういえば合格点は言われていなかったので不安になりながらもチームに届いた封筒を開けるとそこにあったのは合格通知とこれからについての書類。それは手を取り合って喜んだ。

 合格点は90点だった。100点中で。言われてはいなかったのだが平常点というのもあったらしく、テストの点数は5点分上下するらしい。つまりは真の満点は105点ということになる。自分たちの点数は92点だった。つくづく危なかったと思う。テスト90点に平常点がプラス2点。

 しばらく待機と書類に書いてあったので談笑していると電話が掛かってきた。勿論内線限定の固定電話だ。そこで言われたことによると、合格祝いのパーティーがあるらしい。できる限り参加ということなので、全員で参加にした。



 パーティーが始まったのだがその光景に俺たちは目を丸くした。この会場にいる、テスト合格者はたったの20人だけだった。その後偉い人の話があり、残りの80名、20グループは不合格だったらしい。中にはテストの点数は93点だったのだが、生活態度や教官への暴言が目立ったためマイナス4点で不合格というのもあったらしい。

 そこからはビュッフェスタイルの庶民向けのパーティーでほかの合格者と交友を深めることができた。自分たちがかすむほど特徴的な人たちで、自分たちの特徴といえば一番若いことと男女二人ずつのグループということだけだろう。

 他のグループはかなりの美人女性たちのグループとどこかきりっとした女性たちのグループ。そして異常なほどムキムキな大男のグループとどっからどう見てもヤクザにしか見えないのにこれでもかというほど物腰丁寧なグループ。あぁ、自分たちが薄い。


 その日は明日から聞かされることへの守秘義務の書類などにサインしたり、スマホが返却され、部屋も移され、部屋が広くなったりと。その程度で終わった。



 次の日は朝から集められグループの名目を決めるように言われた。ダンジョンでは5人以上のグループは色々と不便なところがあるらしく、それがあっての4人ずつの応募だったらしい。

 そしてダンジョンでは4人組を1単位としてパーティーと呼ぶのだそうだ。で、制限時間30分で必死にパーティーの名前を決めたのだった。


 パーティーの名前が無事に決まり、各自自分の持つ武器を決め、決まった人から申請書を出している。

 ちなみにパーティーの名前は、自分たちが『勇者御一行』。まぁふざけすぎた。

 美人女性四人組が『大和撫子』。見た目からして納得だと思う。

 きりっとした女性たちが『葡萄会』。正直この人たちはよく分からない。

 異様な筋肉たちが『上腕二頭筋』。本当にそれでいいのだろうか。

 そしてヤクザっぽい人たちが『893(パックサン)』。その名前は大丈夫なのか。著作権的に。

 と、自分たちもこの一風変わった面子に混ざるためふざけて勇者御一行なんて名前にした。

 ふざけてはいるものの、これは武器を決めるときに先に決めておけと言われていたダンジョン内でのジョブが関係する。

 自分は『剣』。

 パーティーメンバーの男が『盾』、女性二人が『魔法』と『回復』だった。

 よくあるファンタジー小説でもよく見る組み合わせだと思う。ちなみに実験も兼ねているので、パーティー内でジョブが被らないようにと言われているのだ。ちなみにここまでくると戦術が関係してくるので他のパーティーとは互いに不干渉の体制をとることになってしまった。


 そうして武器選びに移ったのだけれども魔法系統の2人は護身用の軽い剣で盾はそのまま警察が使っているのを流用するらしい。そして問題が自分。最初は刀で申請をしていたけど。いざ訓練ってなった時に曲げちゃって。

 使い方を知らない人に刀は難しいとよく理解したので、西洋剣になった。ちなみに、ここら辺の代金も含めて最初に初期費用が払ってあるのでお金は気にする必要が無かった。


 こうして自分たちのダンジョンへ潜る準備を終えたのだった。明日からは、試験の点数が良かったパーティーから順に時間差でダンジョンに入るらしい。既に命の保証はしないという契約書も書いている。緊張するが楽しみだ。


 ちなみに自分たちのパーティーがダンジョンに入るのは最後らしい。


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